広島からパリ・パラリンピックを目指す! 「障害のある人の希望になりたい」 男子やり投げ・白砂匠庸選手の強さのヒミツを徹底プレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビ ニュース / 2024年5月22日 18時19分
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが『パリへの道』と題して、パラリンピックへの出場を目指す、広島県北広島町出身の男子やり投げ選手をプレゼンします。
「パラリンピック」は、障がいがある人を対象としたもうひとつのオリンピックです。4年に1度、オリンピック競技大会の終了直後に同じ場所で開催されます。今年はパリで行われます。
2大会連続出場を目指すアスリート
今回は、広島から2大会連続で大舞台を目指す、東京パラリンピックやり投げ代表で、6位に入賞した白砂匠庸(しらまさ・たくや)選手を紹介します。白砂選手が出場するのは、腕に障害があるクラスです。パリパラリンピックに向けて、県北を拠点に練習をしています。広島から世界を目指す思いについて聞きました。
■男子やり投げ 白砂匠庸選手
「東京パラリンピックの時も、すごく頑張ってねっていう声をかけてもらったりとか多々ありましたので、パラリンピックっていう舞台では、出た際は、しっかり広島の思いだったりとか、北広島町の思いを感じて、しっかり自分の投てきを見せていければいいなと思っております。」
パラリンピックを前に、神戸で行われている世界選手権大会に出場するため、鍛錬を重ねています。
白砂選手は、2歳の時に農業用の機械に左手を巻き込まれ、手首から先を失いました。それでも、明るく活発な性格で、幼い頃から体を動かすことが大好きだったため、高校では陸上部に所属し、砲丸投げなどに挑戦しました。その時に、障害がない人と共に出場する大会で、思うような結果を残すことができず、悔しい思いをしたそうです。その姿を見た恩師で顧問の先生が「パラ陸上」を勧め、新たなフィールドに入りました。そこで、能力が開花し、数々の世界大会で入賞しています。
白砂選手の強さの秘密、ここにアーリー!
白砂選手の強さの秘密は、2つあります。1つ目は「義手」です。白砂選手にとっては、義手は競技に欠かすことができず、槍を投げる手ではない、つまり、利き手ではない左手に義手を装着して競技をしています。パラリンピックの選手の中には、義手を投げない手に装着する選手は多くありません。しかし、利き手ではない左手に義手をすることで、白砂選手は「体のバランスこれを取るために、とても重要な役割を担っている。」と、話しています。
トレーニングをしていると、体つきや感覚も変わってくることから、大体年に1 回~2回ほど義手の改良を重ねています。初期の頃の義手は、手が形が丸くなってものに対して、最新の義手は、人差し指が伸びています。白砂選手は、最新の義手について「投げる中でいい感覚を見つけた」と言います。前回の東京大会から3年で3~4回改良を重ね、いい結果にたどり着きました。白砂選手は「事故で左手を失う前は手があったので、義手をつけていると、指先まで血が通っているような感覚にもなる。」と、話していました。
白砂選手の強さを支えている義手は、元々は障害を隠すための道具でした。小学6年生の頃は、左手を隠しているような仕草が見られます。街中を歩いていても、見られている感覚、視線を受けているような感覚に嫌悪感があったそうです。中学・高校・社会人の初めぐらいまで、義手をつけながら生活をしていたそうです。
転機が訪れたのは「パラ陸上」との出会いで、「義手をつけていなくても、全国には障害があっても、輝いている人がたくさんいることに気付かされた。」と、心の変化にも繋がったそうです。前回の東京大会では、戦争で手を失った選手も参加していたことから「バックグラウンドのある選手と触れ合った。本当にいい貴重な経験になった。」と、話していました。
2つ目に強さの秘密は、地元愛です。パワーの源は、地元の応援と「神楽」だそうです。幼い頃から北広島町の神楽団に所属しており、陸上と両立してきました。地域の絆を感じる大事な場所と言います。
白砂選手は「パリパラリンピックで金メダル。さらには、同じように障害がある人の希望になりたい。」を目標にしているそうです。広島から世界に挑む白砂選手を応援しましょう。
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