JR北海道 重大事故につながりかねない事案 去年2件発生していたのにもかかわらず公表せず
HTB北海道ニュース / 2025年2月3日 18時44分
安全が再び揺らいでいます。JR北海道で重大事故の恐れがある事案が、去年2件発生していたことが明らかになりました。JR側はこの2件を公表していませんでした。
永山友菜記者)
「保線を行っていた作業員は貨物列車が接近してきたにもかかわらず線路の上で作業を続けていました」。
去年11月9日の未明、重大事故につながりかねない事案が砂川駅の構内で発生していました。JR北海道によりますと札幌方面に向かっていた貨物列車が砂川駅のホームを通過する際、運転士がおよそ400メートル先の線路上に保線作業員3人がいるのを発見しました。
3人は、運転士が警笛を鳴らしたことで列車の接近に気がつき、急いで待避。事故は免れましたが、非常ブレーキをかけた列車は3人がいた場所を100メートルほど過ぎて停止したということです。
社内の原因調査に対し当初保線作業員は「工具を忘れたので取りに戻った」と説明していました。しかし再び調査を行ったところ、作業員は「絶縁ブロックの交換を行っていた」と説明を変えたということです。また当時は社内で定められている見張り員の配置や作業を知らせるライトの設置も怠っていました。
道運輸局によりますとJR北海道からこの問題に関する報告はなく、一連の報道を受けて聞き取りを行ったところ、「作業員が線路から出るのが遅れた」との回答があったということです。さらに。
永山友菜記者)
「岩見沢でも保線作業員と貨物列車が接触しそうになっていたことがわかりました」。
去年8月、函館線の岩見沢駅と峰延駅の間で行われた保線工事で、作業中にも関わらず線路の閉鎖が解除され列車が進入できる状態になっていたことも発覚しました。大事故につながりかねない2つの事案。JR北海道はどちらも公表していませんでした。専門家は。
鉄道工学リサーチ・センター 綱島均副センター長)
「いわゆる風通しが悪いといわれる社風になっていないか。現場の保線作業員が悪いということにしてしまっては、全く安全性に寄与しないのでは」。
12年前の貨物列車脱線事故でレールの検査データ改ざんが明らかになるなど、ずさんな安全管理が問題となったJR北海道。2014年に国から「事業改善命令」と「監督命令」を受け、社員の安全意識向上に努めてきたはずでした。
鉄道工学リサーチ・センター綱島均・副センター長
「安全教育をちゃんとやっていくべき、実効性があるものかどうか検証しないといけない」。
鉄道の根幹となる安全が再び揺れている北の鉄路。JR北海道には徹底した意識改革が求められます。
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