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伝説のロックバンドを作ったのはリヴァプールではなかった? 『NO ハンブルク NO ビートルズ』特報解禁

クランクイン! / 2024年11月2日 10時0分

映画『NO ハンブルク NO ビートルズ』場面写真

 世界に先駆け12月6日より日本で全国順次公開される、ビートルズのドイツ・ハンブルク時代を振り返るドキュメンタリー映画『NO ハンブルク NO ビートルズ』より、特報と場面写真が解禁された。

 本作は、およそ6年にわたるザ・ビートルズの初期を、時系列で追体験するドキュメンタリー。

 1960年。若者に何か新しいものを提供したいと思っていたハンブルクのクラブオーナーたちは、水夫からイギリスではアメリカン・スタイルのロックンロールが演奏されていると聞き、アメリカより安く来られるイギリスからアーティストを招く。8月15日、ビートルズは、列車代や船代も出せず、ミニバスでハンブルクを初訪問。クラブで演奏するかと思いきや、ストリップクラブ「インドラ」で演奏することに。隣の映画館でベッドも照明も暖房もないところにユニオンジャックの旗を被って寝て過ごす。全員10代で、最年少のジョージ・ハリスンはわずか17歳で、世界最大の赤線地区の真ん中で演奏し、寝泊まりすることになる。ステージでは、人を引き付けるコツを徐々に学び、スタイルが確立。まさに、ハンブルクは学び場となった。

 「インドラ」で最初は無名だったが、1〜2週間後には混み合い、6週間後には近所からの苦情でライブ演奏が禁止に。やっと「カイザーケラー」で演奏できることになる。その後、トニー・シェリダン付きのバンドとして「トップテン」で演奏したいと申し出ると、「カイザーケラー」のマネジャーのコシュミーダーに「そうしたらドイツでは二度と働けなくしてやる」と脅される。メンバーは「あんたもね」と返すが、「トップテン」で演奏した初日にコシュミーダーは警察にタレこみ、ポールとピートは起訴され、イギリスに強制送還される。

 1962年4月、ハンブルクの「スター・クラブ」のオープニングに呼ばれたビートルズだが、初めて飛行機に乗ってハンブルクに行くと、空港で待っていたのは、スチュアート・サトクリフの恋人アストリッドのみだった。元メンバーの死を知るメンバーたち。8月には、ドラマーのピート・ベストが外され、リンゴ・スターに替わる。11月と12月にハンブルクを再訪し、大みそかを最後に「スター・クラブ」での公演を終えると、11日後に発売された「プリーズ・プリーズ・ミー」がイギリスで大ヒット。当時を知る者は口をそろえて言う。「ビートルズを作ったのはリヴァプールではない」と。

 ビートルズが英・リヴァプール出身なのは周知の事実だが、生前ジョン・レノンは「僕らはリヴァプールで生まれ、ハンブルクで育った」と語っていた。本作は、1960年のハンブルク初訪問の経緯から、1963年の「プリーズ・プリーズ・ミー」のヒットを経て、1966年の6回目の訪問までを、元メンバーと関係者の証言やアーカイブ映像と音声、アニメーションなどを使って生き生きとよみがえらせる。

 ポール・マッカートニーは「手錠で繋がれ、囚人のように飛行機に乗せられた」という、強制送還となった事件の経緯を説明。脱退したスチュアート・サトクリフと付き合ったアストリッド・キルヒヘアは、初めてビートルズの演奏を見た経緯から、スチュアートが亡くなったのを知った際のジョン、ポール、ピート・ベストの3者3様のリアクションを詳細に語る。

 リトル・リチャードは「ジョン・レノンのような人には会ったことがない」という楽屋でのエピソードを披露。ビートルズのレコードプロデューサーだったジョージ・マーティンは、ピート・ベストをリンゴ・スターに替えた理由を告白し、リヴァプールの「キャヴァーン」でのライブまでピートが外されたと知らなかった当時からのファンは「ピート、フォーエバー。リンゴ、ネバー」と叫んだという当時の様子を回想する。

 後のインタビューでジョンは「ハンブルクではステージで寝たり、食べたり、悪態をついたりして、全くの“自然体”だった」と話すが、その後、「キャヴァーン」でのファンクラブナイトに参加したファンは「ビートルズは全身レザーで登場したが、ワンセットが終わったら、スーツに着替え、その後レザー姿は見なくなった」と、転換期を目の前で目撃したことを明かす。

 映画『NO ハンブルク NO ビートルズ』は、12月6日より全国順次公開。

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