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Lemino「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルにて短編映画が無料配信中! 井樫彩、林隆行監督作品などの紹介コメント到着

クランクイン! / 2024年9月13日 12時0分

『MIRRORLIAR FILMS Season3』

 クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト「ミラーライアーフィルムズ」の最新シーズン公開にあわせ、ドコモの映像配信サービスLemino(旧dTV)内に「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルが開設。“毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。”として、Season1~Season5のオリジナル作品・関連作品などが配信中だ。俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなどが監督した著名クリエイターの作品から一般公募作品まで、多彩な短編映画が集まっている。2025年2月13日に劇場公開されるシーズン6には、監督として小栗旬、浅野忠信、岡本多緒、鬼木幸治、増田彩来が、シーズン7には加藤浩次、加藤シゲアキの参加が決まっており、注目クリエイターが続々とプロジェクトに加わっている。

 今回、Leminoですでに配信開始されているSeason3より、井樫彩監督作『可愛かった犬、あんこ』、林隆行作品『そこにいようとおもう』ほか、4つの作品について映画ライターによる見どころ紹介コメントが届いた。いずれの作品も全て無料で視聴することができるので、ライターコメントを読んだ後に本編をチェックしてみてほしい。

■配信作品(26)『可愛かった犬、あんこ』(「MIRRORLIAR FILMS Season3」収録作品)

メロウな空気とポップでカラフルな可愛い世界、犬と巡る姉妹の成長。

 井樫彩監督の作品にはメロウな空気が流れる。それは台詞ではなくショットから湧き上がり、やがて心にヒタヒタと流れ込んでくる。実際、本作にもそれを感じた。一見、今までの長編とは違い、ややポップな印象を受ける本作だが、彼女特有の色合いや配置のセンスを楽しめる。

 冒頭から携帯カメラで撮った画が映し出される。それは亡くなった飼い犬あんこを抱く父親の少し間抜けな姿とつい自撮りをしてしまう自分自身(優希美青)だ。この臨場感が観客の私たちを一気に惹きつける。やがて、もうひとりの親族である姉(奈緒)がやって来るのだが、家の玄関には簡易的に建てつけられた木の板がバツ印のように貼り付けられている光景が目の前に出現する。その後、部屋に入ると妹が庭へと続く窓ガラスに張り付けていたピンク色のガムテープを外し始めるのだ。それが台風への防災であり、あんこが亡くなった原因が台風であったことが姉妹の会話で見えてくるのだ。

 部屋の中の画もいちいち楽しい。子供達による散らかり具合は、無造作のようでランドセルの色もおもちゃの色もパステルカラーでハンガーに吊るされたワンピースも柄物。この美術は作られた可愛らしさではない、ギリギリの自然な可愛らしさ。ロケーションのこだわりも切り取り方も“可愛い”が詰まっている。ギザギザの遊歩道が物語をコミカルに見せている。これが井樫彩監督のセンスだ。

 何より妹の子どもである姉妹が犬を見つけて走り出してからの一連のスローモーションには唸る。次女が転んでお姉ちゃんが気にかける。そんな二人が転んだことを気づかずに犬を追う大人の姉妹のアップ。これだけで、髪の色も服の選び方も違うタイプ違いの二人の生い立ちや関係性が想像できるのだ。歳の近い姉妹らしい互いを意識し合う成長。きっとこれを表現したかったのだろう、なんてメロウな姉妹なことか。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

 家族の愛犬であったあんこの死をきっかけに6年ぶりに実家に帰ってきた長女の亜紀。久々の帰省にもかかわらず妹の春との関係はどこかギクシャクしていた。そんな二人の関係はあんこの死をきっかけに変化していく。
監督:井樫彩 脚本:首藤凜 出演:奈緒、優希美青、諏訪太朗、浅田芭路、永尾柚乃、ダン / 時間:15分

■配信作品(27)『INTELLIGENTIA』(「MIRRORLIAR FILMS Season3」収録作品)

