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20年ぶりに更新される新紙幣 変更点や対応について解説【テレビ派・長島カイセツ】

広島テレビ ニュース / 2024年6月20日 19時6分

広島テレビ放送

広島テレビの長島清隆解説委員が、注目のニュースを分かりやすく分析・説明する「長島カイセツ」です。今回は、7月から流通する「新紙幣」についてお伝えします。

広島テレビ 長島清隆解説委員

7月3日から、1万円札・5000円札・1000円札が変わります。1万円札は「 近代日本経済の父」と言われた実業家の渋沢栄一に変わります。5000円札は、女子教育に力を尽くし、津田塾大学を創立した津田梅子、そして1000円札は、破傷風の治療法を開発するなどした北里柴三郎になります。お札のデザイン変更まで20日を切り、事業者は自動販売機などの改修に追われています。

7月から流通する新紙幣の見本

日本銀行広島支店の館内では、7月3日から流通する新しい紙幣が展示されています。最新の印刷技術で偽造を防止したり、誰でも使いやすいユニバーサルデザインにすることなどが目的で、20年ぶりの更新です。

新紙幣に対応する改修作業も大詰めに

先日、広島銀行の広島駅北口支店では、顧客がATMを利用しているその裏で、ATMの改修が行われていました。作業はメンテナンスも含め、1台に3時間ほどかかるため、1日でできる改修は2台。広島銀行は、2023年から661台すべての改修を進めています。新しい紙幣の発行まで2週間余りとなり、作業は大詰めを迎えています。

半導体不足で新札対応まで時間がかかる…

一方、広島市内にある汁なし担々麺を提供する「ぼんど」の店主・宇都宮憲司さんの心境は、新しい紙幣の発行前に「辛(から)い」ではなく「辛(つら)い」でした。

■ぼんど店主 宇都宮憲司さん

「昼の営業に使う券売機を、新札に対応できるよう頼んでいるところですが、半年待ち…今、殺到しているらしくて、それまでちょっと…今待ちの状態ですね。もう1つ券売機があるんですけど、こっちはキャッシュレス決済の対応はできまして。こちらも一応新札はまだ対応はできていないっていう状態ですね。」

券売機の改修より、お客様に負担がかからないように…!

半導体不足の影響で部品の供給が追い付かず、対応が間に合わないといいます。一日の売り上げは10万円ほど。そこから家賃や人件費、高騰する食材費などを引くと、券売機の改修は楽ではありません。

■ぼんど店主 宇都宮憲司さん

「なかなか簡単に(メニューの値段は)上げられるもんじゃないので。やっぱり企業努力で、どうにかお客様にそこまで負担させないような営業をしていきたいなとは思っていますね。」

現金で運賃を支払う利用客のために、早めに改修

520台のバスを所有する広島電鉄では、新紙幣に対応できるように全ての運賃箱を、2024年3月末までに改修しました。1台あたり、およそ10万円の費用がかかったと言います。

「パスピー」から「モビリーデイズ」へ!

さらに広島電鉄は、2024年9月から、新たな乗車券システム「モビリーデイズ」を導入します。そのICカードやQRコードを読み取るための機械を設置しました。

■広島電鉄バス事業本部長 玉田和さん

「負担にはかなりなりますので。そうはいっても、現金のお客様に対応しなければいけないということで、準備の方は進めてきました。」

サービスの終了が決まっているパスピーのチャージ機は、新紙幣の対応をせず…

広島電鉄によると、現金で乗り降りする乗客は1割ほどで、多くがパスピーなどのICカードを利用しているということです。しかし、そのパスピーへの入金が、新紙幣への切り替えにより、一定の制約を受けます。例えば、バスセンターに設置されているパスピー用のチャージ機は、新紙幣に対応していないそうです。

電車やバスでは、新紙幣での対応が可能!

パスピーは、2025年3月末でサービスが終了します。パスピーのチャージ機を製造するメーカーは、新しい紙幣に対応する部品を作らないため、改修ができないということです。

■パスピー運営協議会事務局 橋本扶弥也さん

「現在のパスピーチャージ機をご利用の方は、旧紙幣でのチャージをお願いしたいというところと、バスの車内、電車の車内では新紙幣に対応するので、車内でチャージをしていただくということになります。」

新紙幣の流通で、お店の対応は…?

各事業者が新紙幣の対応するために機械を改修したくても、なかなか対応が追いつかなかったり、あるいは、改修ができたとしても、多くの費用がかかるのが現状です。自動販売機などが全て新紙幣に対応するのは、2~3年かかるのではないかと言われています。新紙幣に対応できない場合について、様々なお店からは「キャッシュレス決済を利用客にお勧めする」という声がありました。前回の改修時になかった今時の方法となります。また、新紙幣を利用客が使用する場合は、旧紙幣を店側でストックしておき、新紙幣と旧紙幣を交換し、旧紙幣対応の自動販売機で対応するなどのやり方を考えているお店もあるそうです。ただ、旧紙幣がいつまで手元にあるかというのは読めない状況なので、苦肉の策となります。

銀行員や役所の人が、旧紙幣を取りに行くことは絶対にありません

今、流通している紙幣も引き続き使用できますが、流通は少なくなります。注意しないといけないのが、新紙幣に乗じた詐欺です。「古いお札が使えなくなるので、今から銀行あるいは役所などが回収に行きます」というような言葉は典型的な詐欺の手口です。新紙幣に変わる時に、必ずお金を騙し取ろうとする人がいるということです。このような手口には騙されないように注意しましょう。

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