飛行機の縁の下の力持ち 知られざるグランドハンドリングの世界 その全国大会に密着
HTB北海道ニュース / 2025年2月6日 10時59分
「グランドハンドリング」という仕事をご存知でしょうか。
飛行機の運航を支える縁の下の力持ち。
その仕事の裏側に潜入しました。
飛行機の運航に欠かせない縁の下の力持ち。
その名も「グランドハンドリング」。
略して「グラハン」!定時運航を支えるプロの技とは・・・!
オホーツクエリアの空の玄関口、女満別空港。
1日およそ30便が行き交います。
その裏で・・
千棒隼さん「いまからお客様のバッグが流れてくるので、コンテナに詰め込む作業。
Qどこ行き?手前が千歳空港行き、奥が羽田空港行き」
預けられた荷物はひとつひとつ手作業でコンテナに。
「Q積むときのコツは?重ねて積むので、形のいいキャリーケースを下に積んで崩れないように積んで。テトリスうまい人は積むのうまいです」
マーシャリングといわれる飛行機の誘導もグラハンの仕事。
井元小雪記者「羽子板みたいな形ですが・・・重いですね」
パドルを使い、パイロットを誘導所定の位置にピッタリと停止させます。
この機体誘導のハンドシグナルは25種類もあるんだそうです。
尾形祐樹さん「停止位置になりますよとなったら、ゆっくり手を挙げて最後に止まりますよで、クロス」
井元小雪記者「いま到着したばかりの飛行機から荷物が降ろされています。ひとつひとつ丁寧に降ろされていますよ」
到着から折り返し便の出発までは40分しかありません。
その間に荷物を降ろし、次の便の荷物を積み込みます。
時間との闘いです。
「あと何個くらい?あと20個くらい」
女満別空港JALグループが扱う1日の手荷物は800~900個、貨物は1~2トンほど。ホタテ、タコ、筋子など地域特有の海産物も数多く扱います。
尾形祐樹さん「作業員みんなとコミュニケーションを取るのを大事にしています。日々コミュニケーション取っておけば、イレギュラーなものがあったとしてもすぐに対応できる」
千棒隼さん「お客様の命をお預かりしているので、安全に飛行機を飛ばすように意識している」
安全第一の裏には、過酷な環境での作業も・・・
尾形祐樹さん「冬がやっぱり1番こたえますかね。吹雪とかにぶち当たったりすると、結構体力持ってかれる」
実はこの尾形さんと千棒さんグランドハンドリング技術を競うJALのコンテストの全国大会に出場することが決まったのです。
道内空港では、イチバンの成績で予選を通過しました!
さきほどの飛行機。出発の時刻になりました。
井元小雪記者「乗せていただけるということで、楽しみです!この景色はないですよ!すごい!」
飛行機が大好きという記者が興奮気味のこの車は・・・
尾形祐樹さん「飛行機を押す車」飛行機は自力でバックすることができません。
そのためグラハンスタッフが運転する、トーイングカーと呼ばれる特殊な車で飛行機を滑走路まで押し出します。
井元小雪記者「わ!動き出しですね。飛行機を押してますよ!すごい!なかなか貴重な体験です。けっこう重量、重いんだなと感じます。ずっしりというか」
「Q機長と目合う?たまにありますたまに」
そして・・・・無事に定刻通り離陸です。
尾形祐樹さん「Q私たち(乗客)が手を振ってるのは見えているんでしょうか?意外とはっきり見えています。あ、手振ってくれてるなっていう」
千棒隼さん「本当に”安全に行ってらっしゃい”という気持ちで」
ちなみに・・・みなさん搭乗の時に歩くボーディング・ブリッジを操作しているのもグラハンスタッフなんです。
今年1月に開催されたグランドハンドリングコンテスト決勝。
井元小雪記者「大きい格納庫ですよね、そして目の前には美しい機体が。
惚れ惚れしますね。決戦の舞台はここ、羽田空港です」
国内24の空港から予選を勝ち抜いた全11チームが集結しました。
尾形祐樹さん「緊張はしてるが、いつもの業務だと思って頑張ります」
チーム名は、「北の国から2025挑戦」
井元小雪記者「女満別空港チームの挑戦が始まりました。ひとつひとつ荷物を積み込んでいきます」
1種目目は、「カーゴチャレンジ」。
様々な形の貨物をコンテナに積み込み、時間や技術を競います。
井元小雪記者「荷物の積み込みはテトリスのようだと話していました。千棒さん、うまく積み込んでいますでしょうか」
千棒隼さん「カレンダーください!」
井元小雪記者「細長いの形状の物を要求していましたね」中にはお酒やケーキに見立てた貨物も。
井元小雪記者「応援部隊も豪華なうちわで応援しています。ホタテのうちわにカニのうちわ、女満別らしさが出てますね!」
残念ながら段ボール4つを残して終了。
2種目目は・・・・「アヒルチャレンジ」。
トーイングトラクターでけん引するカートの中には、水に浮かんだたくさんのアヒルが。
S字や段差などの障害物をクリアしより早く、水をこぼさずにゴールしなければなりません。
千棒隼さん「もうそろそろきますよゆっくり。前輪乗り終わりました。後輪もうそろそろ・・・」
井元小雪記者「おっとここでちょっと段差がバタンと言いましたね。大丈夫でしょうか。」
アヒルは全部無事でしたが水はこぼれてしまいました。
千棒隼さん「尾形さんとコミュニケーションを取ってできたのかなと。」
「Qばたんと後輪が?おっ!?と思った」
尾形祐樹さん「段差がちょっと・・・」
結果は・・・健闘むなしく8位でした。
JALグランドハンドリング企画部市村優さん「(どの空港も)ハンドリングの意識レベルが非常に高い。ひとつひとつの確認行為、ここにはいろんな魂が込められています。AIが進んでもロボットが進んでも、結局、物っていろんな形状があるので、人の手にしかできないこと。」
尾形祐樹さん「グラハンってあんま知られてないと思うので、こういうコンテストでグラハン全体が盛り上がっていければ」
知られざるグランドハンドリングの世界。これからも日本の空を支えます。
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