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Lemino「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルにて短編映画が無料配信中! 三島有紀子監督、山田佳奈監督作品の紹介コメント到着

クランクイン! / 2024年7月5日 12時0分

『MIRRORLIAR FILMS Season2』

 クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト「ミラーライアーフィルムズ」の最新シーズン公開にあわせ、ドコモの映像配信サービスLemino(旧dTV)内に「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルが開設。“毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。”として、Season1~Season4のオリジナル作品・関連作品などが配信中だ。またシリーズ最新作となるSeason5も、劇場公開日から約1カ月後という異例のスピードで、本日7月5日から順次配信開始。竹中直人監督作『たてこもり』や、漫画家・大橋裕之の初監督作『変哲の竜』など、過去シリーズ同様に注目すべき監督の短編が並び、出演者にはお笑い芸人・小説家の又吉直樹や、山田孝之、横浜流星、伊藤沙莉、山下幸輝など超豪華布陣が集結した。

 今回、Leminoですでに配信開始されているSeason2より、三島有紀子監督『インペリアル大阪堂島出入橋』、山田佳奈監督『煌々 go on a picnic』の2作品について映画ライターによる見どころ紹介コメントが届いた。いずれの作品も全て無料で視聴することができるので、ライターコメントを読んだ後に本編をチェックしてみてほしい。

■配信作品(17) 『インペリアル大阪堂島出入橋』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

人生は場所と共にあることを伝えるポエティックな作品『インペリアル大阪堂島出入橋』

 映画の魅力を知り尽くした俳優・佐藤浩市を主演に迎え、登場人物を最小限にして、広い画で孤独な世界を映し出した三島有紀子監督の『インペリアル大阪堂島出入橋』。

 真夜中の洋食屋でカウンター越しに客である老女と語らった店主ジローが、ひとりとなり誰かの為にハンバーグを作る。音により香ばしさまで感じるハンバーグが焼き上がり、外に出るとそこからカメラの長回しが始まるのだ。

 人気のない街で偶然会った知人からの声がけで、この時間は早朝でありジローの店はもう売りに出されていることが分かる。そうか、あの老女は最後の客だったのか。

 ここから何故、長回しで撮影しているのかが読めてくる。
ハンバーグステーキを手に持ち、真夜中の大阪堂島を歩くこの男が自分の人生を一人語りし始めるのだ。まるでひとり舞台を見ているようだが、この広い画は外でしか再現できないし、彼の思い出がすべて詰まったこの街が彼の一部。そして人生は命続く限り途切れることなく進んでいくのだからカット割をしないのだ。

 あるシーンが忘れられない。
 都市に流れる川からの夜明け前はなんと美しいことか。時折、通り過ぎる車の走る音が耳に残り、愁いさえ感じる。そこに佇むジローの白髪と白い調理服が暗がりの世界に浮き上がる。このポエティックなショートストーリーは、三島監督の思い出のレストラン「インペリアル」閉店というニュースから生まれたそうだ。一度しか撮れない建物崩壊の瞬間。ここから物語が始まり、ひとつの大切な思い出の場所は姿を変え、映画の中で生き続けるのだ。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

 監督自身の思い出の店である大阪・堂島の洋食レストランの閉店をきっかけに、在りし日の店を”記録“として残そうとした私小説的な一篇。佐藤浩市扮する、35年間店と共に歴史を積み重ねてきたシェフが再び希望を見いだす一夜を、圧巻の長回しで魅せる。
脚本・監督:三島 有紀子・三島 豊子 出演:佐藤浩市、宮田圭子、下元史朗、和田光沙 時間:16分

■配信作品(18)『煌々 go on a picnic』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

劇団□字ック主催の山田佳奈が映画的手法で親子の絆を捉えようとした意欲作

 劇団□字ック主催の山田佳奈がメガフォンを取った『煌々 go on a picnic』は、キラキラと輝く様子を意味するタイトルに反して重く、極めて断片的な物語だ。

 結婚式を控えた息子とぬいぐるみを肌身離さず持つ母親。二人は本栖湖までドライブに出かけるが、その関係はどうしてもギクシャクしてしまう。そんな中、母は秘めたる事実を口にする。

