すべての人が一緒に遊ぶ「環境」と「気持ち」を! 『インクルーシブ』な社会を目指す取り組みをプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビ ニュース / 2024年5月24日 15時41分
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は、『インクルーシブ』な社会を目指す取り組みについてプレゼンします。
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今、障害の有無や国籍など、様々な背景を持つ全ての人が孤立したり、排除されたりしないように助け合う『インクルーシブ』な社会を目指す動きが広がっています。『インクルーシブ』とは、英語で「全てを含んでいる、包括的」という意味です。
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5月から、福山市東部に位置する春日池公園に新しくお目見えした『インクルーシブ遊具』と呼ばれるブランコが話題になっています。普通のブランコとは違い、背もたれのあるチャイルドシート型や、寝そべったり座ったりできる円盤型となっており、障害のある子もない子も一緒に遊べる遊具です。
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この公園には他にも、緩やかなスロープで登りやすい滑り台や、車椅子に座ったまま遊ぶことができる砂場もあります。
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福山市公園緑地課の担当者によると、様々な個性を持った子たちが、この遊具で触れ合い、相手を思いやる心が育まれることで、多様性を認め合う共生社会の実現につがることを期待しているということでした。
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また、広島市西区の地域福祉センターで、月に1度開催されている子育て支援サークル『ぽこぽこトレイン』のオープンスペースでも、障害のある子とない子が一緒に遊べぶことができます。
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『ぽこぽこトレイン』の代表の鋤田(すきた)真樹子さんは、10歳と8歳の2児の母です。8歳のお子さんは知的障害のある自閉症で、新しいことを受け入れるのが苦手だそうです。ただ、コロナ禍で人との関わりがなくなり、成長の機会が奪われることが心配になったことで、そのような場所を自分たちで立ち上げることにしました。そこで、8歳と5歳の2児の母でもあり、言語聴覚士の副代表の高橋茜さんに協力を求めると、発達に悩んだり孤独を感じている保護者の居場所になればと意気投合しました。
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この日は、障害のある子とない子を合わせて11組の親子が参加し、母の日の前日だったことから「お花屋さんごっこ」が行われていました。お母さんにプレゼントをするために、おもちゃのお金で、折り紙で作ったお花を買い、アレンジするという遊びをしていました。
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『ぽこぽこトレイン』のオープンスペースの特徴は「自由であること」です。子どもには、それぞれ得意・不得意があり、全てを一緒にする必要はないとう考えから、月替わりの企画に沿ってみんなで同じ遊びをするだけではなく、好きなことをして遊ぶことができます。また、工作のコーナーやおもちゃのコーナーの他に、思いっきり動けるスペースも用意されています。
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子どもの中には、お友達とのコミュニケーションが苦手な子もいます。そこで『ぽこぽこトレイン』では、大人が関わることを大切にしています。相手の気持ちを考えられずにおもちゃを独占してしまうなどのトラブルが起きた時のために、大人が遊びを見守っています。この日は、サークルのスタッフに加えて、学生ボランティアも多く参加していました。
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言葉だけでは理解するのが難しい子どものために、イラストを使った掲示物で分かりやすくするなどの工夫もしています。
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参加した木下さん家族は、4歳の瑞生くんについて「言葉が出なかったり、感情を抑えられない時があるが、このオープンスペースなら、何かあっても周囲が分かってくれるという安心感がある。家では目を離せないが、ここは多くの大人が見守ってくれるので、心に余裕ができる。」と話していました。また、瑞生くんは言葉が出なくても、自由に遊んでおり、他のお友達が瑞生くんの特性を受け入れてくれる様子が時折見られて、たくさんの発見があったそうです。
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一方、障害がない2人のお子さんと参加した万徳さんは、様々な特性のあるお友達と自然に関わって、理解して欲しいという思いがあり「子どもの方が、障害の垣根がなく遊んでいて、逆に子どもから学んでいる。」と話していました。また、このような場所は、障害のある子や、その兄弟にとっても貴重となっています。家で甘えるのを我慢している子もいることから、親子で遊ぶ時間ができることも大切なことです。
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『ぽこぽこトレイン』代表の鋤田さんは「障害をオープンにして、苦手なことは苦手、助けて欲しいと言えるようになってほしい。また、こうして共に遊んだ経験が、将来声を掛けやすくなれば。」と話していました。しかし、障害のある子とない子が、ただ一緒にいればいいということではなく、『ぽこぽこトレイン』が目指すのは、「心のインクルーシブ」です。一緒に遊ぶことができる環境面でのインクルーシブに合わせて、周りの人が「一緒に遊ぶ」という気持ちの面でのインクルーシブを持つことで、「障害が理由でやりたいことができない人に対して、どうしてあげたらいいのか。また、どうしたらできるようになるのか。大人も子供も一緒に考える社会になって欲しい。」と、鋤田さんは言います。『ぽこぽこトレイン』では、このようなオープンスペースだけではなく、障害のある子もない子も気軽に参加できる企画をたくさん用意しています。詳しくは『ぽこぽこトレイン』のインスタグラムやホームページをご確認ください。
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