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本田真凜、引退発表から7ヵ月「私だから聞けることもある」スポーツ取材に充実感 演技の仕事にも意欲

クランクイン! / 2024年8月25日 7時0分

本田真凜

 2016年世界ジュニアフィギュア選手権で優勝を果たすなど、フィギュアスケート選手として活躍した本田真凜。今年1月に競技生活から引退した彼女が、昨年大好評を博したアイスショー『ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~』の再演に出演する。気心知れた仲間がそろう本作の見どころや、引退後の生活、さらには今後の活動の目標などを聞いた。

◆初演の稽古では戸惑いも、心強かった妹・望結の存在

 9月にLaLa arena TOKYO‐BAY(千葉県船橋市)にて再演されるアイスショー『ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~』は、テレビアニメ『ONE PIECE』シリーズ史上初のアイスショーとして昨夏に上演。『ONE PIECE』シリーズの中でも人気の高い「アラバスタ編」を、フィギュアスケートのスピード感・躍動感で表現。モンキー・D・ルフィを演じる宇野昌磨をはじめ、日本屈指のスケーターたちが、このアイスショーのために収録されたアニメ声優のセリフに合わせて熱演。砂漠の王国を舞台にした世界が氷上に再現されたかのような完成度・表現力の高さで大きな話題を呼んだ。

 再演でも、主人公のモンキー・D・ルフィ役を演じる宇野昌磨のほか、麦わらの一味として、ロロノア・ゾロ役の田中刑事、ナミ役の本田望結、ウソップ役の織田信成をはじめ、サンジ役に島田高志郎、チョッパー役に渡辺倫果、アラバスタ王国の反乱軍リーダー・コーザ役に友野一希。そして、ルフィに立ちはだかる強敵・クロコダイル役として無良崇人が出演。本田真凜は、アラバスタ王国の王女・ネフェルタリ・ビビを続投する。

――大反響を集めた作品の再演となります。

本田:再演したいなと昨年からみんなで話していたので、全員が再集結して再演できることがすごくうれしかったです。

――昨年の初演で印象に残っていることはありますか?

本田:普段のアイスショーはだいたい3分くらいなのですが、『ワンピース・オン・アイス』は1時間半くらい。そんなに長く本番でスケートシューズを履く経験は初めてでした。

初日の練習の時に、まず氷ではなく床のお稽古から始まったことも覚えています。セリフを声に出して言うという経験も自分たちにはなかったですし、「どうしたらいいんだろう?」とすごく不安になって。その中でナミ役の望結が「こうしたらいいよ」とアドバイスをくれて、本当に心強かったです。

――女優さんとしてお仕事している妹さんの姿を直接見ることはなかなかないですもんね。

本田:小さいころレッスンについて行った時以来ですね。家で相手役の練習をしたりするんですけど、こちらは棒読みなので(笑)、本気の女優さんモードというのはテレビで見るくらいだったので新鮮でした。

前回、望結は最後のシーンで全公演本当に涙を流していたんです! あそこまでできるのはすごいな、さすがだなと思いました。ビビが最後にスピーチをする場面で、泣いていることを伝えるにはどうしたらいいかな?と質問攻めにしました(笑)。

――演じられるビビはどんなキャラクターですか?

本田:自分のこと以上に仲間や国民のことを考えて大切に思っている女性です。はかなさがあって、少し不器用なところもありますが、強い意思を感じられるキャラクターだなと思います。 

――ご自身と似ているところはありますか?

本田:私は周りのみんなが喜んでいる姿を見るのがすごく好きで、いろいろやってあげたくなるんです。そういう部分は少し似ているかもしれません。

◆子どものころから知っている共演陣は「ホーム」のような安心感


――前回ご出演の皆さんがそろって今回もご出演ですね。

本田:みんな本当に仲が良くて! 子どものころから知っていますし、クロコダイル(無良)は10何年前から知っていて、よくリンクから駅まで送ってもらったり(笑)。昨年の本番で特効の煙が目に入ってしまったことがあったのですが、裏で「目にしみる」と言っていたら、クロコダイル(無良)が目薬を買って来てくれたこともありました。いつもそんな優しい人なのに、ショーでは悪役。絶対に勝つ!という気持ちで演じなければいけない切り替えが、最初のころは少し苦労しました。

――本当にチームワークが良さそうですね!

