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Lemino「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルにてシリーズ最新作が無料配信中! 公募作品『NAIKU』『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』 の紹介コメント到着

クランクイン! / 2024年8月2日 12時0分

MIRRORLIAR FILMS | 無料配信| Lemino

 クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト「ミラーライアーフィルムズ」の最新シーズン公開にあわせ、ドコモの映像配信サービスLemino(旧dTV)内に「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルが開設。“毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。”として、Season1~Season4のオリジナル作品・関連作品などが配信中だ。またシリーズ最新作となるSeason5も、劇場公開日から約1カ月後という異例のスピードで、順次配信が開始された。竹中直人監督作『たてこもり』や、漫画家・大橋裕之の初監督作『変哲の竜』など、過去シリーズ同様に注目すべき監督の短編が並び、出演者にはお笑い芸人・小説家の又吉直樹や、山田孝之、横浜流星、伊藤沙莉、山下幸輝など超豪華布陣が集結した。

 今回、Leminoで配信開始されたSeason5より、公募作品のピウス・マチュルスキス監督作『NAIKU』、巖川虎太郎監督作『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』の2作品について映画ライターによる見どころ紹介コメントが届いた。いずれの作品も全て無料で視聴することができるので、ライターコメントを読んだ後に本編をチェックしてみてほしい。

■配信作品配信作品(21)『NAIKU』(「MIRRORLIAR FILMS Season5」収録作品)

リトアニアから22歳の恐るべき才能発掘 ゆうばりファンタでグランプリ獲得の荒ぶる注目作

 ショートフィルムを鑑賞する醍醐味の一つに、新しい才能の発掘が挙げられる。リトアニア出身のピウス・マチュルスキス監督の『NAIKU』にはその醍醐味がある。

 パンキッシュな若者たちを乗せて荒廃した工場地帯を爆走する一台のジープ。窓から身を乗り出す者もいれば、ルーフにしがみつき凧を上げている者もいる。この一連の荒ぶるアクションを、マチュルスキス監督は実に映画的なルックで積み重ね、退屈しのぎのスリルを求める若者たちの刹那的な瞬間を巧みに画に焼き付けていく。

 しかも運転席にはハンドルを握る者の下に跪く半裸の男がいて、その男が指示を受けて手でアクセルやブレーキを操作している…!彼らのアナキーさを表面的に処理するのではなく、イカレた状況をしっかりと描出。設定に血肉を与える芸の細かさと世界観構築のこだわりに作り手の非凡さが見える。

 アグレッシブな一方で、車の爆走がそのまま若者たちのエネルギーの暴発のメタファーになっていたり、風に吹かれて不規則に飛ぶ凧が若者たちの無軌道ぶりを表していたり。荒々しい映像の中に通奏低音として虚無感が漂うのは、マチュルスキス監督のポエティックなセンスのたまものだ。

 通りすがりの青年アドマスは、凧に誘われて彼らと廃墟の屋上に向かい、謎のゲームに興じていく。動的な前半と打って変わって屋上での静の演出。見上げる空は今にも雨で破裂しそうで、重苦しい。頭上に広がる景色は、不毛な暴力でしか退屈な時間を潰せない彼らの心の風景そのもの。マチュルスキス監督は映像が物語に与える影響を熟知しているようで、あえてこの曇天を狙ってのロケを敢行したに違いない。

 『NAIKU』が持つ破滅的テンションとざらついた心象風景は『ポゼッション』『狂気の愛』で知られる隣国ポーランドの巨匠アンジェイ・ズラウスキー監督作に近い匂いがする。マチュルスキス監督、若干22歳時の作品であるという事実にも驚かされる。2023年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭短編部門でのグランプリ獲得も納得だ。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

 ある日の昼間、誰もいない公園で竜が文庫本を読んでいると、懐かしいに風変わりな10人のギャングたちが、廃墟と化した工業地帯をジープで走り回る。その場を通りかかったアドマスはギャングたちのゲームへと誘われ、辿り着いた先は、暴力的なトーナメントだった。目的のわからないゲームに困惑するアドマスだったが、対戦は次第に非人道的な争いへと化す。
監督・脚本:ピウス・マチュルスキス 脚本:ロカス・ミケヴィチウス 出演:エリック・ヴォジェヴォディン ほか 時間:16分