AI時代の意味がわかると怖い話 電話機、旧型パソコン…小道具の全てが伏線

 ネットから生まれたホラー小説の新たな一形態“意味怖”。“意味怖”とは視点を変えて読むと真相がガラッと変わる、意味がわかると怖い話のことを指す。Ken Shinozaki監督による『INTELLIGENTIA』はまさにそれ。結末を知った上で再度の鑑賞をおススメしたい、おかわり必須の好短編だ。

 舞台はAIの発達が著しい近未来。リサの勤めるAI管理局に、いまだかつてない高度なレベルの人口知能が運び込まれる。ユージーンと名乗るそのプログラムが繰り出す会話術は、リサたちの想像をはるかに超えるレベルだった…。

 生活空間として似つかわしくない多数のインテリアに囲まれたリサの部屋。近未来とは思えぬアンティークな電話。額縁にはめ込まれた不鮮明な写真。ユージーンのプログラムが搭載されているのは、妙に旧式なパソコンだ。

 物語の進行に無関係なふりをして画面に映り込むこの小道具たちこそ、真実に繋がる重要なヒント。視点を180℃逆転させた時に見える景色は、2度鑑賞しないとたどり着けないもの。脳内で細かな伏線が回収され、真相を掴んだ瞬間に“意味怖”の醍醐味が襲い掛かる。

 しかし最も怖いのは、『INTELLIGENTIA』で描かれる物語が現実味を帯び始めているということ。AI技術の進歩と隣合わせにある危険性が叫ばれる昨今、それはもうどこかで生まれているのかも。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

 AIの発達が著しい近未来。リサの勤めるAI管理局に、今までにない高度なレベルの人口知能が運び込まれる。ユージーンと名乗るそのプログラムが繰り出す会話術に驚きを隠せないリサだったが…。
監督・脚本:Ken Shinozaki 出演:レイン・フラー、CJベイカー / 時間:13分

■配信作品(28)『そこにいようとおもう』(「MIRRORLIAR FILMS Season3」収録作品)

自分を好きになる為の行為とはなんなのか。吉村界人の演技に圧巻

 ワンシチュエーションで長回し。これには俳優の力量が必要とされる。映画はフィクションだが、リアルを追求するものでもあり、感情をいかにリアルに近づけて演じるかで観客の関心の持続に影響を与えるかだ。もちろん綿密な脚本も重要で、そこに登場する俳優全員の会話のテンポや声色、表情すべてがリアルに近くないと観客の興味は薄れる。しかも本作は、誰が喋ろうとカメラは主演の吉村界人の表情を捉えており、「主人公の感情が物語」なのだと観客は気づかされるのだ。

 では林隆行監督は、一体なにを描きたかったのか。

 私個人が吉村界人演じる主人公の教師を見つめていて思ったのは、今の自分に不満はあるし、今の自分のことも好きではないが、まだ希望を持って生きていたいというものだった。それはタクシーの中で、須賀健太演じる口数の多い友人に苛立ちながら、和田颯演じるもうひとりの友人がストッパーになっていることでなんとか保っている今の現状と彼の今の人生がリンクしていることを意味しているようにも思えたのと、事故により途中で人生を断念せざる得なくなった亡き同級生の葬式からの帰り道だからこそ、友人の考えとは裏腹に「無駄なことなんか何一つない」と言い聞かせるようにも見えたからだった。そんなテーマをこちらが勝手に読み取ってしまうのも、独自の雰囲気を持つ吉村界人の演技力からだろう。

 狭いタクシーの中、3人でぎゅうぎゅう詰めに後部座席に座る若き男性たちは、亡くなった同級生への興味より自分の人生に心配をしている。けれどそれが現実であり、人は自分の心が安定していないと他者を思いやれないものだ。だから村田秀亮演じる中年のタクシー運転手がこの物語には必要だ。夢を追い、店主になり、店が潰れてタクシー運転手となり、自分と同じ野球が好きな中学生の息子を育てるために生きている男だからだ。人生は長距離運転のように否応なしに続いていく。ただし、その道を選ぶのは自分自身なのだから、なりたい自分になるのも自分次第なのだ。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

 子供の頃からの幼馴染である学、健介、裕太の三人は、同級生・隆の葬式のため久しぶりに地元で再会する。教師として働く学は、どこか健介、裕太との会話に苛立ちを感じていた…。青年から大人へ変わっていく中で揺れ動く学の心情を美しい情景とともに描く。
監督:林隆行 脚本:敦賀零、林隆行 出演者:吉村界人、須賀健太、和田颯 / 時間:16分

■配信作品(29)『絶滅危惧種』(「MIRRORLIAR FILMS Season3」収録作品)

異色のクリエイターが放つ、人間が絶滅危惧種になった世界 ゾンビ・吸血鬼と共存共栄?

