吉沢亮主演×呉美保監督『ぼくが生きてる、ふたつの世界』ポスター&特報解禁 新キャストも発表
クランクイン! / 2024年4月23日 8時0分
吉沢亮が主演を務める呉美保監督最新作『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が、9月に公開されることが決定。ティザーポスター、WEB限定超特報、新キャスト、原作者・五十嵐大のコメントが解禁された。
本作は、『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』などで知られる呉監督の9年ぶりとなる長編最新作。コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による実録ノンフィクション『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』を原作に、耳のきこえない母ときこえる息子の物語を繊細に紡いでいく。脚本を担当したのは、『正欲』『アナログ』『とんび』の港岳彦。
宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に、男の子が生まれた。両親、祖父母は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、父・陽介と母・明子の耳がきこえないこと。幼い大にとって、時には母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし、成長とともに周囲から特別な目で見られていることに戸惑い、苛立ち、母の明るさすら疎ましく思いはじめて、冷たい態度をとることが増えていく。
心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大。そして数年後。“きこえない世界”と“きこえる世界”のふたつの世界を行き来するなかで、帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への思いもかけない気持ちがあふれ出し…。
ティザーポスタービジュアルは、主人公・五十嵐大(吉沢亮)が故郷である宮城県から東京に向かう電車の中の一幕を切り取ったもの。車窓をまっすぐに見つめる瞳には故郷への思い、そして未来への期待が込められている。撮影をしたのは写真家・文筆家の齋藤陽道。齋藤は原作「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた 30 のこと」の表紙を撮影しており、本作のポスター写真撮影も担当することとなった。
WEB限定超特報は、橋梁(きょうりょう)を走る列車の車窓、駅のプラットフォームで故郷・宮城から上京するための列車を待つ五十嵐大(吉沢亮)の姿が映し出される。きこえる世界の彼が見つめているのは、きこえない世界の母の後ろ姿。そして大を乗せた列車が新緑のトンネルをぬけ、これから経験していくであろう“ふたつの世界”をつなぐかのように進んでいく。母のことを思いながら未来への思いを馳せる大の表情から、本作の物語が伝わってくるような映像となっている。
この度、本作の新キャストも解禁。吉沢演じる五十嵐大のろう者の両親、母・明子役に忍足亜希子(おしだりあきこ)、父・陽介役に今井彰人。ろう者俳優として活躍する2人が、あふれんばかりの息子への思いを繊細に表現する。
1999年に映画『アイ・ラヴ・ユー』で日本最初のろう者主演俳優としてオーディションで選ばれデビューして以来、映画や舞台のほか、講演会、手話教室開催、執筆活動など多岐に渡り活躍中の忍足亜希子は「私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつききこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらも、きこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います」とコメント。
本作ではさらに、ユースケ・サンタマリア、烏丸せつこ、でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固めている。
映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、9月全国公開。
忍足亜希子、原作者・五十嵐大コメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■忍足亜希子(五十嵐明子役)
きこえない親から生まれ育ったコーダの五十嵐大さんの人生、撮影を通して私も親の気持ちで成長させていただきました。私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつきこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらもきこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。
コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います。呉美保監督をはじめ吉沢亮さんと共に五十嵐大さんの人生を歩みながら、沢山のことを学ばせていただきました。
■五十嵐大(原作)
ふたつの世界に挟まれ、まるで揺蕩(たゆた)うように生きるコーダについて説明するのは、いつだって難しい。だからこそ、理解してもらうことを諦めていた時期もありました。でも、社会は少しずつ前進していて、ようやく、コーダが抱える葛藤にも目が向けられるようになりました。子どもの頃の自分がいまの状況を目にしたら、「世の中は捨てたもんじゃないな」と思うかもしれません。
完成した映画は、想像を遥かに超えるものでした。コーダの苦しみが描かれつつも、そこにあるのは普遍的な親子の愛情です。きこえない母ときこえる息子がどんな愛情を紡いでいくのか、ひとりでも多くの方に観ていただけることを願っています。
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