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元宝塚花組トップ娘役・星風まどか「品は忘れず生きていきたい」 目指すは“枠にとらわれず挑戦できる俳優”

クランクイン! / 2024年8月31日 7時0分

星風まどか

 今年5月宝塚歌劇団を退団した、元花組トップ娘役・星風まどか。東宝芸能に所属し新たな道を歩き始めた彼女が、退団後初の舞台として10月に開幕するブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』に出演する。ディズニー作品のヒロインという大役を前にする星風に話を聞くと、新たな挑戦に心躍らせる様子がたっぷり伝わってくるインタビューとなった。

◆アラン・メンケンの楽曲にウキウキワクワク

 2021年に日本初演され、第29回「読売演劇大賞作品賞」にも輝いた本作。ボブ・ツディカーとノニ・ホワイトが脚本を手掛けた同名映画を原作に、ブロードウェイではディズニー・シアトリカル・グループ製作により初演され、トニー賞8部門ノミネート、2部門受賞/ドラマ・デスク・アワード6部門ノミネート、2部門受賞。ブロードウェイで2年間、通算1004回公演を達成した人気作だ。

 1899年のニューヨークを舞台に新聞販売の少年たち“ニュージーズ”の奮闘を描く本作は、『美女と野獣』『アラジン』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』など数々のヒット作を生み出し、アカデミー賞8度の受賞を誇るアラン・メンケンが音楽を、ジャック・フェルドマンが作詞を、そして『ラ・カージュ・オ・フォール』『トーチソング・トリロジー』で知られ、トニー賞を4度受賞しているハーヴェイ・ファイアスタインが脚本を手掛けた、美しいメロディーと躍動感あふれるダンス・ナンバーが盛りだくさんのミュージカル。主演を美 少年の岩崎大昇(※「崎」は「たつさき」が正式表記)が務め、加藤清史郎、横山賀三、霧矢大夢、石川禅ら実力派が顔をそろえる。星風は、“ニュージーズ”を応援する若き新聞記者・キャサリンを演じる。

――本作のオファーを聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

星風:アラン・メンケンさんの素敵な楽曲で紡がれた作品ですし、課題が山積みだなと思いました。でもそうした課題をいただけるというのはありがたいこと。私は何か目標を定めて挑戦していくことが大好きなので、一生懸命頑張るしかないですね。

ブロードウェイ版の楽曲をダウンロードして聴いているのですが、どの曲も壮大でウキウキワクワクするんです。キャサリンが歌う曲以外にも、歌いたくなってきちゃうような素敵な曲がいっぱいです。

――演じられるキャサリンの印象はいかがでしょう?

星風:あの時代に女性で新聞記者として強く生きていて、決断する原動力や勇気がかっこいいなと思います。信念もまっすぐで純粋。純粋がゆえに思ったことをバッと言っちゃうところもあるんですけど、強さの中にお茶目さもあってすごく魅力的なんです。内面から出てくるような気品も感じますね。

ディズニーの作品のそういうヒロインを子どもの時からたくさん見て、魅力的だなと思いながら育ってきたので、私が見て感じたような魅力的な女性としてキャサリンを演じられたらいいなと思っています。

――ご自身と似ている部分はありますか?

星風:一度こうと決めたことはやり遂げたいという強い気持ちは近い部分があるかなと思います。でも、キャサリンのように出会って早々にいろんな人にガーッと発言できる強さみたいなものは持っていないので(笑)、かっこいいなと思いますね。

◆“はじめまして”のメンバーと作品を作る初体験に緊張


――男性がたくさんいるお稽古場は初めてですよね。

星風:そうですね。『ニュージーズ』は少年たちがメインの作品なので、お稽古場もすごくパワフルなのかなって想像しています。過去作の映像を拝見しても、パフォーマンスから伝わるエネルギーがすごくて! その熱量を実際に肌で感じられるのは楽しみですし、キャサリンも“ニュージーズ”の皆さんのパワーに負けちゃダメだなと思うので、そこは楽しみでもあり、自分自身の課題だとも思っています。

男性が多いということもそうですが、はじめましての方々とお芝居を作っていくことにも今から緊張しているんです(笑)。

――人見知りなタイプですか?

星風:人見知りです…(笑)。緊張しすぎてずっとニコニコして終わるみたいな感じになるかもしれません。…大丈夫かな?(笑) 

でもきっと皆さん、作品を良くしたいという思いは一緒だと思うので、いい意味で委ねながら、甘えられるところは体当たりで甘えて、お客様に喜んでいただけるようなすばらしい作品を一緒に作っていきたいなと思います!

