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「夢があるなら諦めないでついてきてくださいね」聴覚障害持ちながらも…バスの運転手になる夢叶えた男性

HTB北海道ニュース / 2025年2月11日 18時0分

(c)HTB

北海道・苫小牧市で聴覚障害を持ちながらもバスの運転手になる夢を叶えた男性がいます。障害のある人とない人がともに働くために何が必要なのでしょうか。

日軽北海道職員)

「おはようございます。補聴器はつけていますか?」。

苫小牧市でバスの運転手として働く大沢勇一さん、59歳。生まれた時から感音性難聴という障害で両耳とも補聴器のない状態ではほとんど聞こえません。

これまで自動車の部品工場などで働いてきた大沢さん。仕事で人と関わる中で悔しい経験をしてきました。

大沢さん)

「『めんどくさい。もう話す必要はない』と言われたことがあります。言い訳だと思いました」。

それでも抱き続けた夢がバスの運転手になることでした。

大沢勇一さん)

「父がタクシーの運転手をしていました。元々興味がありました。父みたいに運転手になりたいと思いました」。

夢への扉が開いたのは、2016年の道路交通法の規則の改正。ろう者でも補聴器を使って一定レベルの聴力があれば2種免許を取れるようになったのです。しかしなかなか受け入れてくれる企業は見つからず、11社目でようやく採用が決まりました。

採用したのは発電所などに勤める従業員の通勤バスや貸し切りバスを運行する日軽北海道です。

日軽北海道 松原浩二課長)

「本当に乗りたいんだという想いが僕の中で刺さってきたので、なんとかしようかなと採用しました」。

道内で聴覚障害のあるバス運転手は大沢さんが初めて。会社は、手探りの状態から受け入れ体制を整えました。

各種運行中に確認したいことがある場合は、無線ではなく、メールでやり取り。バスの位置は、事業所からGPSで把握できる仕組みにしました。心配されたコミュニケーション面も専用のカードを作って対応しています。

日軽北海道の職員)

「案外伝わりますね。大丈夫です」。

事故や災害のときは乗客が大沢さんに代わって会社に連絡するなど、緊急対応のマニュアルもバスに常備しました。

日軽北海道 櫻井孝義さん)

「何でできないのかなって思うじゃないですか。出来ないことには理由があって何か障害になっていることがあるのかなと。それ1個抜けば上達することも多々ある」。

通常2カ月ほどの研修を4カ月以上行いじっくり教わった大沢さん。去年12月、独り立ちするための社内検定がありました。結果は…

「合格とさせていただきます」。

大沢さん)

「ありがとうございました」。

教官として一番長く大沢さんの指導にあたった櫻井さん。夢を叶えてあげたいからこそ厳しく教えてきたと言います。

日軽北海道 櫻井孝義さん)

「『夢があるなら諦めないでついてきてくださいね』と。知らない分からない、やったことないは関係ない。『やってくださいね。やらなきゃいけないから』まで言った」。

櫻井さん)「鬼教官」

大沢さん)「へへ」

バス運転手としてのキャリアが始まりました。今は、朝と晩の1日2便、企業の送迎バスを担当しています。

乗車中)

「(乗客に)おはようございます」

大沢勇一さん)

「お客さんのために運行することが楽しいです」。

デビューからおよそ2カ月。一人での運行にも慣れてきました。

乗客)

「ジェスチャーとかでコミュニケーションも取れているし、乗っていても快適に通勤させていただいている」、「応援したいなと思いました。日軽北海道にも話したが、全面的に協力すると伝えました」。

同僚や乗客との信頼関係も生まれ、自信が芽生えています。

大沢さんと櫻井さん

「今90パーセントぐらいです。まだ上手くないです」、「90パーセントって多くない?70パーでしょ。テレビ映っているから70とかにしておきなさい」、「120パーセント」。

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