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“核のごみ”処分場選定に向け新たな動き 全国初の文献調査 北海道の寿都町と神恵内村に報告書提出

HTB北海道ニュース / 2024年11月22日 18時46分

(c)HTB

いわゆる「核のごみ」の処分場の選定に向け新たな動きがありました。22日、全国初の文献調査を行った北海道の寿都町と神恵内村に報告書が提出されました。

原子力発電によって発生する「核のごみ」。非常に強い放射線を出し、人が真横に立つとわずか20秒で死に至るともいわれています。これを金属や粘土で覆って地表から300メートル以上深い地下に埋めるのが最終処分です。

NUMO・山口彰理事長)

「文献調査報告書を提出させていただきます」。

午後1時に原子力発電環境整備機構「NUMO」の山口彰理事長が神恵内村役場で文献調査の報告書を提出しました。これに先立ち午前には寿都町の片岡春雄町長にも非公開の場で文献調査の報告書が手渡されました。

文献調査は「核のごみ」の最終処分場を選定するための最初の調査で、過去の記録から地質などを調べます。次の段階がボーリング調査を行う「概要調査」、最後に実際に地下に穴を掘る「精密調査」となります。国からは文献調査で20億円、概要調査で70億円が交付されます。

文献調査の開始からおよそ4年。報告書は寿都町の分が795ページ、神恵内村の分が743ページで、22日からNUMOのホームページで公開されています。

寿都町では町内全域と沖合15キロ程度までの海底の下が、次の調査に進むための候補地とされています。ただ、寿都町の南に活断層と考えられる「白炭断層」があるなど、次の段階の調査では「留意すべき」点も指摘されています。

神恵内村では「火山」がカギになります。積丹岳の中心から半径15キロをのぞく村の南側の一部と、沖合15キロ程度までの海底の下が次の調査の候補地とされています。

報告書の提出をうけ、寿都町、神恵内村両自治体の住民は。

寿都町民(Q住民の理解は)

「深まっていない。変わらない。それは説明がなされていないから」

寿都町民)

「(寿都に)核のゴミを持ってくるなら、人口の多い札幌に持って行けばいい」。

神恵内村民)

「もし民意が多ければ概要調査に進んでもいいのでは」。

次の調査に進むには、地元の同意が必要とされます。寿都町の片岡町長と神恵内村の高橋村長はいずれも、住民投票を行う考えです。

北海道・鈴木直道知事

「最大20億円渡しますよと、ある意味ではほほを札束でたたくやり方で『手を挙げるのはどうなんだ』と求めていく」。

また、鈴木知事の同意も必要となりますが、これまで一貫して反対の考えで、22日の会見でも態度は変えていません。

鈴木知事)

「仮に概要調査に移行しようとする場合、現時点で反対の意見を述べる考えであるということ、これに変わりはない」。

午後4時過ぎ、NUMOの山口理事長から2町村の報告書を受け取った鈴木知事。改めて反対する考えを伝えました。

北海道・鈴木知事)

「反対の意見を述べる考えに変わりがないということを冒頭申し上げたい。結果として北海道だけの問題になってしまうことを懸念している」。

一方、鈴木知事からノーを突き付けられたNUMO側は。

山口理事長)

「知事から反対の意見をいただいたことは我々として重く受け止めている。説明会、勉強会、その他いろいろな場を通じて説明をして、理解をいただけるよう全力を尽くす」。

NUMOは今月30日の寿都町を皮切りに、道内外で文献調査の報告書の説明会を開催する予定です。

・北海道寿都郡寿都町文献調査報告書(NUMO公式サイト)はこちら

https://www.numo.or.jp/chisoushobun/survey_status/suttu/status.html

・北海道古宇郡神恵内村文献調査報告書(NUMO公式サイト)はこちら

https://www.numo.or.jp/chisoushobun/survey_status/kamoenai/status.html

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