本田:みんなが120%の力で演技しているところがすごくいいなって思いますし、全員『ワンピース・オン・アイス』をより良いものにしたいと気持ちが1つになっています。「ここはもう少しこうしたほうがいいんじゃないか」とかも言い合えますし、このメンバーだからこそ安心できる、ホームみたいな感覚がありますね。

――昨年は現役選手としての出演、今年はプロフィギュアスケーターとしての出演となります。心境的に違いはありますか?

本田:昨年は試合に近い時期の上演だったので、朝の練習はジャンプの練習をしたり、やっぱり選手としては試合が近づいているという焦りもありました。稽古中も朝は自分の練習をするというのが基本だったんですけど、今年は『ワンピース・オン・アイス』に全振りできると思うので、そこは自分の中でも100%毎日注ぎ込めるとすごく楽しみですね。

――昨年と違って、今回はこんなビビを見せたいという思いはありますか?

本田:本当に涙を流して演技をしたいです。怒っているところからすぐに切り替えて急に泣くシーンになったりするので難しくて…。昨年は体や表情では表現できていたんですけど、ウルウルぐらいまでしかできなくて。それを今年は近くから見ていても遠くから見ても表現できているように、お芝居に近いような演技ができればいいなと思ってます。

◆「私だから聞けることもある」スポーツ取材に充実感 演技の仕事にも意欲


――競技生活からの引退を発表されたのが今年の1月。この半年(取材当時)はどんな日々でしたか?

本田:めちゃくちゃ濃くって、まだ半年なのかというのが正直な気持ちです。でも、日常生活の中であれほどの緊張感を味わえることってないので、時々試合が恋しくなったりしますね。あの一喜一憂も試合に向けて競技者としてやってるからこそ体験できることだったんだなって…。

――3月には世界フィギュアで現地キャスターを務められました。

本田:緊張しました!(笑) 坂本花織選手など練習から取材に行かせていただいたので、一対一で詳しい目標を聞けるわけじゃないですか。そこから実際に試合で演技を見て、自分の試合以上に緊張しましたね。

――『すぽると!』へのご出演など、スポーツに関連したお仕事は今後も続けていきたいですか?

本田:そうですね。自分だからこそ選手の皆さんに聞けることもあると思いますし、取材をしていて逆に質問していただくこともあったりするのですが、それがすごくうれしくて。さまざまなスポーツのいろいろな選手のことを知れるのはすごくためにもなりますし、もっとこういう知識を取り入れたいという向上心もあるので、今後もできるだけ挑戦していきたいです。

――先ほど「今年は泣く演技を」というお話がありましたが、望結さんのように演技のお仕事への意欲はいかがですか?

本田:あります! すごく興味があって、フィギュアスケートも表現するという部分では近い部分もあるのかな?と思うので頑張りたいです。自分が自分で保てているというか(笑)、皆さんが想像する私でいられる間は、そういった活動をしてみたいと思っています。

――お忙しい毎日かと思いますが、今ハマっていることはありますか?

本田:パスタ作りにハマっています。ペペロンチーノが好きで、激辛が食べたいけど物足りないなぁと思って、鷹の爪をいっぱい入れたいってことから始まって。レシピを見ただけで作ったのですが、とんでもなくおいしくて! それからハマって7種類くらい作りました。たらこパスタが得意です。

妹もおいしいって言って食べてくれてます。そういう喜んでいる顔を見るのが本当に大好きで、妹達にはついついいろんなものを買ってあげたりしちゃいます(笑)。

――(笑)。それでは、最後に公演を楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

本田:私自身も再演できることがすごくうれしいですし、昨年以上にさらにパワーアップしたものをお届けできるように頑張りますので、楽しみにしていてください!

(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)

 『ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~』は、LaLa arena TOKYO‐BAY(千葉県船橋市)にて9月7日・8日開催。

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