長塚京三主演、吉田大八監督作『敵』が主要3冠受賞の快挙!<第37回東京国際映画祭>
クランクイン! / 2024年11月6日 22時25分
長塚京三が主演を務める吉田大八監督作『敵』が、本日11月6日に開催された、第37回東京国際映画祭クロージングセレモニーにて、東京グランプリ、最優秀男優賞、最優秀監督賞の主要3冠を受賞。長塚は、映画祭史上最高齢で最優秀男優賞を受賞となる。
本作は、筒井康隆の同名小説を吉田大八監督が映画化。
12年ぶりの映画主演となる長塚京三は元大学教授・渡辺儀助を演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。清楚(せいそ)にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美。亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすか。バーで出会い儀助をほんろうする謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩ら実力派俳優陣が脇を固める。
原作者の筒井は「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と本作を絶賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました」と自身の新境地を見せる。
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門で注目を集めていた本作で、長塚が最優秀男優賞、吉田監督が最優秀監督賞、そして最高賞にあたる東京グランプリ/東京都知事賞を受賞し、主要3冠受賞の快挙を達成。
東京国際映画祭で、日本映画がグランプリを受賞したのは『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督/2005)以来19年ぶり。日本人俳優の最優秀男優賞の受賞も同作品で佐藤浩市が受賞して以来同じく19年ぶりとなり、長塚の79歳での最優秀男優賞受賞は、東京国際映画祭史上最高齢での受賞となった。
最優秀男優賞の発表には、本映画祭のコンペティション部門の審査委員長を務めた、香港の俳優トニー・レオンがプレゼンターとして登壇。「スクリーンに登場したその瞬間から、その深み、迫真性で私たちを魅了しました」と絶賛の講評を述べ、壇上に登場した長塚にトロフィーを手渡した。
長塚は、2日前の舞台あいさつから間もない発表だったことに触れ、「あまり急なことで、びっくりしてまごまごしています」とコメント。その上で「敵という映画に出させていただいて、これは歳をとってそしてひとりぼっちで助けもなく敵にとりこめられてしまうという話なんですけれども、結構味方もいるんじゃないかと気を強くした次第です。もうぼつぼつ引退かなと思っていた矢先だったので、うちの奥さんは大変がっかりするでしょうけど、もうちょっと、ここの世界でやってみようかなという気にもなりました」と作品に触れながら受賞の喜びを明かす。そして、「東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、どうもありがとう」と観客に感謝を述べた。
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