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1人の女性の人生を描く“令和の不謹慎エンターテインメント”『カオルの葬式』11.22公開決定

クランクイン! / 2024年9月10日 12時0分

映画『カオルの葬式』ポスタービジュアル

 湯浅典子監督による映画『カオルの葬式』が、11月22日より全国順次公開されることが決定。ポスタービジュアルと予告編、場面写真が解禁された。

 本作は、伊丹十三監督の大ヒット作『お葬式』や、滝田洋二郎監督『おくりびと』の系譜を継ぐ、“死”をテーマにしたダーク・コメディ。国内のみならずスペイン、シンガポールから集結した新進気鋭のスタッフ・クルーと製作された国際共同製作作品だ。総勢1000人を超えるオーディションで選ばれたキャストとともに、岡山県北にある宝樹寺をメイン舞台に、微かに残る古来よりの葬儀と、今を生きる人々の姿を色鮮やかに描き、大阪アジアン映画祭にてJAPAN CUTSアワードを受賞。ニューヨークでも多くの喝采を浴びた。

 物語は、カオルという女性脚本家が亡くなったという知らせを、10年前に離婚した元夫の横谷が受けるところから始まる。彼女が残した遺言には、横谷がカオルの葬式の喪主になるようにと記されていた。横谷が東京からカオルの故郷・岡山に到着すると、そこに居たのはカオルが遺した9才の1人娘・薫。他にも通夜・葬儀に集まるのは、脚本家であったカオルのマネージャー、プロデューサーの先輩や親友、葬儀を取り仕切る婦人会や地主一家など、一癖も二癖もある人々…。

 監督は、数々のドラマ演出・プロデュースを手がけ、短編映画『空っぽの渦』で多くの国際映画祭にノミネートされた湯浅典子。カオル役にNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の一木香乃、その元夫・横谷役を『Chime』の関幸治、薫の一人娘・カオル役にNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の新津ちせ。さらに原田大二郎、黒沢あすか、足立智充、田中モエ、滝沢めぐみ、川島潤哉、蔵本康文、木村知貴、大岩主弥、錫木うりなど実力ある個性派がそろった。

 また、音楽監督にジョアン・ビラ、撮影監督にビクター・カタラ、照明にポール・ピーティクス、サウンド・エディターにギエルモ・ルーファス、オフライン編集にマルク・ミチャをスペインから迎えた。鮮やかで美しい映像と厚みのある音響で、物語をより重層的に仕上げている。

 このたび解禁されたポスタービジュアルでは、夜中に裸で机に向かい、集中している女性・カオルの後ろ姿に、「一人の脚本家が死んだ」というコピーが重なる。それをなぞるように引っ張った線の上には、チャーリー・チャップリンの「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という言葉も添えられている。

 あわせて予告と場面写真も解禁された。東京で暮らすカオルと横谷の過去の美しい日々と、対照的に葬儀に集まった腹にイチモツありそうな面々が赤裸々に感情をぶつけ合う様が、まるで地獄から轟くようなドラミングの音と共に画面一杯に溢れだす映像に期待が高まる。

 映画『カオルの葬式』は、11月22日より全国順次公開。

※大阪アジアン映画祭 JAPANCUTS AWARD、Jason M(映画ライター)のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■大阪アジアン映画祭 JAPANCUTS AWARD

 『カオルの葬式』はある家族の葬儀の場で起きる赤裸々な感情のぶつかりを見事に捉えたホームドラマである。タガの外れた演技の完璧な掛け合いが、パーカッションのリズムが心地よいサウンドトラックと勢いのいい編集と相まって、家族の機能不全を面白く切なく描いたダークコメディに仕上がっている。

■Jason M(映画ライター)

 今作は、鮮やかな色彩とエネルギーあふれる演出によって表現されており、ストーリーを追いがちな大作と呼ばれる映画が持つことが難しい、インパクトと魅力を強く放っている。物語の中心には、すでに亡くなっている主人公・カオルが常に存在し続けている。自身の人生を生きるために懸命にもがく彼女の姿は、観客に楽しさだけでなく、深い感動を与えるものである。

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