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【レビュー】『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!』のアクションはパーティーゲームと侮れない奥深い仕上がり

クランクイン! / 2024年8月30日 12時0分

『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!』メインビジュアル

 サイゲームスが配信中のスマホアプリ『ウマ娘 プリティダービー(以下、ウマ娘)』を題材としたハチャメチャカジュアルアクションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!(以下、ハチャウマ)』(Nintendo Switch/PS4/Steam)が本日発売された。今回は、本作のSteam版を一足早く遊ぶ機会を手にしたので、所感を語っていきたい。

 『ウマ娘』は、かつて名勝負、伝説のレース、偉大な記録を生んだ競走馬の名前と魂を受け継いだ「ウマ娘」をコーチングし、彼女たちの夢を叶えるために奮闘する育成シミュレーションゲーム。魅力的なウマ娘たちや奥深い育成、迫力のレースが好評を博した、サイゲームスを代表する人気タイトルだ。

 本作『ハチャウマ』では、デフォルメされたドット絵で描かれたウマ娘たちが、5人1組のチームを組んで「バスケット奪取ステークス」、「ウマドッジチャンピオンシップ」、「大食いダービー」、「ファン大感謝祭 大障害」という4つのハチャメチャな競技に挑む。各競技は高順位ほど獲得できるポイントが高く、全競技終了後の表彰式で獲得ポイントの合計が一番多いチームが「ハチャメチャGP(グランプリ)」優勝だ。

 ちなみに、開発を手掛けたのは往年の名作「くにおくん」シリーズの権利を所有するアークシステムワークス株式会社で、両社は『グランブルーファンタジー』の2D対戦格闘ゲーム「グランブルーファンタジー ヴァーサス」シリーズでもタッグを組んでいる。

■シンプル操作なのに奥が深い4つの競技

 プレイヤーは選択したチームから各競技に出場するウマ娘を選んで、ゲームをプレイ。ウマ娘たちはそれぞれ異なるスキルを持っていたり、ステータスによって得意競技が異なったりするため、どの娘を選出するかが重要になる。ゲーム『ウマ娘』と同じく本作にも「やる気」があり、競技終了後はやる気が下がって本来のポテンシャルを発揮できなくなる点にも注意だ。

■バスケット奪取ステークス

 スタミナ&パワーが高いウマ娘が有利な競技で、競技名通りバスケットボールをより多くゴールにシュートした者が勝者となる。ロングシュートやフェイント、ダンクシュート、レイアップシュートといったテクニックを戦略的に使い分けてライバルを出し抜け。

 ボールを持っているウマ娘は、ほかチーム全員からボールを奪う「スティール」で狙われるため危険。「スピン」、スキル、ジャンプといった手段を活用して相手をかわそう。「スティール」と「スピン」はスタミナを、スキルはスキルゲージを使用するため、乱発はせずここ一番で使えるように温存しておくのが肝心だ。

■ウマドッジチャンピオンシップ

 最後のひとりになるまでボールをぶつけあい、生き残りを目指すドッジボールで、パワーと根性のあるウマ娘が有利だ。ボールをぶつけられると体力が減っていき、体力がなくなると退場。ボールを投げつけるシュートには「必殺シュート」と「超必殺シュート」の2種類があり、「必殺シュート」はシュートボタンを長押しすることで放て、地上と空中で出したときに性能が変わる。強力なシュートだが、長押し中は無防備なので使いどころは慎重に選んだほうがいい。

 「超必殺シュート」は満タンの超必殺ゲージを全て消費して放てる必殺の一撃。キャッチができないので、当てれば確実にライバルの体力を大きく削れるぞ。超必殺ゲージは、相手が投げてきたボールをジャストタイミングでキャッチしたり、チャージボタンを長押しすることで溜められる。

■大食いダービー

 料理を運ぶ「サーバー」と食べる「イーター」を選んで、どれだけ多くの料理を食べられるかを競うフードファイト。プレイヤーがメインで操作するのは「サーバー」となり、同じ色の皿の料理を運ぶと「イーター」の食べる速度が早くなる。狙っている色の皿がないときは、スキルでほかチームのウマ娘を妨害するのがベター。応用テクニックとして、異なる4色の皿を並べても食べる速度は上がることも頭に入れておきたい。

 ほかにも、どの料理と食べても食べる速度がリセットされない「にんじん山盛り」やイータースキルが一気にマックスになる「にんじんハンバーグ」など、一発逆転の可能性を秘めた料理が出てくることもあり、奪い合いが白熱する。ちなみに、「イーター」として参加したウマ娘はやる気が下がらないため、後の競技に温存したい娘を選出するのも手だ。

■ファン大感謝祭 大障害

 「大障害は」スピード&スタミナの高いウマ娘が有利な競技。様々な障害が設置されたトレセン学園内と街中をダッシュ(相手を抜くときに風圧で吹き飛ばす効果あり)やスキル、サポート&妨害アイテムを駆使して走り抜け、1着を目指す。走るエリアはチェックポイントごとに区切られており、各エリアを高順位でゴールするほど高いポイントがもらえる。

