【地震】いつ起こるかわからない災害に備えて 広島に影響を及ぼす地震のメカニズムとは?
広島テレビ ニュース / 2024年5月1日 17時34分
4月17日夜に発生した地震の震源が、豊後水道と南海トラフ地震の想定震源域内でしたが、気象庁は関連はないと発表しました。今回の地震のメカニズムについて、広島テレビの塚原美緒気象予報士・防災士がお伝えします。
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広島大学で地震を研究する須田直樹教授に話を聞きました。
■広島大学大学院 須田直樹教授
「我々が住んでいる西南日本の下には、フィリピン海プレートと呼ばれる海のプレートが沈み込んでます。今回の地震は、そのフィリピン海プレートの中が壊れて起きた地震ですね。」
日本列島は、陸のプレートと海のプレートがぶつかるところにあります。今回の地震は、海のプレートが深く沈み込んだところで発生したとみられています。
■広島大学 須田教授
「今回は、南海トラフの地震の想定震源域の内部で確かに起こっています。ただ、南海トラフの地震が始まる時には、どちらかというと、海に近い方のプレート境界から、滑りが始まるというふうに考えられていますので、その始まりの場所よりは、今回だいぶ深いところで、しかも遠いということですので、すぐに影響を及ぼすようなことはないというふうに考えられます。」
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まとめると、南海トラフ地震は陸のプレートと海のプレートの2つがぶつかるところで発生しますが、今回の地震は、海のプレートが深く沈み込んだところで発生したもので、過去の例としては、芸予地震があげられます。今回の地震と芸予地震は 、メカニズムが全く異なっており、さらに離れているということから、今回南海トラフ地震には関連はないということでした。一方で、広島に影響する可能性がある地震に、陸のプレートで発生する活断層による直下型地震があります。私たちが生活しているすぐ足元が、震源になることから被害も大きくなります。ちょうど8年前の熊本地震のほか、能登半島地震があたります。
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では、広島でこの断層による直下型地震のリスクは、どの程度のものなのかを、日本各地の活断層を研究する広島大学の後藤秀昭准教授に、広島の活断層図を見せてもらいながら、話を聞きました。
■広島大学 後藤秀昭准教授
「陸の断層が6本、それから海の断層が1本あります。」
広島には、いま分かっているだけで合計7本の活断層あります。
■広島大学 後藤秀昭准教授
「広島とか山口の西部あたりの中国山地に沿ってたくさんの断層があります。中国地方の中でも密集していますし、西日本の中でも比較的密度の高い分布地域になっています。」
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ちなみに、広島でこういった活断層による直下型地震が起きたのは、およそ5000年前と言われています。5000年起こっていない地震が、この先起こる可能性は、十分あるということです。日本国内には、現在分かっているだけで、およそ2000本の活断層があるとされています。これらの活断層は、大体、数千年から1万年の間隔で地震を発生させています。計算していくと、数年に1回の間隔で日本各地のどこかで直下型地震が起こり、次が5000年前に地震を起こした広島ではないとは、必ずしも言い切れないということになります。
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今1番、広島の近くで地震発生の確率が高まっている活断層を、広島大学の後藤准教授に聞きました。
■広島大学 後藤秀昭准教授
「現在の調査の結果によると、安芸灘の海の底の活断層が最も高いということになっています。」
安芸灘断層帯は、広島湾から岩国沖にかけて分布する活断層群です。地震発生確率は、最も高いSランクです。
■広島大学 後藤准教授
「断層が動くと、すごく大きな揺れが起きます。合わせて海の底ですから、津波が発生します。」
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安芸灘断層帯で、直下型地震がもし起こった場合の想定が出ています。最大震度は6強、発生する津波の高さは最大で1.1m、その最大波の到達は、すぐ近くが震源であることから、発生から18分後とされています。さらに、およそ8300棟の家屋が全壊するという想定になっています。
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やはり、備えが必要となります。例えば、家具の固定や、家の中での安全な場所の確認です。以前は、トイレや風呂場は、柱がたくさんあって安全と言われていましたが、現在は決してそうではない場合も多くあります。また、耐震性が不十分な場合は、寝る場所を潰れにくい2階にするというのも、選択肢の1つということです。活断層型に限らず、今回のような地震にも必要な対策となります。改めて備えについて見直してみましょう。
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