――ジャックを演じられる岩崎さんの印象はいかがでしょう。

星風:(取材時点では)まだお会いしてないのですが、甘くて素敵な歌声をされていて。お若いですけどいろんな経験をされてこられているのかなって思いました。デュエットの曲もありますし、近くで歌声を感じられることが楽しみです。

――加藤清史郎さんは星風さんと同じく(『エリザベート』の)少年ルドルフ経験者ですね。

星風:あ、そんな共通点がありましたか!(笑)

――メッダ役を演じられる霧矢さんは、星風さんが初めて大劇場で観た宝塚作品が『ME AND MY GIRL』ということで…。

星風:そうです、そうです! 霧矢さんはジョン卿を演じられていました。今回はメッダという色気たっぷりでかっこいい大人の女性を演じられるので、近くで拝見できるのが今から楽しみです。同じ出身だからこその悩みなども相談させていただけたらなと思っています。

――さらに、本作の福岡での大千穐楽は11月11日です。

星風:はい、誕生日なんです(笑)。

――退団後初の作品を完走した日がお誕生日というのはどういった感じになるでしょう?

星風:達成感があったらいいなと思います。在団中もそうだったんですけど、公演の日に誕生日を迎えるというのは舞台人としてはすごくうれしくって。同じカンパニーの方々にお祝いしていただいて、一緒にいられるということが今までもうれしかったので、今回も楽しみですね。

◆枠にとらわれず、いろんなことに挑戦できる俳優に


――宝塚退団後の生活はいかがですか?

星風:ずっと公演中心の生活をしていたので、感覚が違いますね。目の前のことをいろいろやっていたらあっという間で。もう1ヵ月経ったの? もう1ヵ月半経ったの?と、時間の流れの早さに追いつけていない部分もあります。

――イタリア旅行にも行かれたとか。

星風:はい! 水の都・ベネチアを生で見てみたい!ゴンドラにも乗ってみたい!とずっと思っていまして。でもヨーロッパはなかなか簡単には行けないですし、この機会に行ってみようと出かけました。

もう最高でした! 街自体が美しくて芸術にあふれているんです。芸術も音楽も歴史も感じて、イタリアを思う存分堪能してきました。あ、美味しいものもいただきましたしお買い物も楽しみました(笑)。

――(笑)。インスタにアップされていたお写真からも満喫されている様子が伝わってきました。

星風:インスタは、いまだにボタンを押すときに大丈夫かな?と指が震えます(笑)。SNSなどでファンの皆さんと繋がれるというのはすごくうれしいですし、今までにはない感覚なので楽しみながら続けていきたいと思っています。

――ほかに、退団後始められたことなどはありますか?

星風:在団中、コロナ禍のお家時間のときに韓国語を勉強して、資格の試験を受けたりしていたんです。今回、イタリアに行った時に、何か言おうとしても“出川イングリッシュ”のような感じになってしまって(笑)。ボディランゲージとニコニコ笑顔で、親切な皆さんに助けられてなんとか旅行できたのですが、英語が話せたらいろんな幅が広がるんだろうなと感じました。なので、韓国語を勉強したアプリに英語も入れて、空いた時間に初歩的なところから始めています。長い目でがんばろうと。

――先日SNSでは、月組さんや新生花組さんの公演を観劇されている目撃情報があふれました。ご卒業されてご覧になる宝塚はどんな世界でしたか?

星風:在団中は少しでもたくさん勉強したいという視点でいましたが、やはり見方が変わりました。月組さんの公演は同期の退団公演ということもありましたし、月城(かなと)さんはじめ退団者の皆様がとても幸せそうに見受けられて、その幸せそうなお顔に涙が止まらないという感覚になりました。それも自分自身がすごく幸せに卒業させていただいたからこそ感じる感覚なのかなと、改めて感謝の気持ちもあふれました。

――東宝芸能に所属されて、これからさまざまな作品にご出演されると思います。星風さんであの役やこの役を観てみたいという声が上がっています。

星風:所属が発表になった時にもたくさんの方からおめでとうとご連絡をいただいて、本当にありがたかったです。そういうお声をいただくからには、期待にこたえるじゃないですけど、自分自身恥ずかしくないように、精一杯しっかり生きていきたいなという決意も改めて感じました。

舞台や映像とジャンルを決めることなく、いろんなことに挑戦できるような俳優でありたいと思いますし、「星風はこうだよね」という枠にとらわれることなく、こんな星風も観てみたいと思ってもらえる人になりたいなって思います。

――舞台人・星風まどかとして、ブラさずに大切にしたいことは何ですか?

星風:舞台人としてだけじゃないかもしれませんが、人として品は忘れず生きていきたいなと思っています。

(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)

 ディズニーミュージカル『ニュージーズ』は東京・日生劇場にて10月9日~29日、兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールにて11月3・4日、福岡サンパレス ホテル&ホールにて11月9~11日上演。

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