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【特集】広島出身の映画監督・時川英之さん 「映画で平和のメッセージを」 リアルな広島を舞台に描く平和の物語 

広島テレビ ニュース / 2024年11月27日 15時19分

広島テレビ放送

映画監督の時川英之さんは、被爆80年を機に、故郷の広島で「平和」をテーマに映画を制作しました。時川監督がこだわったのは、平和のメッセージをリアルな広島の街を舞台に描くことでした。

広島テレビ放送

11月22日から3日間にわたって、NTTクレドホールで開催された広島国際映画祭では、広島ゆかりの映画など、10の国と地域の25作品が上映されました。

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作品のひとつ『惑星ラブソング』は、広島の若者を主人公に「平和」をテーマにした映画です。手がけたのは、広島出身の映画監督・時川英之さんです。

広島出身の映画監督、時川英之さん

時川監督は、海外や東京で長く映像の仕事に携わり、12年前から故郷の広島を拠点に映画を制作してきました。今回初めて被爆80年を機に、平和をテーマにした作品に挑戦しました。

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■映画監督 時川英之さん

「平和について何かやるとかっていうのは、荷が重いなと若いときには思っていたんですよね。どっかでやっぱり平和の物語っていうのをきちんと向き合って、自分なりに作れないだろうかっていうふうには思っていたんですけど。人が感じることができる『平和の物語』を作れないかなと思いました。」

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映画は、広島の若者とアメリカ人観光客が出会い、過去と現在が交錯し不思議な事が起こる中で、平和な未来について考えるというファンタジーです。

■映画監督 時川英之さん

「フィクションの映画の方が、若い人にも見やすいと思うし、物語の中に入れると、すごいいろんなシーンで心揺さぶられると思うし、考えさせられると思うので。この映画、平和についての答えは提示していないんすけど、考えてもらう機会を提案できるんじゃないかなと思います。」

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映画の重要な場面の一つは、小学生が校庭での平和学習で、被爆樹木について学ぶシーンです。被爆したプラタナスの木が登場します。プラタナスの木は、監督の母校・広島市立天満小学校に実在しています。爆心地からおよそ1.3キロの天満国民学校でも、多くの児童・教職員が犠牲になりました。プラタナスには、原爆の熱線で焼かれた跡が今も残っています。

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■映画監督 時川英之さん

「子どもの時に広島の人が接する平和の話、原爆の話をリアルな物をきちんと入れたいなと思ったので、自分が子どものときに聞いたプラタナスの話を入れてみたいと思いましたね。」

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時川監督がこだわったのは、リアルな広島を舞台に平和の物語を描くことです。その主人公の大学生役には、広島工業大学出身の俳優・曽田陵介さんを起用しました。

■俳優 曽田陵介さん

「一般の方も大勢映っているので、広島全体で結構撮影させていただいた映画になってるのかなっていうのは感じます。(この映画が)平和って何なんだろうなっていうのを考えるきっかけになればいいなっていうのは思います。」

映画監督 時川英之さん

平和への思いが詰まった作品。時川監督は、初上映の舞台に広島国際映画祭を選びました。

■映画監督 時川英之さん

「まずは広島の方々に見ていただいて、一般の人の目線の平和みたいなことを作品で一つのテーマにしているので、広島の方々の反応は、どういう反応されるのかなっていうのは、見てみたいなと思います。」

広島テレビ放送

そして、迎えた上映の日。会場には、およそ350人が詰めかけました。中には、時川監督が招待した被爆者の姿もありました。広島を舞台にした新しい平和の物語。見た人の目には、どう映ったのでしょうか?

■観客は…

「ファンタジーなストーリーだったんですけれども、何て言うかな、じんときました。」

「平和に関してそんなに関心がなかったんですけど、この映画を通して、一度自分でもできることを何かこれからやっていきたいなと思います。」

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■被爆者 佐久間邦彦さん

「この映画を見て、こういう伝え方もあるんだなと、新しい手法だなと思いました。」

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■被爆者 小倉桂子さん

「感動しましたね。だって、広島を表してますもん。いろんな時代のいろんな層の人にアピールする映画だなと思いました。」

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■映画監督 時川英之さん

「自分たちの知っている広島で平和の物語を作って、しかも全国の人が見られる。海外の映画祭とかにも出して、いろんな人が見れば絶対響くと思うんですよ。広島から外に出していきたいなって思います。そういう意味では、80年ってのはすごい大事な節目だし、被爆者の方たちがまだいらっしゃるうちに、一緒にそういうことを発信していきたいと思いますね。」

映画という形で、平和のメッセージを広く伝えたい。広島で生まれ育った映画監督の想いは、広島から全国、そして海外へと広がっていきます。

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