個性派作品が豊作！ 「夏ドラマ」どれを見る？ 期待の3作品を紹介

（左から）賀来賢人、松下奈緒、杉野遥亮

　暑さも本格的に始まり、いよいよ夏ドラマの季節がやってきた。暑い夏を彩る今期のドラマも注目作が続々。『silent』チーム再結集の『海のはじまり』（フジテレビ系）や、二宮和也の『ブラックペアン シーズン2』（TBS系）などがそうだが、それらだけではない。山岳医療にスポットを当てた完全オリジナル作品や、予測不能な“ギラドロ・サスペンスミステリー”、錦糸町を舞台に総勢50人以上の人生模様を映し出す人間ドラマ群像劇など、一味違うドラマもそろっている。本記事では、クランクイン！が選んだ期待の夏ドラマ3作品を紹介する。

■圧倒的なリアリティとスケール感で描く山岳医療ドラマ『マウンテンドクター』


　最初に紹介するのは、杉野遥亮が主演を務め、大森南朋が共演する山岳医療にスポットを当てたドラマ『マウンテンドクター』（カンテレ・フジテレビ系／7月8日より毎週月曜22時）。本作は、山岳医療の現場に放り込まれた青年医師が、さまざまな思いを抱えた山岳医や患者と触れ合い、現実と向き合いながら成長していく様子を描く。長野県松本市を舞台に、圧倒的なリアリティとスケール感で描く新たな山岳医療ドラマだ。

　“山岳医療”とは、山で起こりうる病気とけがを治療する医療。そして、“山の知識”と“医療知識”の双方にたけた医師を“山岳医”と呼ぶ。主人公の宮本歩を演じるのは、2023年に放送されたドラマ『ばらかもん』（フジテレビ系）で初のGP帯連続ドラマ主演を務めた杉野。歩は、整形外科医と並行して、病院が近年力を入れ始めた“山岳診療科”の兼務を命じられる。高校卒業以来、故郷である長野県に戻ってきた歩は、小さい頃から身近にあり大好きだったはずの山へ、ある思いを抱え続けている。医師としては、これといった目標もなく、志も低めの今時な事なかれ主義だったが、山岳医療チームで過ごす中で少しずつ成長していく。

　歩が赴任する信濃総合病院の循環器内科医として働く江森岳人を演じるのは大森南朋。山岳医療に詳しい役どころで、詳しいからこそ、医師が安易に山に行くことに慎重で、山での負傷者・疫病者は迅速な救助ののち設備の整った病院で治療すべきだという信念を持つ。歩とぶつかり合いながら、自身も抱える過去のトラウマを乗り越えようとしていく。

　キャッチコピーは「そこへ行けば、救える命がある。」。杉野が演じる歩の思いを象徴したキャッチコピーのようだ。登山ブームの現在でも、日本ではまだ馴染みが少ない山岳医。医療ドラマの中でもあまり描かれてこなかったジャンルだ。長野県松本市を舞台にしているということで、大自然のスケール感や物語のリアリティにも注目が集まる。

■華麗なるセレブ妻たちの壮絶マウントバトル・サスペンス『スカイキャッスル』


　次に紹介するのは、松下奈緒が主演を務めるドラマ『スカイキャッスル』（テレビ朝日系／7月25日より毎週木曜21時）。本作は、秘密を抱えた華麗なるセレブ妻たちの壮絶マウントバトル・サスペンス。松下を筆頭に、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪の豪華女優陣5人が集結し、見栄とプライド、そして愛情が渦巻く“嵐の戦場”で火花を散らす。

　原作は、韓国のケーブルテレビ局「JTBC」で2018〜19年に放送された『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』。中毒性あふれる物語にハマる視聴者が続出し、最終回は非地上波チャンネルで当時歴代最高の23.8％の視聴率で記録的大ヒットを収めた。『六本木クラス』の制作陣が『SKYキャッスル』を制作した韓国の大手スタジオSLLと再タッグを組み、この夏新たな日韓共同プロジェクトが始動する。

　舞台はセレブが集まる高級住宅街「スカイキャッスル」。松下が演じるのは、誰もがうらやむ経歴と容姿に恵まれた完璧セレブの主人公・浅見紗英。才色兼備かつ慎ましい性格の二階堂杏子を比嘉が、情熱的でチャーミングな夏目美咲を高橋が、優秀な夫と息子をもつ新たな住民・南沢泉を木村が演じる。さらに担当した生徒を100％志望校に合格させるミステリアスな受験コーディネーター・九条彩香を小雪が演じる。

　スカイキャッスルで暮らす彼女たちは、医師を夫にもつ裕福で幸せそうなセレブ妻。しかし、彼女たちは夫の出世バトルに加え、同学年の子をもつ母親として受験バトルでも頂点を極めようと対抗心を燃やす。5人の女たちはそれぞれ秘密や闇、苦悩を抱えていた。

　あらすじを見るだけでもギラギラ・ドロドロが予想できる本作。ドロドロだけでなくサスペンス要素も含まれており、考察も盛り上がりそうな作品だ。キービジュアルでは、赤のドレスを着た松下、木村、比嘉、高橋、そして黒のスーツを着た小雪の姿があり、迫力満点。彼女たちがどんな戦いを繰り広げるのか、目が離せない。

■総勢50人以上の人生模様を映し出す人間ドラマ群像劇『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』


　最後に紹介するのは、賀来賢人、柄本時生、落合モトキ、岡田将生が出演するドラマ『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』（テレビ東京系／7月12日より毎週金曜24時12分）。本作は、人生で本当に大事なことは何か、生き方の根源や人間の心理について考えさせられる、総勢50人以上の人生模様を映し出す人間ドラマ群像劇。柄本と今井隆文のドラマ初プロデュース作品だ。過去の「汚れ」を掃除する掃除屋の3人と、過去の「過ち」を暴くルポライターが、東京・墨田区錦糸町を舞台にさまざまな人との出会い、出来事を通じ、自らの過去と向き合っていく。

　メインキャストは柄本、賀来、落合、岡田。掃除屋「整理整頓」の社長・大助を賀来が、「整理整頓」の社員で大助の幼馴染・裕ちゃんを柄本が、「整理整頓」の社員で大助と裕ちゃんの後輩・一平を落合が、錦糸町で暗躍するルポライター・蒼を岡田が演じる。メインキャストの4人は、コロナ禍の2020年に「劇団年一」を結成。10年来の友人でもある。メインビジュアルでは、「整理整頓」社用車の後ろで仲良さそうに軽食をとる大助・裕ちゃん・一平と、意志の強い表情をみせる蒼が映し出されている。

　本作はドラマのために書き下ろされたオリジナル脚本。登場人物の心理や感情の動きを丁寧に描く。また、メインキャスト以外の顔ぶれは、ドラマ放送をもって解禁。大ベテランの俳優や演技初挑戦のアイドルなど、個性豊かなキャストが集結した。総勢50人以上の人生模様を映し出すという本作。どんなキャストでどんな人生が描かれるのか、今から期待に胸が膨らむ。また、メインキャスト4人が作り出す空気感にも注目。友人だからこそ醸し出される、画面越しにも伝わるであろう雰囲気にも期待したい。

　ドラマ『マウンテンドクター』は、カンテレ・フジテレビ系にて7月8日より毎週月曜22時放送。『スカイキャッスル』は、テレビ朝日系にて7月25日より毎週木曜21時放送。『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』は、テレビ東京系にて7月12日より毎週金曜24時12分放送。