■配信作品配信作品(22)『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』(「MIRRORLIAR FILMS Season5」収録作品)

人間観察と遊び心で世界は違って見える~『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』

 固定カメラを上手く活用し、会話に焦点を当てることで“噛み合わない関係”を描いたコメディ。広々をした多摩川の土手にポツンと座る田淵くん。そこに現れる赤いメガネのあおいちゃん。田淵くんが描いた似顔絵からあおいちゃんに興味を持っていることが読み取れる。けれどあおいちゃんは心の中で断定している。「田淵くんは“絶対”に私のことが好きじゃない」。何故、そこまであおいちゃんが言い切れるのか。物語は、その本質を描くでもなく、人間同士の考え方の違いでここまで拗らせてしまうのだと伝えている。それがやたらと滑稽なのだ。

 のんびりとした多摩川の土手で、どうやらフラレている田淵くんは可哀想というよりおかしな騒動に巻き込まれた被害者にさえ見えてくる。
 固定カメラでこの2人を捉えていると思いきや、突如、見切れて現れ、ベンチにちょこんと座り、3人の画で展開される長回しの後半。けれどやっぱりあおいちゃんの独壇場だ。

 これだけの話が何故に面白いのだろう。
 今、流行りの編集で飽きさせないようスピーディに見せるカット割もない。物語に涙も笑いも殴り合いも音楽もない。刺激がなくとも人物が興味深ければ人は集中できるのだと伝えるのどかな映像。たった3人の登場人物でも、話にドラマティックさがなくとも、会話の妙とあえて狙った固定カメラによる構図内での動きで、観客をスクリーンに集中させる魔法。
 巖川虎太郎監督、特有の人間ウォッチングや、タイトル表示からも見られる視覚の遊び心が、日常を面白くしてしまうのだ。この斜めからの視点が映画作りには大事なのだ。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

 赤い眼鏡をかけたあおいはある日、田渕くんに告白される。あおいは思った。「田渕くんは本当に私のことが好きなのだろうか。私が赤い眼鏡をかけているから私のことが好きなのではないだろうか。赤い眼鏡をかけていたら誰でもいいのではないだろうか」と。それが気になって仕方ないあおいはある作戦を思いつき、自転車で走り出す。
監督・脚本:巖川虎太郎 出演:北原麻衣、巖川虎太郎、温井祥太 時間:11分

【配信概要】
『毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。』として、ドコモの映像配信サービスLemino 「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルから、Season1~Season4、Season5以降の新作・オリジナル作品・関連作品などが順次配信される予定。

公式サイト>

【「ミラーライアーフィルムズ」概要】
ミラーライアーフィルムズは、映画プロデューサーの伊藤主税、俳優の阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする、クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト。2021~22年公開のSeason1~4では公募作品を含む、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなどが監督した36本の短編映画を発表した。短編映画だから、短編映画ならば挑戦してみたいと、映画未経験者や普段映画に関わらない異なるバックグラウンドのクリエイターが集まり、新しい視点やアイデアが生まれる場となっている。

Season1~4 参加監督(五十音順)
Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫彩/池田エライザ/枝優花/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷揚/齊藤工/志尊淳/柴咲コウ/柴田有麿/武正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田陵/林隆行/針生悠伺/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田佳奈/山田孝之/李闘士男/渡辺大知

7月5日(金)配信開始となるSeason5には、竹中直人、大橋裕之、榊原有佑、ピウス・マチュルスキス、巖川虎太郎、十川雅司、Season6には小栗旬、浅野忠信、Season7には加藤浩次、加藤シゲアキの参加が決定した。

『MIRRORLIAR FILMS Seaosn5』配信スケジュール
7月5日(金) 『変哲の竜』
7月12日(金) 『たてこもり』
7月19日(金)『NAIKU』
7月26日(金) 『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』
8月2日(金)『駆け抜けたら、海。』
8月16日(金) 『MIMI』
8月9日(金) 『参画屋の仔羊たち』(MLF秋田 地域特別制作作品)

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