旭川・女子高校生殺害 被告が手紙につづった後悔 特殊詐欺相次ぐ 元実行犯の告白【プレイバック2024】
HTB北海道ニュース / 2024年12月25日 18時17分
プレイバック2024、今回は道内で起きた事件を振り返ります。旭川で女子高校生が殺害された事件では、逮捕・起訴された当時19歳の女が、弁護士に宛てた手紙で後悔の思いをつづりました。
今年も多くの命が、凄惨な事件で奪われました。
「刃物を放せ!」
早朝のコンビニを狙った、理不尽な犯行。
記者:「こちらの花壇に、赤ちゃんの遺体を埋めたとみられます」。
母親が奪ってしまった、我が子の未来。
SNSで知り合い、一緒に命を絶つことを選んだ人も。
記者:「男性が発見された公園には、規制線が張られています」。
若者が犠牲になる事件も相次ぎました。
永山友菜記者:「旭川郊外の橋には雪が降り積もり、冷たい風が吹きつけています。この橋で、当時17歳の女子高校生の命が奪われました」。
4月、旭川市の神居大橋で、留萌市の女子高校生が、橋から転落し死亡しました。殺人などの罪で起訴されたのは、内田梨瑚被告と当時19歳の女です。
2人は女子高校生に暴行を加えながら、留萌市から旭川市内の神居大橋へ。そこで2人は、「落ちろ」「死ねや」などと言って橋から女子高校生を落とし、殺害したとされています。当時19歳の女は、一連の犯行について罪を認めていますが、内田被告は殺人については否認を続けています。
便箋4枚につづられた手紙。先月、旭川市内に勾留されている女から弁護士に届いたものです。弁護士が差し入れした小学生用のドリルを使って、勉強していると書かれています。
手紙:「もっと沢山勉強して色々な事学びたいんです。なので、前に差し入れしていただいた教科書みたいなやつの中学校版があれば差し入れしていただきたいです」。
事件については、後悔の日々を過ごしていると打ち明けています。
手紙:「本当に取り返しのつかない事をしてしまって、被害者の子のご家族のお気持ちを考えると、涙が止まらないんです。リコさんの事を止めていればこのような事にはならず、被害者の子は今頃生きていて普通に暮らしていたかもしれない。この先、一生一人の女の子の命を奪ってしまったという責任と重い罪を背負っていきたいと思います」。
犯行現場で何があったのか?弁護士への取材で、当時19歳の女と内田被告、それぞれが主張する内容が新たに分かりました。
まず、当時19歳の女の主張。女子高校生は内田被告の指示で川の方を向き、橋の欄干に座っていました。その際、女が二の腕と背中を、内田被告が背中を押します。高校生は、とっさにロープに捕まったものの落下。内田被告に「行くよ」と言われ、立ち去ったといいます。
一方、内田被告の主張はこうです。2人は、高校生を橋の欄干の外側に、川の方を向かせて立たせたといいます。そのままの状態にして立ち去ると、「ドン」という音が聞こえたと話しているとういことです。
2人の主張が食い違う中、事件の真相はどこにあるのでしょうか?当時19歳の女の裁判は、来年2月に始まります。そして、来年夏ごろには、内田被告の裁判も始まる見通しです。
今年は「闇バイト」による犯罪も横行しました。道内でも、強盗などに関与したとして2人が逮捕・起訴されています。闇バイトの背後にあるのは、SNSなどで実行犯を募る匿名・流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」。被害が収まらない「特殊詐欺」の温床とされています。
道内の特殊詐欺による被害額は、11月まででおよそ6億2000万円。去年1年間の被害額をすでに5000万円ほど上回り、過去5年で2番目に多い額となっています。
特殊詐欺の実態とは?HTBは、かつて道内で「受け子」や「かけ子」をしていたという男性を取材しました。
特殊詐欺に関与した男性(24):「きっかけは、先輩からの誘いで『いいバイト』とか『普通に働いていて稼げる額が1日で入るよ』みたいな感じで軽く言われて、どんなもんかなと軽い感じでやりました」。
伊達市に住む24歳の男性。初めて特殊詐欺に関わったのは4年前、20歳の時でした。与えられた役割は、いわゆる「かけ子」。
特殊詐欺に関与した男性(24):「台本みたいなのがあって、その通り言っていくだけ。『キャッシュカードの被害があって、そちらのお宅に私服警察官がキャッシュカードを回収しに行くから準備して待っていてほしい』と」。
記者:「詐欺なんじゃないかと疑われることは?」
男性:「ありましたね。『そう言われたら切っちゃっていい』と言われていたので、ガチャっと(切りました)。1人がずっと座って僕らの方を見ているという感じで、切ったら切ったで『ドンマイ、また次頑張ってかけて』と言われて」。
札幌市内のマンションの一室で3時間ほど電話をかけ、その日だけで20万円ほどの報酬を得たそうです。罪悪感から一度は距離を置きましたが、その後も先輩からの誘いは続き、2年前、再び手を染めてしまいました。当時は「コロナ禍」で、収入が減っていたと言います。
特殊詐欺に関与した男性(24):「給料が全然入らなかったりとか、暮らせる分はあっても遊ぶ分がなかったので、小遣い稼ぎの短期バイトみたいな感じでやりました」。
この時の役割は「受け子」。釧路市内の高齢の女性の家に向かい、キャッシュカードを受け取ってくるというものでした。そして、事前に聞きだした暗証番号を元に、現金およそ150万円を引き出したという男性。その1割にあたる15万円を報酬として得ました。しかし、その数週間後…。
特殊詐欺に関与した男性(24):「起きたら警察に囲まれていて、手帳を見せられて、『分かるな?もうなんで来たか分かるな?』って」。
男性はキャッシュカードを盗んだ罪で起訴され、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を受けました。
特殊詐欺に関与した男性(24):「その時の気持ちだけでやった代償にしては、でかすぎるなっていうのがあります。後悔してからではもう遅いので、後悔する前にもう一回よく考えてから行動した方がいいと思います」。
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