 本作を生み出すにあたり山田監督は、セリフで感情や状況を説明する得意の演劇的表現をあえて禁止。敬愛するイ・チャンドン監督やツァイ・ミンリャン監督のスタイルを意識しながら、二人の俳優(片岡礼子と細田善彦)の繊細な芝居や小道具(オランウータンのぬいぐるみ)、ロケーション(本栖湖)に心情を託す映画的表現に挑戦した。

 二人が親子であることは物語中盤まで説明されない。見る人によっては、もしかしたら二人がカップルにも見えるかもしれない。そんなミスリード劇中の二人の中にも横たわる。肌身離さずぬいぐるみを持つ母親を気持ち悪がる息子。しかし母にはそのぬいぐるみを持つ理由がある。しかし二人がそこに踏み込んでお互いを曝け出すことはしない。

 足早に歩きながら一方的に過去の思い出話を始める母親に対して、息子は「一人でどんどん行かないでくれない?ついていけなくなる」と困惑するが、母はその言葉の真意を理解できない。それら誤解の積み重ねが、今の二人のギクシャクした関係性を熟成していることがわかる。

 息子はどうやら新しい命が生まれることを母親には告げていないようだ。しかし知らないはずなのに、母は間接的に新しい命の話をする。まるで父親になることへの不安を抱く息子の心を見透かしているかのように。母は言う「これまでとは違うと思うけれど、愛して愛されて。ちゃんとやれる。よくわからないけれど、それなりに私たちにみたいに」。息子はぬいぐるみを抱きしめる。その姿は我が子を愛おしそうに抱く父親のそれに見える。

 他者なのに他者ではない親子という神秘的かつ不思議な関係性。『煌々 go on a picnic』はそれを断片的に捉えて家族の本質を抜き出そうとした意欲作だ。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

 ひとり息子と母親との脆くも強い絆を描いたロードムービー。結婚式を控えた息子とぬいぐるみを肌身離さず持つ母親。彼らは本栖湖までドライブに出かけるが、いつものように喧嘩が始まってしまい…。やがて母親の秘めた真実が明らかとなる。
監督・脚本:山田佳奈 出演:片岡礼子、細田善彦 時間:16分

【配信概要】
『毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。』として、ドコモの映像配信サービスLemino 「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルから、Season1~Season4、Season5以降の新作・オリジナル作品・関連作品などが順次配信される予定。


【「ミラーライアーフィルムズ」概要】
ミラーライアーフィルムズは、映画プロデューサーの伊藤主税、俳優の阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする、クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト。2021~22年公開のSeason1~4では公募作品を含む、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなどが監督した36本の短編映画を発表した。短編映画だから、短編映画ならば挑戦してみたいと、映画未経験者や普段映画に関わらない異なるバックグラウンドのクリエイターが集まり、新しい視点やアイデアが生まれる場となっている。

Season1~4参加監督(五十音順)
Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫彩/池田エライザ/枝優花/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷揚/齊藤工/志尊淳/柴咲コウ/柴田有麿/武正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田陵/林隆行/針生悠伺/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田佳奈/山田孝之/李闘士男/渡辺大知

本日7月5日(金)より配信開始となった Season5には、竹中直人、大橋裕之、榊原有佑、ピウス・マチュルスキス、巖川虎太郎、十川雅司、Season6には小栗旬、浅野忠信、Season7には加藤浩次、加藤シゲアキの参加が決定した。

『MIRRORLIAR FILMS Seaosn5』配信スケジュール
7月5日(金) 『変哲の竜』
7月12日(金) 『たてこもり』
7月19日(金) 『NAIKU』
7月26日(金) 『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』
8月2日(金) 『駆け抜けたら、海。』
8月16日(金) 『MIMI』
8月9日(金) 『参画屋の仔羊たち』(MLF秋田 地域特別制作作品)

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