キスマイ・宮田俊哉、「大丈夫?」「アイドルなのに?」と言われた過去の自身に伝えたい「きみは大丈夫」
クランクイン! / 2024年6月8日 7時0分
Kis-My-Ft2としてはもちろん、ソロとして映画、ドラマ、アニメ声優、さらにはバラエティMCとジャンルを問わない活躍を見せ、5月には小説『境界のメロディ』で作家デビューも果たした宮田俊哉。この初夏には映画『ブルー きみは大丈夫』で、「目標の1つだった」というハリウッド映画の吹き替えに初挑戦する。ますます輝きを放つ宮田に本作への思い、そして声の仕事の楽しさを聞いた。
◆いつも全力な“ブルー”に親近感
ハリウッドの新進気鋭クリエイター、ジョン・クラシンスキーが贈る本作は、孤独な少女と、子どもにしか見えない“もふもふ”ブルーの物語。子どものとき、おままごとやヒーローごっこを一緒に遊んだ空想の友達が、もしも大人になった今でも、そばで見守ってくれているとしたら…そんな独創的な発想から生まれた感動の物語だ。
宮田が声を担当するのは、パープルブルーで大きなもふもふ“ブルー”の声。吹き替えのオファーに、「ずっと挑戦してみたかったので、めちゃくちゃうれしかったです。でも、収録から公開までの時間が短くて、これってもしかしてバラエティ番組(のドッキリ)なんじゃ…とも思いました」と笑う。
これまで多くのアニメ作品で声優を務めてきた宮田。そうした作品は、宮田がオリジナルとしてキャラクターを作り上げることが多い。今回は、『怪盗グルー』シリーズなどでおなじみのスティーヴ・カレルがオリジナルのブルーの声を務めている。「難しかったですね。どうやっても同じ声は出せないじゃないですか。じゃどうするかっていう時に、自分なりのブルーの声を作り上げるしかないなと思いました。でも、ある種1個正解があって、この正解をどういうふうに自分なりに落とし込み、もう1個正解を作るかっていう作業は楽しかったです。吹き替えの難しさと楽しさを同時に知っちゃった感じですね」。
演じるブルーは、大きくてもふもふ、一生懸命だけどいつも空回り気味の、不憫かわいいキャラクター。ブルーを初めて見た時の印象は「まじでかわいかったです。うちにも来ないかなって」と笑顔。ブルーといいつつパープルに近いボディは、宮田のメンバーカラーである「紫」ともつながりが。「そうなんです! なんでその色なのかというのは映画を見たらわかると思うので、ぜひ見てほしいですね。キスマイのライブには、スクリーマーズっていうアイスのキャラクターがいるんですが、ブルーにすごく似ていて運命だなって思いました」とも。
表情豊かなブルーは宮田にも似ている感じがしたと伝えると、「うれしいですね。でも俺、こんな大きくないですよ!」と笑いつつ、「ブルーっていつも全力なんですよ。日ごろ“手を抜かない”“全力でやる”っていうことを意識して活動しているので、親近感が湧きました」と語った。
◆声優業での学びがライブMCにも好影響
ブルーは、子どもたちにしか見えない“空想の友達”。子どものころの宮田は「おばけとかはあまり見えないタイプでしたが、想像とかはよくしていた」そう。「熱を出したときとか、部屋がめっちゃでっかくなって、自分がちっちゃくなる感覚はよくなったな。あれ大人になったらならなくないですか?」と振り返る。また、「30過ぎてからなんですけど、“イマジナリードッグ”は飼い始めました。柴犬を2匹(笑)。犬と一緒に暮らしたい!という気持ちが高まり、後輩のSnow Man・佐久間大介と『わんわんパトロール行こうぜ!』っていろんなワンちゃんを見に行っていて(笑)。その時には、まじで家にイマジナリードッグがいました。完全に“イフ”ですね」とらしさあふれるエピソードを教えてくれた。
本作には、ブルーを助けたいと奮闘する少女・ビーの父親役で声優の浪川大輔が出演している。浪川は、宮田が声優を始めた当初、声の芝居を教えてくれた師匠的存在でもある。「吹き替えに挑戦したいという夢もそうですし、浪川さんと共演したいという夢も叶いました」としみじみ語り、「浪川さんの指導を受けている時に、『愛してる』って言葉を言うレッスンがありました。『愛してる』『もっと感情込めて』『愛してる…』『愛してる!』と繰り返して。『じゃ次は愛してるを熱量を変えずにトーンを落として』とか、『熱量変えずに言い方を変えて』とか、いろいろな言い方を教えてもらった時に、気持ちの込め方1つで伝わり方がまったく変わるんだなと感じました。こうした伝え方がしっかり身に付いたら、ライブのMCでも、ファンのみんなに本当に伝えたい言葉を伝えられるようになるのではないかと思っています」と、声優業とほかの活動の相乗効果を感じている様子だ。
