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奈緒主演『先生の白い嘘』嘘と本音が入り混じる――違和感に満ちた本編冒頭映像公開

クランクイン! / 2024年5月30日 17時0分

映画『先生の白い嘘』場面写真

 奈緒が主演する映画『先生の白い嘘』(7月5日公開)より、嘘と本音が入り混じる違和感に満ちた本編冒頭映像が解禁。また、原作者・鳥飼茜からのコメントが到着した。

 原作は累計部数100万部を突破の同名漫画。ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマ。歪み切った登場人物たちによる狂気的愛憎の四角関係と観る人の心の奥底をエグるストーリーが展開される。男女の性差にほんろうされ葛藤する主人公・原美鈴を奈緒が演じ、猪狩蒼弥(HiHi Jets)、三吉彩花、風間俊介らが共演。

 冒頭映像は、美鈴の「人間を2つに分けたとして、必ずどちらかが少しだけ取り分が多い、とわたしは感じている」と心の内に秘める人の不平等さについてのモノローグから始まる。

 その後、場面は一転、居酒屋で待つ彼女が映し出され、そこに親友の美奈子(三吉)と美奈子の恋人の早藤(風間)がやってくる。一見どこにでもいる友人同士に和気藹々とした雰囲気に見えるが、3人それぞれに何か含みを帯びたヒリついた会話が繰り広げられる。そんな中、唐突に美奈子が早藤と婚約したことを美鈴に告げる。少し間をおいて美鈴はぎこちない笑みを見せ、「おめでとう」と伝える。

 そこからシーンは、美鈴の職場である高校へと移り変わる。彼女はいつもどおり学校に行き、生徒たちを教卓から見下ろして密かに自尊心を満たす。そして、無機質な表情と声で「それでは授業、始めます」と言う。傷つかないために見て見ぬふりをする、嘘をつく。それでも隠しきれない本音が垣間見えるシーンに本作への期待が高まる。

 また、鳥飼が実写映画化を記念してコメントを寄せた。このテーマを描くきっかけ、映画化についてなど自身の今の強い想いが綴られている。

 映画『先生の白い嘘』は、7月5日より全国公開。

 ※コメント全文は以下の通り

<コメント全文>

■鳥飼茜(原作者)

特定のニュースを名指しする必要もないだろう。性が犠牲になる出来事は今日も私たちの目の前にアップロードされている。

私は性被害を無くしたくてこの漫画を描いた。被害にあったひとが恐怖心から、恥辱から、自己嫌悪から、声を上げられずにいる様に憤って、胸を痛め、この漫画を描いた。性を弄ばれると人は底なしの無力に突き落とされる。人格なんて関係なしに、ただの容器かのように一方的な視線を浴び一方的に欲情され、恐怖の下ほしいままにされた後、愛だったとか合意だったとか「からかい」だったとか言われたら、そういうことにしておきたい気持ちがよくわかる。だって人権を剥奪されて蹂躙された物体にされたなんて認めたくはないから。

そんな人として当たり前の欲求と、想像を絶する葛藤を超えた結果に被害の告発をした人の力強さには頭が下がる思いしかない。彼等の告発がたとえ事後何年後であれ、その葛藤を私は讃える。きっとそこには声を上げない選択をした人がいるだろう。それでも、誰かがこういう目に遭いました、と堂々と発する姿は、無言の被害者を否定することではなく、むしろ静かにその存在を肯定するはずだと、私は思う。

そう思っている人間がここにいますと、声を上げたくて描いたのが『先生の白い嘘』という漫画だ。だからどんな演出をされようが映画『先生の白い嘘』もそういう立場でないといけないと、少なくとも原作の私は思っている。

漫画が映像化するということは基本的には光栄なことだ。それでも、メディア化というある種自分の手を離れる場面にあたって、自分は自分の描いたこの作品に最後まで粘り強く責任を取り続けたか、と問われると自信がない。

自分はこの漫画を描くとき確かに憤っていたのだ。ひとりの人間として、ひとりの友人として、隣人として、何かできることはないかと強い感情を持って描いたのだ。それはある意味特別で、貴重な動機づけだった。漫画に対していまあんな情動は持てない。

性被害に対し、何を言い、どんな立場なのか。そのシンプルで一方向的な態度と、より大勢のひとを巻き込む映像化というプロセスは、両立させることが非常に困難なものだと思う。この映画に携わった全ての人の価値観を私がリードすることは出来ない。映像化にあたり、見せたい箇所が各々違うところにある場合もあると思う。それが漫画と違う大きなポイントだ。

この映画を見た人が性被害について何を思うのか、思わないのかも、私にはタッチできない。映画『先生の白い嘘』は私ひとりの手を遠く離れた映像作品だけれども、まず初めに上のような、人間の強い憤りが芽吹かせた物語であることは紛れもない事実だ。

そして一鑑賞者の私には、全てのシーンがともかく誠心誠意作られたものと感じられたことが大変ありがたかった。

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