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「幹部変わらなければ現場は終わり」JR北海道に臨時保安監査 砂川駅構内での保線作業の安全不備で

HTB北海道ニュース / 2025年2月12日 16時15分

(c)HTB

去年11月、砂川駅構内での保線作業の安全不備をめぐり、JR北海道の社員が報告書を改ざんしていた問題。道運輸局は12日、臨時の保安監査に入りました。

奥田勤記者)

「鉄道安全監査官がJR北海道の本社に入っていきます」。

道運輸局による臨時の保安監査。午後1時すぎからJR北海道の本社で始まり、安全管理体制などの確認が行われています。

問題は去年11月、砂川駅構内で起きました。JR北海道によりますと、札幌方面に向かう貨物列車が砂川駅を通過する際、およそ400メートル先の線路上で作業員3人が保線工事を行っているのを運転士が発見。3人は、運転士が鳴らした警笛で列車の接近に気づき、急いで退避。事故は免れましたが、非常ブレーキをかけた列車は3人がいた場所を100メートルほど過ぎて停止したということです。

また、その後の社内調査に対し、保線作業員が「工具を忘れたので取りに戻った」と虚偽の報告をしていたことが発覚。さらに虚偽報告の発覚を恐れた上司が、作業員全員に対し虚偽報告の内容が正しいとするよう伝えたうえ、辻褄を合わせるため現場報告書の内容を改ざんしていたことなども明らかになりました。

鉄道事故に詳しい専門家は、安全管理に対するJR北海道の姿勢を厳しく批判します。

鉄道工学リサーチセンター 綱島均副センター長)

「絶対にやってはいけない、それによって保安監査が入るので非常に重大な問題であると認識」。

JR北海道に対する道運輸局の臨時保安監査は、レール検査データの改ざんが発覚した2013年の貨物列車脱線事故以来です。

綱島均副センター長)

「世の中から非常に厳しい目で見られているそういうことを経験している会社なんです。手順から逸脱しているのはわかりながら、現実はこうしないと作業ができないからやっていたということを、上層部が理解していなかったことももあるのかもしれない」。

JR北海道で何が起きているのでしょうか。

現役の社員がHTBの取材に答え、保線現場の人手が足りていない現状を明かしました。

JR北海道社員)

「現場の人が足りないのは実態ですが、若手が育たないから人数的にいてはいても戦力になる人は少ない」。

12年前の脱線事故を教訓に開かれている社員向けの安全教育についても実効性がないと話します。

JR北海道社員)

「表向きはやっていますよというだけで社員に浸透していないのが事実。みんな面倒くさくて行きたくないって言っている。根本的に幹部が変わらなければ現場は終わりますね」。

JR北海道は今回の臨時保安監査について、このようにコメントしています。

「全面的にご協力し、いただいた指示などを真摯に受け止め、今後の対策に生かしたい」。

道運輸局によりますと、12日の監査は午後5時ごろに終了し、13日も引き続き監査を行うということです。

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