 1着を目指すと言えば単純だが、前を走るウマ娘の後ろを走ると空気抵抗がなくなって速くなる「スリップストリーム」や、ほかのウマ娘のダッシュを利用して加速する「カウンターダッシュ」などテクニックも重要。運はもちろん、駆け引きにアクションゲーム力も求められる競技となっている。

ひとりでもじっくり遊べるモードが充実

 多人数で遊ぶのが醍醐味の本作ではあるが、ソロでじっくり遊べるコンテンツも充実しているのが嬉しいポイント。その中から「ストーリーモード」「部室モード」「ゴルシちゃんの大冒険II」をフィーチャーしていく。

■笑いあり熱血ありな「ストーリーモード」

 「ストーリーモード」では、チーム<コスモス>、チーム<フリージア>、チーム<ローズ>、チーム<リリィ>の4チームからひとつを選択して、全7章の物語を競技に挑戦しながら楽しめる。競技パートはポーズ画面から「競技終了後にスキップ」を選択すれば、勝利したことにして競技後の会話まで飛ばすことができ、物語だけを楽しむことも可能だ。この場合、競技クリア報酬はもらえないが、シナリオ初回クリア報酬は獲得できるし、一部のウマ娘の解放条件にもなっている“ストーリー7章をクリア”も達成できる。普段パソコンや家庭用ゲーム機で遊ぶことがあまりないユーザーへの配慮もしっかり行き届いているのはさすがだ。

 本作でしか見られない各チームの物語は、ドット絵で描かれたウマ娘たちが表情豊かに動きまわる姿が愛おしいし、笑いあり熱血ありのお話が展開されてどれも楽しい。筆者は特に、スペシャルウィークとエルコンドルパサーの熱いライバル関係が見られるチーム<コスモス>と、ゴ―ルドシップの破天荒な行動に振り回されるメジロマックイーンたちが面白かわいいチーム<ローズ>がお気に入りだ。

■自分だけのレイアウトでカスタムできる「部室モード」

 ストーリーや対戦を遊ぶことで入手できる「トレセンポイント」は、ショップで家具や壁紙などのアイテム購入に利用でき、購入した物は「部室」に配置できる。そこにお気に入りのウマ娘を入室させると、会話が発生したり、家具ごとに違ったリアクションが見られたりする。アイテムの種類も豊富でかなり集めごたえがあるのだが、システムで気になる点が少しある。

 家具は設置する際に向きを変更できるのだが、決まった向きのグラフィックしかないためか、回転方向が限定されてしまっている。この仕様によってレイアウトにあまり幅が出ないので、後のアップデートで改善されると嬉しい。また、配置した家具を移動するとき1個ずつしか移動できないのも不便だと感じた。できれば指定した範囲内にある家具をまとめて動かせる機能がほしかったところだ。

■病みつきレベルの中毒性「ゴルシちゃんの大冒険II」

 「ゴルシちゃんの大冒険II」は部室に家具の「家庭用ゲーム機」を設置することで、メインメニューから遊べるようになる、ファミコン風の横スクロールアクションゲームだ。懐かしさのあるドット絵と8ビット風サウンドがノスタルジックだが、ゲームはしっかり奥深い。

 内容は非常にシンプルで、自動で走るゴールドシップを操作し、敵と障害物を乗り越えてどこまで走れるかに挑戦する。タイムアップか体力がなくなるとゲームオーバーだ。敵への攻撃も自動で行われるため、プレイヤーが行うのは基本的に上下のライン移動とジャンプだけ。だが、ローグライクっぽいランダム性のある武器の強化システムや、ハクスラのような装備品集め、そして装備品についているスキルの構成を考えたりとかなり中毒性が高い。「ハチャメチャGP」の息抜き…どころかずっとこちらを遊んでしまいそうになる魅力を秘めていた。


■総評

 今回のレビューではSteam版を遊ばせてもらったが、筆者の環境ではロードやフレームレートに気になるところはほとんどなく、アクションの操作性も良好で気持ちよく楽しむことができた。発売前の試遊とあってだれかと一緒に遊ぶことは叶わなかったが、CPUと遊んでもちゃんと面白かったので、人と遊んだらもっと楽しいに違いない。ただ、「ストーリーモード」をチュートリアル的な感覚で遊ぶと、意外と操作方法やスキルの性能に関する説明が少ないので戸惑ってしまった。特に各ウマ娘のスキルは勝敗に関わる重要な要素なので、事前に「カスタム」メニュー内「スカウト」から自分が使うチームのウマ娘たちのスキル性能をチェックしておいたほうがスムーズに遊べると思う。

 あとはなんと言ってもドット絵のウマ娘たちがかわいいことかわいいこと。イベントシーンでも競技中でも、豊富なアニメーションパターンとボイスには魅了されたし、この映像を見るだけでも十分に購入する価値がある。今後控えているDLCウマ娘たちの参戦も待ち遠しい。

 「ウマ娘」としても、アクションゲームとしても楽しい『ハチャウマ』。カジュアルなパーティーゲームと侮るなかれ。一度触れば病みつきになる体験が待っている。

 『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!』は、Nintendo Switch/PS4/Steam向けに8月30日発売予定。

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