アリーチェ・ロルヴァケル監督作『墓泥棒と失われた女神』、“不思議な世界に吸い込まれる”90秒予告解禁
クランクイン! / 2024年5月31日 11時0分
『幸福なラザロ』のアリーチェ・ロルヴァケル監督最新作『墓泥棒と失われた女神』(7月19日公開)より、90秒予告と本ビジュアルが解禁。併せて、主演のジョシュ・オコナーとロルヴァケル監督のコメントが到着した。
舞台は1980年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う、考古学愛好家のアーサー。彼は紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡をなぜか発見できる特殊能力を持っていて、墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々を送っていた。そんなある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していき…。
監督は、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティなどの豊かなイタリア映画史の遺伝子を確かに受け継ぎながら、革新的な作品を発表し続けているアリーチェ・ロルヴァケル。これまでカンヌ国際映画祭において『夏をゆく人々』(2015)でグランプリ、『幸福なラザロ』(2019)では脚本賞を受賞。マーティン・スコセッシ、ポン・ジュノ、ソフィア・コッポラ、グレタ・ガーウィグ、アルフォンソ・キュアロンらがファンを公言し、製作のバックアップに名乗りをあげるなど、世界中の著名映画人がその唯一無二の才能に惚れこんでいる実力派監督だ。
90秒予告は、ある女性の夢を見るアーサーの姿から始まる。夢か現(うつつ)か、彼は忘れられない恋人の影を追っているようだ。続いて、なぜか古代エトルリア人の遺跡を発見できる不思議な能力を持っているアーサーが、ダウジングでお宝を探し出す様子がリズミカルに映しだされる。そして、「大地の女神」と呼ばれる美しい像を発見する墓泥棒たち。女神像の頭部をめぐって闇の美術商との騒動に発展していく…。
そんなアーサーにはもうひとつ探しているものがある。それは忘れられない恋人・べニアミーナだ。本作は亡くなった妻を生き返らせるために冥界に赴いたギリシャ神話「オルフェウスとエウリュディケ」の悲劇のラブストーリーをモチーフにしており、ロルヴァケル監督作品のなかでも最も切なくロマンチックな物語だ。映像では、探し物をしているという男性がアーサーに話しかけるが、失くしてしまったものはなんと「あの世に持っていく埋葬品」だと言う―。
果たして、愛の幻想にとらわれた男が、その先に見つけたものとは?生と死、現実と幻想が入り混じる「マジック・リアリズム」の手法で表現される、独創的なロルヴァケル監督ワールドの一端が垣間見え、「あなたも不思議な世界に吸い込まれる」というナレーションの通り、まるで美しいトスカーナの迷宮に迷い込んだかのような気分を味わえる、魅惑的な予告編となっている。
本ビジュアルは、「誰もが幻想(キメラ)を探してる」というキャッチコピーと共に、主人公アーサーと個性豊かな墓泥棒の仲間たちが何かを探している様子を捉えたもの。首のない女神像など劇中の様々なキーアイテムや、アーサーを取り巻く登場人物たちのユーモラスな姿が盛り込まれ、どこかレトロで遊び心あふれるデザインとなっている。
主人公アーサーを演じるのは、新世代の英国若手俳優を代表するひとりと称されるジョシュ・オコナー。映画『ゴッズ・オウン・カントリー』やチャールズ皇太子に扮したドラマ『ザ・クラウン』シリーズで高く評価され、現在もゼンデイヤ演じる主人公と三角関係になるテニスプレイヤーを演じた映画『チャレンジャーズ』(6月7日公開)で熱い注目を集めている。
そんなオコナーが本作の主演に抜てきされたのは、『幸福なラザロ』を観て感銘を受けた彼が、ロルヴァケル監督へ「もしあなたの作品でイタリア語が下手なイギリス人の役が必要なら私がいます」と、熱烈な逆オファーの手紙を送ったことがきっかけ。オコナーがキャスティングされたことにより、主人公のキャラクターが「イギリス人」役に書き換えられた。
オコナーはアーサーを演じるにあたり、3ヵ月間でイタリア語を取得。放浪者のようなアーサーのキャラクターにちなんで、撮影期間中はキャンピングカーで生活するなど、徹底した役作りを行った。オコナーはロルヴァケル監督について「彼女は想像力に富んでいて、脚本も魅力的。アーサーのキャラクターは彼女と一緒に作り上げていったのですが、非常に興味深い体験でした。今では彼女は仲の良い友人であり姉のような存在。もっとたくさんの映画を一緒に作りたいな」とコメント。一方ロルヴァケル監督は、オコナーについて「とても好奇心が旺盛で、彼のイマジネーションは森のように豊かで生命力に満ちている。そして気さくで楽しい人、天才です!」と絶賛。まさに相思相愛なタッグとなった。
映画『墓泥棒と失われた女神』は、7月19日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
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