仲間と家族に恩返しを 支えられた3年間の感謝を胸に集大成へ 挫折から立ち上がったキャプテンの思い ~広島・山陽高校サッカー部~
広島テレビ ニュース / 2024年10月17日 16時27分
聖地・国立を目指す戦いが今年も始まります。第103回全国高校サッカー選手権広島県大会の決勝トーナメントが10月20日から始まります。2024年の広島大会テーマは「つなぐ、思い」です。サッカーを通して各校のつながれてきた思いを紹介します。
2024年の広島県大会の決勝の舞台は、プロの試合も行われるスタジアム『エディオンピースウイング広島』です。多くの人の思いがつながってできた夢の器で迎える初の決勝。高校生のつながる思いを深堀りします。第2回目は、創部71年を迎え、全国優勝経験もある広島県内屈指の伝統校・山陽高校サッカー部。今大会も予選トーナメントを勝ち上がり、11大会連続で決勝トーナメントへ駒を進めました。
2024年からチームを率いるのは、サッカー部OBの河岡幹彦監督です。OBが指揮を取るのは、史上初です。
■山陽高校サッカー部 河岡幹彦監督
「個性的なメンバーがそろっているんですけれども。キャプテン中心にうまくまとまりがあって、その日の調子もあるが、一生懸命ピッチの中で100パーセント、自分たちを表現してくれるんじゃないかなと思っています。」
個性派集団をまとめるのは、3年の玉田来捻(くるみ)キャプテンです。高いレベルでサッカーをしたいと、香川県から入学しました。1年生からレギュラーを掴むと、守備の要として成長しました。玉田くんの原動力となったのは、大きな挫折と支えてくれた2つの存在でした。
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「2年生から3年生の最初までは大けがを負っていて、チームの試合に帯同することがなかなかできずに苦労したんですけど、チームを引っ張るという責任感があったからこそ、ここまでこれたかなと思います。」
診断結果は、左足の前十字靱帯の断裂と半月板の損傷で、手術を要する重傷でした。全治およそ9か月で、サッカー人生を左右する重傷でしたが、仲間の存在がリハビリに励む背中を押しました。
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「仲間も「しっかり頑張れよ」とか「リハビリもう少し頑張れよ」とか「復帰したら絶対出れるよ」とか温かい声をかけてくれたから、ここまでこれたと思います。」
玉田くんが暮らす寮では、サッカー部の3年生では3人が生活を送っています。古本海道(かいどう)くんと高橋蒼空(そら)くん。3人はいつも一緒です。密度の濃い時間を過ごしてきました。
■山陽高校サッカー部 古本海道くん
「(キャプテンは)1年生のときからチームをまとめていて、寮生活で一緒なんですけど、サッカー面だけではなくて、私生活でも尊敬できるような、同級生とは思えない人ですね。」
■山陽高校サッカー部 高橋蒼空くん
「毎日、朝早く起きてから練習に行って、ストレッチとかをやっているので、すごいと思っています。」
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「(古本くんと高橋くんは)自分がケガしたときに1番近くで支えてくれた存在で、自分の励みにもなったし、自分をさらに強くしてくれた存在でもあったので、この3年間で良い仲間に出会えたかなと思います。」
そして、玉田くんを支えていたのはもう1つ。それは家族です。
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「(リハビリ中に)父親だったり、母親だったり、妹たちがいるんですけど。自分がケガしたときにこんなもの(手紙や色紙)を送ってきてくれたり。ケガして、少しして送ってきてくれたものなんですけど。こういうものを作ってくれたり、妹たちから手紙をを頂いて、自分ももっとここでくじけずに、頑張らないといけないなという思いにさせてくれたのは、1番家族なんで。」
部屋で1番に目にするところには、一枚の色紙があります。3人の妹から寄せられた手紙や、名前の由来が書かれています。離れていても心は一つ。心が折れそうなとき、何度も家族のメッセージを見返しました。
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「自分の名前の由来もあるんですけど。しっかり自分が頑張っているから、努力したものは自分に返ってくるよっていう。自分の名前を誇りに思っているので、これを見ることによって、また自分は立ち上れると思います。」
「支えてくれた仲間と家族に恩返しを。」高校サッカー集大成の舞台で、感謝の思いを胸に目指すは頂点です。
■山陽高校サッカー部キャプテン 玉田来捻くん
「高校3年間で1番大事な試合になってくるし、自分の人生の中で、この3年間は非常に濃いものなんで。成長した姿を親に1番良いプレーで見せられるのが、1番ベストだなと思っています。」
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