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“中華圏映画アカデミー賞”2冠! 『石門』日本版予告&場面写真公開

クランクイン! / 2025年1月16日 9時0分

 そんなある日、リンは自分が妊娠1ヵ月であることを知る。恋人のチャンは「赤ん坊がいたら君が不利になるよ」と暗に中絶を勧める。身体に変化が起こる前に故郷に戻った娘に、母は「進学したのに男を作って妊娠するなんて」と苦言を呈する。子供を持つことも中絶することも望まなかったリンは、両親を助けるため、賠償金の代わりにお腹の子供を提供することを思いつく。一人っ子政策によって少子化が進んだこの国では、遺伝子にまでこだわる闇ビジネスが横行しているのだ。

 だが、交渉相手は子供の面倒は見ないと突き放す。養子として引き取るのであれば、その子が健康体であることが確認できるまで受け入れないというのだ。その渦中、定期検診を終えたリンは、母親になる女性に「あなたが育てるのよ」と診断書を手渡すが、彼女は興味がないとばかりに一瞥(いちべつ)するだけ。

 慰謝料返済のために「月に1万5千元」かかると言う母は、マルチ商法まがいのビジネスで稼ごうとしている。家族の誰もが「人に借金はしたくない」と思っているが、松葉杖の父を交えて親子3人で口論する羽目に。そして、屋上にプールがしつらえられたビルからの眺望と、卵子ドナーとなる女性たちが食事する姿が映し出される。急激に都市化が進んだ地方の街で、今、何が起こっているのか。望まぬ子を身籠(みご)もった20歳の女性の前には、全世界共通の他人ごとではない石のように重たい扉が立ちはだかる―。

 場面写真は、宝飾店の店頭でドレスを着せられ佇むリンの姿などを収めている。

 ホアン・ジーと大塚竜治は、主人公が生きる世界を、一定の距離感を保ちながらドキュメンタリータッチで撮影した作品を作り続けてきた。そんな彼らが『石門』を通して、今を生きるすべての人に問いかけることとは何か、スクリーンで確認したい。

 映画『石門』は、2月28日より全国順次公開。

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