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『グラディエーターII』前作で叶えられなかった<VSサイ・サメ・ヒヒ>バトルが24年越しに実現!

クランクイン! / 2024年11月16日 10時0分

映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』競技場に獰猛なサイが登場

 リドリー・スコット監督による名作『グラディエーター』(2000)の続編『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が、現在公開中だ。本作で再びメガホンをとったスコット監督は、前作で叶えられなかった念願のバトルを24年越しに実現させた。そこで最新作で主人公の剣闘士(グラディエーター)が対峙する、獰猛なサイ、サメ、ヒヒの裏側をご紹介!

 将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻によって最愛の妻を殺された主人公・ルシアス(ポール・メスカル)が復讐を果たすため、剣闘士《グラディエーター》としてコロセウムで死闘を繰り広げていく本作。筋骨隆々の屈強な漢(おとこ)たちの肉体と剣さばきによるゴリゴリの闘いが大きな見どころとなるが、戦う相手は人間だけにとどまらない。前作では獰猛な虎との対峙がインパクトを残したが、本作でもそれを超える凶暴な猛獣たちとのバトルが待ち受ける。

■重武装の剣闘士を乗せた、巨大な角を持つサイ

 本作の予告編でも、サイの突進に思い切り弾き飛ばされる剣闘士の衝撃的な姿を収めているが、この「剣闘士vsサイ」の闘いは、スコット監督が前作『グラディエーター』の製作時に構想していたものの、当時は泣く泣く断念したアイデアであることは有名。CGIテスト映像がDVDの特典映像として収録されており、ファンの間では伝説となっていた闘いが、映像技術の進歩により24年越しに待望の登場を果たすこととなった。

 同シーンについて、スコット監督は「私たちは、頭を振り、鼻を空中に跳ね上げ、目と耳を動かすことができる機械サイを作った。それを視覚効果で強化し、文字通りゴーカートのようにコロセウムの周りを走らせることができた。AI切断装置で作られた分厚いプラスチックの皮膚は、シワのあるサイの完璧なレプリカを作り出した。それをサイのフレームにかぶせ、その後脚を追加した。簡単な作業ではなかったが、見栄えは最高だ」とコメント。

 すべてをCGに頼るのではなく、実際に物体としてコロセウムに出現させ戦わせているからこそ、生の迫力をまとうサイに仕上がったと満足げに語った。

■コロセウムに張られた水面にうごめく、血に飢えたサメ

 予告映像の公開時、一面の水がコロセウムに満ち、人喰いザメがそこかしこに泳ぎ回っている命がけの模擬海戦シーンが話題に。作中屈指の大迫力アクションシーンとなっているこの場面は、驚くことに史実からインスパイアされており、当時のローマ人はコロセウムに水を引き込むための精巧な水道橋まで建設したのだという。

 スコット監督は「かつて闘技場に水を張り、そこで海戦が行われていたことも知っていたし、その水中にウツボを放して、人が落ちたらウツボに襲われるようにしていたことも知っていた。彼らが成し遂げたことを考えてみてほしい。あんなコロセウムを建設できるなら、海洋生物を中に入れることもできるはずだ」と、登場させた背景を語っている。

 無数のサメがうごめく水上で大型船同士がぶつかりあう、落ちたら即死の手に汗握るスリルMAXの闘いにも注目だ。

■ルシアスの怒りを引き出す、鋭い牙を持つ獰猛(どうもう)なヒヒ

 主人公ルシアスが、鋭い牙を持つ獰猛なヒヒと一騎打ちをする場面も、本作で一・二を争う熱いバトルシーンに仕上がっている。ヒヒを登場させるに至ったのは、実際に南アフリカの駐車場で起きたヒヒによる観光客襲撃事件のビデオがきっかけだそうで、スコット監督は「まったくのカオスだった。ヒヒは肉食動物で、人を襲うし体重は40キロほどもある。人の腕を引きちぎることができるんだ」と、映像に衝撃を受けた様子。映画ではそのビデオに登場する本物のヒヒの1匹をモデルにしており、「彼は脱毛症で毛がなかった。本当に筋肉質なのがわかるだろう」と、より凶暴さが際立つそのビジュアルで採用したことも明かした。

 撮影時はスタントマンが動きを演じ、その後CGIでリアルなヒヒを表現。本作のスタント・コーディネーターのニッキー・バーウィックはヒヒの歩行に近づけるため、各スタントマンに脇の下にフィットする短い松葉杖を用意したという。そんな細部へのこだわりが詰まった結果、リアルに凶暴なヒヒに仕上がっており、観る者を鳥肌モノの恐怖へと引きずり込む。

 先日来日を果たしたポール・メスカルは「大きな船に乗ったり、サイ、ヒヒとも戦った。バトルもレベルアップしているのは技術の進化もありますし、物語としてもさらに大きな使命が懸かっているからで、観客の皆さんにも楽しんでいただくためですね」とコメント。スコット監督の発想力と知恵、そして前作『グラディエーター』の撮影時とは比べ物にならないほど発展した技術が集結して創り出されたこの猛獣たちは、本作の“裏の主役”とも言える存在感を放っている。

 映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は公開中。

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