札幌市を走る路線バス約320本が減便 背景に運転手不足 事業者側も手を尽くし人材確保へ

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12月に入り、札幌市内では路線バスが減便され、運賃も値上がりしました。その原因となっている運転手不足、解決の道はあるのでしょうか。

井口七海記者）「12月に入り多くのバスが減便となりました。ここ福住駅のターミナルでも多くの便の減便が決まっています」

冬のダイヤ改正により、札幌市内ではじょうてつバス、北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バスの大手3社で、あわせておよそ320本が減便となりました。

利用者）

「日中時間帯がちょっと無くなっちゃうから、残念ですね」

さらに札幌市内では均一運賃が1区で240円、2区で270円とそれぞれ30円ずつ値上がり。12月から運賃が値上がりしたのは、道内で13社。10社以上の一斉値上げは、消費税増税時を除いて初めてです。

利用者）

「いろいろ今物価も上がっていますし、嫌だなと」

この減便と値上がりの背景にあるのが、運転手不足。道内のバス事業者のおよそ半数が加盟している北海道バス協会の調査によりますと、運転手は、この5年間で1000人近く減っています。

バス会社担当者）

「路線バスメインというような形であれば、千歳の営業所の方になりますし…」

運転手の確保に頭を悩ませるバス会社。札幌で開かれた合同就職相談会には道内のバス事業者21社が参加し、給与面での待遇改善などを説明しました。

網走バス加藤仁運行管理部長）

「去年より手当アップしました。そういう感じで他社との差を詰めていこうと。

5人以上は来ていただきたい」

相談会に来たのは、転職先や定年後の仕事としてバス運転手を考える人たち。

重視しているのはやはり…。

相談会に参加した人）「生活するというところで、収入だったり福利厚生だったりというところを聞いています」

運転手の不足はバス業界だけではありません。

井口七海記者）

「札幌の地下歩行空間の一角には、タクシードライバーの就職に関する相談窓口が設けられています」

コロナの影響もあり、15年前に比べ半減しているタクシー運転手。

タクシー運転手）

「私の場合は、朝5時から8時の間に出社すればいいという幅があるので」

札幌の地下歩行空間で行われた、女性運転手による座談会。

タクシー会社の週休3日制や、家庭との両立をしやすいようフレックスタイム制が導入されていることなど、働きやすい環境をアピールしました。

札幌ハイヤー協会平島誉久会長）

「私たちの業界もまだまだ不足している状況があるので、女性でも若者でも高齢者でも働きやすい職場環境が整っているとPRしたくて」

バスやタクシー業界が抱える運転手不足。市民の足を守るため試行錯誤が続いています。