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北海道の宿泊税導入 再来年4月から・・・ 先行して宿泊税を徴収している自治体ー倶知安町の反応は?

HTB北海道ニュース / 2024年12月11日 15時46分

(c)HTB

世界的な冬のリゾート地として知られる後志の倶知安町。

この季節には、パウダースノーを求めて、世界各地から観光客が訪れています。

須藤有基記者「こちら倶知安町比羅夫地区にあるアイラブニセコのモニュメント。このように宿泊税が活用されています」

2019年、道内で初めて倶知安町が導入した「宿泊税」。

町内すべての宿泊施設で、食事代などを除いた宿泊料金の2%が課税される仕組みです。

倶知安町 文字一志町長「世界に誇れる国際リゾートを作っていきましょうやという大きな目標を掲げている中で、大変ですね、なくてはならない観光財源の確保手段だという風に位置付けております」

宿泊税による税収は、昨年度はおよそ4億4000万円。

比羅夫地区を循環する無料シャトルバスの運行費用や、ロードヒーティングの費用などに活用されています。

倶知安町 文字一志町長「しっかりとお客さんからいただいた税を基にですね、還元することができる。観光振興のために使える」

この宿泊税の課税方法を巡って、大きな問題が発生しました。

倶知安町から遅れること5年。道は先月26日、再来年4月に宿泊税を全道で導入する条例案を、道議会に提出しました。

鈴木知事「観光の振興を図る施策に要する経費を充てることを目的に、宿泊者に対して宿泊税を課する」

案では1人1泊につき宿泊料金が2万円未満は100円、2万円以上5万円未満は200円、5万円以上は500円を徴収する「段階的定額制」で、税収はおよそ年間45億円を見込んでいます。

鈴木知事「わかりやすさだとか、簡素な制度ということから、事業者の皆さんの声、また市町村でも様々なご検討をされた中で、定額制がいいのではないかということで」

道は今回、計算しやすいとされる「段階的定額制」を選択しましたが、高級宿泊施設が多い倶知安町では、料金に応じて2%課税する「定率制」を採用しています。

道の宿泊税が決まれば、倶知安町は二つの方式が混在することとなります。

早川貴士さん「どのようになるのかが、まったく話し合われていないんですね。この下に北海道宿泊税として入れていくのか、この宿泊税に合算して書いていくのか、そういった協議も一切聞いていないので、私たちは不安しかないんですね」

倶知安町でペンションを営む早川貴士さん。

異なる二つの方式で税を徴収することへの不安を口にします。

早川貴士さん「基礎自治体である倶知安町、一方で広域自治体である北海道。何かそういった小さなものを押しつぶせるんじゃないというような形を感じてしまわざるを得ない」

課税方法が混在することで宿泊客への説明が複雑になることや、事務作業が煩雑になることに懸念を抱いています。

そこで、道の宿泊税も現行の定率制で徴収したい倶知安町や観光協会などは、道議会各会派などに道の宿泊税も市町村ごとに「定率制」と「段階的定額制」を選択できる仕組みの導入ができないか要望しました。

倶知安観光協会 二川原康平会長「ここはもう少し時間をかけて、いろんな特例・例外があるかもしれませんけども、もう少し議論をする時間が欲しいというのが本音です」

一方、鈴木知事は、条例案を提出後の記者会見で、改めて倶知安町の意向には添えない考えを示しました。

鈴木知事「検討を重ねてきましたが、納税者や地域間の公平性を確保しながら、道の税制度において実現できないということで判断に至ったところだ」

しかしながら知事が倶知安町との協議を打ち切って、宿泊税の条例案を提出した事が物議をかもします。

知事は最大会派の自民党・道民会議から厳しく追及されました。

自民党・道民会議 宮下准一道議「倶知安町や観光事業者との方々との間で合意形成ができ、十分に理解が得られたと判断し条例案を提案したのか、判断の根拠も含めて伺います」

鈴木知事「合意に至らなかったことは、反省しなければならない状況と考えており、大変心苦しく思っております」

知事が合意を待たず先走って条例案を提出したことに、自民党・道民会議は一般質問の最後に異例の指摘を行いました。

自民党・道民会議 宮下准一道議「(自治体との)信頼関係にどれほどの影響を及ぼすこととなるのか、そのことの重大性を知事は十分に理解していない」

道は、道議会定例会の最終日である12月12日にこの条例案の成立を目指しています。

道の対応に倶知安町は・・・

倶知安町 文字一志町長「(道は)制度面での議論は打ち切って、早く具体的な軽減策だとかっていうところを深掘りしたいっていうことでのお話ですけれども、しかしながら、やっぱり私たちは、これはやっぱり譲れるところと譲れないところがありますので」

札幌市の宿泊税導入に向けた有識者会議の委員長を務めた専門家は、道の進め方に苦言を呈します。

北大大学院 平本健太教授「後から道の条例が出来るから、倶知安町も定率をやめて定額に合わせてくださいという一方的な押し付けのような議論はやや乱暴なんじゃないかなと思います。どうにかうまく折り合いがつけられれば良いと思います」

ここで宿泊税の新たな動きが入ってきました。

鈴木知事は先ほど、道議会予算特別委員会で、倶知安町内の宿泊者からは道分の宿泊税を徴収しないと表明しました。

鈴木知事「町内は定率制を基本とし、道宿泊税に税収に相当する額を道に交付する場合は、道宿泊税を課税しないという双方の制度を見直すことを基本とすることについて、最終合意に至ったものであります」

道と倶知安町は、倶知安町内の宿泊者からは道分の宿泊税は徴収せず、本来得られるはずだった道分の税収相当額を倶知安町が道に収める形で合意したということです。

収める分の財源など詳細については今後協議するということです。

札幌市も道と同じ再来年4月の導入を目指しています。

札幌市の宿泊税条例は12月11日の市議会で、道議会の分は12日の本会議で可決される見通しです。

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