広島でも『ライドシェア』導入へ どんな仕組み?タクシー業界の反応は? 【テレビ派・長島カイセツ】
広島テレビ ニュース / 2024年4月24日 20時35分
広島テレビの長島清隆解説委員が、注目のニュースを分かりやすく分析・説明する「長島カイセツ」です。今回は、広島で始まろうとしている「ライドシェア」についてお伝えします。
『ライドシェア』とは、一般のドライバーが自分の車で利用客の元へ向かい、乗せて目的地まで行くというサービスです。ライドシェアの利用客は、スマートフォンのアプリで配車を依頼し、料金はスマートフォンのアプリ上での決済となります。これまで、自分の車に利用客を乗せて、運賃をもらうことを 「白タク行為」で違法としていましたが、国土交通省は、東京などに続いて、広島や札幌、仙台など8つの区域で、5月にも事業を開始すると明らかにしました。
東京や神奈川などでは、すでにサービスが始まっています。4月8日に、国土交通大臣も 出席してライドシェア開始のセレモニーが行われました。日本でのライドシェアは、タクシー会社の運行管理のもとで、タクシーが不足する地域や時間帯を限定して行われます。利用者はアプリで目的地を入力し、運賃を確定させた後、配車された車に乗り、キャッシュレス決済で支払いをします。一方、ドライバーはタクシー会社と契約を結び、リモートで点呼やアルコールチェックを受けた後、勤務をします。また、車も点検などを受ける必要があります。さらに、ライドシェアのドライバーには、2年以内に無事故であることなどの条件があります。
運行管理として、ドライバーはタクシー会社と契約を結びます。利用客を乗せるので、タクシー会社での研修や、3か月に1回の車の定期点検などを受けます。また、リモートで点呼やアルコールチェックを受けた後、勤務となります。
ドライバーが増えることで、タクシー会社の運転手の収入の減少が心配されますが、国はあくまでもタクシーが不足する時間帯を、ライドシェアで補うという考え方です。東京を例に見ると、ライドシェアができる可能な時間帯が限定されており、月曜日から金曜日の平日は午前7時から午前10時台まで、金曜日と土曜日は午後4時から午後7時台、土曜日は午前0時から午前4時台、日曜日は午前10時から午後1時台までと、限られた台数の車が、限られた時間だけを稼働して、タクシー会社をフォローします。ライドシェアのドライバーとして、たくさん稼ぐのは、かなり厳しいと言えます。
海外でのライドシェアは、国によっては普及してます。例えば、ニューヨークでは、イエローキャブに乗るより、ライドシェアを使うことが多くなっています。理由として、イエローキャブはドライバーが運転しながらずっと携帯電話で喋る、ハンバーガーを食べながら運転するなど、タクシーの質が日本と比べてあまり良くないからです。さらに、ニューヨーク中心部のタクシーは電話で呼ぶサービスがないため、タクシーを常に道端で手を上げてとめる方法しかありません。
しかし、ライドシェアであれば、アプリで迎えに来てもらうことができ、乗った後にドライバーをアプリで評価するというシステムがあるため、サービスの悪いドライバーが淘汰され、結果的に質のいいドライバーだけが残り、サービスが良くなるという循環があります。しかし、日本でもそこが爆発的に人気になるかというと、そもそも日本の場合は、海外と比べてタクシードライバーの運転が安定してサービスの質が高く、相対的にライドシェアに利便性があるかというと、そこはやってみないとわからないところがあります。
広島の会社は、ライドシェアを導入するのかどうか聞いてみました。ある会社は「ライドシェアを導入して共存したい」と言います。ドライバー不足が深刻であることから、補ってもらうことを期待しているそうです。一方、別の会社は「現在アプリを導入していない会社は、すぐには厳しいのでは」と懐疑的な声もあります。まずは、アプリ会社に話を聞いてみたいと慎重な姿勢でした。国はアプリのデータを基に、ライドシェアが必要な時間帯や曜日を分析しているということです。それに基づいて台数の上限を決めて、広島では「広島交通圏」と呼ばれる広島市や廿日市市の一部を中心とするエリアで、5月にもライドシェアを開始したいとしています。
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