改めて声の仕事に対する思いを尋ねると、「舞台やドラマでは、ブルーの役にはなれないじゃないですか。見た目的にも。でも吹き替えならその一部になれるというのがすごく楽しくて」との答えが。「本作にも出演している島崎信長くんと会ったときに話したのですが、『こういうのは自由に芝居ができるから楽しい』と言っていました。『そうか。俺はまだ自由にやる余裕なんてなかったな』って思ったんですけど(笑)。自分にはまだ伸びしろあるなって思いますね。声のお芝居、これからもたくさんやりたいなって思います」と前向き。
アニメ好きなだけあり、アフレコでの苦労を経験すると、趣味で鑑賞する作品も純粋に楽しめなくなるのでは?と聞いてみた。「いやいや、それはないです。より楽しくなっちゃいますね」。声の仕事に臨むスタンスも「自分が演じているのは声だけであって、作画の方が絵を描き、アニメーターの方が動かしてくださっている。俺はブルーだけどブルーの声だけでしかない。動かしてる方はたくさんいる、と思うと、みんなでブルーの役を作り上げてると思えて楽しいんです」。
◆「大丈夫?」と言われることが多かった
本作のタイトルにもある「きみは大丈夫」という言葉、その温かさが印象的だ。「僕だけじゃなく、監督含めブルーチームみんながこだわっている一言」だったという。「声を出したのは僕ですけど、みんなで作ったなっていう思いが強いかな。たくさんのテイクを録って、みんなで聴いてみたいなことを何度もやりました、本当にこのセリフにかかっているなって思っているので、演じさせてもらえてよかったです」。
宮田自身には「きみは大丈夫」と誰かに心を支えられ、背中を押された経験はあるのだろうか? 「そうですね…。あまりないかもしれません。思い返すと、『大丈夫?』って言われるほうが多くって。十数年前にアニメが好きだと初めて言ったときも、『アイドルなのに?』っていうほうが圧倒的に多かった。そのころの俺に言ってやりたいですね、『きみは大丈夫だよ』って」。
確かに宮田がアニメ好きを公言するようになってから、アニメ好きなアイドルは珍しいことではなくなり、声優に挑戦することも普通になった。「宮田さんはパイオニアですね」そう伝えると、「確かにみんなアニメ好きって言えるようになりましたよね。でもそれは、アニメだったり、そういう仕事に関わってる皆さんがすごく頑張っているからだって思ってます。自分がどうこうとはまったく思ってないです」。
それでは、宮田にとって支えとなる存在はなんだろう?「やっぱり、メンバーかな。支えになってるというより、この人かっこいいなって思うことが多く、俺も頑張ろうって思うことがたくさんあります。俺、支えより刺激の方が頑張ろうと思えるんですよ。メンバーもかっこいいし、後輩やもちろん先輩もかっこいいし、自分よりすごい人たちに囲まれているって、やる気がみなぎりますからね。それが支えになっているのかな。だって、この中で、すごい!って言われたいじゃないんですか。こんだけすごい人たちがいっぱいいる中で、その人たちにすごい!って言われたら、俺本当にすごいなって思える」と笑う。
本作を「いろんな世代の方に見てもらいたい」と語る宮田。「きっと子どもが見る印象と、大人になって見るのとではまったく感想が違う作品だと思うので、いろんな方に見てもらって、何を感じたのか感想を聞きたいですね。#をつけていっぱいポストしてほしいなと思ってます。エゴサします!」とにっこり。ちなみに本作はメンバーの誰に一番刺さりそうだろうか?「そうだなぁ…。意外とガヤさん(藤ヶ谷太輔)ですかね。世間の皆さんが思っているガヤさんの印象って“クール”だと思うんですけど、実はすごく少年なんですよ。ミニ四駆を見つけたら『やろうよ!やろうよ!』って言ってきますし、本番前もストレッチしながらゲームをやっていたり。意外と少年なんで刺さるかなと思うので、感想を聞くのが楽しみですね」。(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)
映画『ブルー きみは大丈夫』は、6月14日公開。
※島崎信長の「崎」は「たつさき」が正式表記
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