 菅田将暉主演のショートフィルムを手掛けたり、水曜日のカンパネラのアルバムアートワークやツアーグッズを手掛けたり、絵本を手掛けたり、きゃりーぱみゅぱみゅと友達だったり。クリエイターとして縦横無尽な出没を繰り返す野崎浩貴監督が手掛けた『絶滅危惧種』は、そんな彼の特異さを詰め込んだジュブナイルムービーだ。

 ゾンビや吸血鬼が大半を占め、純粋な人間が“絶滅危惧種”となった世界。人間である自分に疎外感を抱く小学生の遠藤君は、クラスメイトのゾンビ友達と動物園に行くことにする。

 設定は『ゾンビ』や『デイブレイカー』をミックスしたようなポスト・アポカリプスそのものだが、ホラー色は皆無。ゾンビと吸血鬼が人間を襲うことはなく、共存共演が成り立っているからだ。

 その様子が象徴的に表されるのが給食場面。ゾンビは生肉を食べ、吸血鬼はパックに入った血液を飲み、人間である遠藤君はごく普通のカレーライスを食すのだ。

 クラスで唯一の人間である遠藤君は、ゾンビ友達や吸血鬼先生から羨ましがられる。しかし遠藤君としてはそれが辛い。自分で選んで唯一の人間になったわけでもないのに、絶滅危惧種のように見られる違和感と仲間外れにされたかのような孤独。野崎監督が遠藤君の姿を通して訴えるのは、少数派に属する事への恐怖。シュールな物語の奥底を覗くと、吸血鬼の牙のように鋭い棘がある。

 遠藤君は周囲と同化するために、知恵を振り絞って人間から脱しようとするが、自分は自分でしかないという現実と直面する。果たして遠藤君は自らを絶滅危惧種だと嘆くのか、それとも唯一無二の存在だと人間である自分を肯定するのか。大人への成長過程にある子供の自我の揺らぎを捉えた、まさにジュブナイルな一本だ。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

 吸血鬼やゾンビの存在が一般化された社会。今や人間が絶滅危惧種として扱われる世界で人間の小学生、遠藤君は疎外感を感じていた。遠藤君は何とか自分も彼らのようになれないか奔走するが…。
監督・脚本:野崎浩貴 出演者:平野虎冴、増田真大、来夢、原扶貴子、ビートきよし(特別出演) / 時間:16分

【配信概要】
『毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。』として、ドコモの映像配信サービスLemino 「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルから、Season1~Season4、Season5以降のオリジナル作品、新作、過去シリーズを含む全作品が順次配信される予定。

【「ミラーライアーフィルムズ」概要】
2020年より始動した、ミラーライアーフィルムズは、映画プロデューサーの伊藤主税、俳優の阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする、クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト。Season1~5では公募作品を含む、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなどが監督した42本の短編映画を発表した。短編映画だから、短編映画ならば挑戦してみたいと、映画未経験者や普段映画に関わらない異なるバックグラウンドのクリエイターが集まり、新しい視点やアイデアが生まれる場となっている。

Season1~5参加監督(五十音順)
Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫彩/池田エライザ/巖川虎太郎/枝優花/大橋裕之/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷揚/齊藤工/榊原有佑/志尊淳/柴咲コウ/柴田有麿/十川雅司/竹中直人/武正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田陵/林隆行/針生悠伺/ピウス・マチュルスキス/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田佳奈/山田孝之/李闘士男/渡辺大知

 12月13日(金)に劇場公開されるシーズン6には、監督として小栗旬、浅野忠信、岡本多緒、鬼木幸治、増田彩来が、シーズン7には加藤浩次、加藤シゲアキの参加が決定した。

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