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『クジャクのダンス、誰が見た?』広瀬すずの強くまっすぐな瞳と、松山ケンイチの軽やかさが本格サスペンスへ誘う

クランクイン! / 2025年1月31日 18時0分

 そんな心麦に育てあげたのが、幼い頃、「クジャクのダンス」の話を聞かせ、周囲から疑いをかけられた彼女を信じて抱きしめた父。親子は互いを信じあってきた。そして父は彼女に、逮捕された人は“冤罪だ”とする手紙を託し、心麦は父の言葉を胸に置く。

 さらに、心麦の食べていたプリンを松風も頬張り、(僕もこれはプリンだと思う)とでも言うかのように、「お父さんを信じる君を信じるよ」と口にした。本筋とは関係ないが、ここでプリンのカケラを口の端につけ、ちょっとした愛らしさを松風に添えるのが、松山が演じているからこその味だ。事務所にいくつも並ぶ彼のメガネも、心麦の澄んだ瞳とはまた違う、さまざまな角度から物事を見る弁護士としての目を表しているようでもある(原作とは違い、ドラマでは森崎ウィン演じる、松風の幼なじみで共同経営者の弁護士・波佐見もまたメガネ姿)。

■オリジナルの展開になっていく後半にも期待


 22年前の東賀山事件関連も含め、親子の物語が軸になっていくに違いない本作だが、心麦が「“クジャク~”のあの言葉は、父自身にも向けていたのかな」と言い、父自身も手紙に「私が殺されたとしても、やむを得ない部分がありますが」と残したように、心麦の父は何かを隠したまま亡くなった。

 だが、自分が殺されるかもしれないことの予感こそあれ、その犯人までは予見できなかったということなのだろう。さらに、友哉の父で、東賀山事件で逮捕された死刑囚の遠藤力郎(酒向芳)は冤罪で、心麦の父はその事実を当時から知っていたのかもしれない。

 手紙に書かれた友哉以外の人物や、しばしば心麦の近くに現れるリュックを背負った人影、また、心麦が東賀山事件の遺児なのかといった点も気になる。

 インタビューなどで、キャストたちも「犯人が誰かまったく分からない」と話しているが、原作自体が未完。つまり後半はオリジナルの展開になっていくと思われる。

 脚本を務めるのは、近年高い評価を受けている金沢知樹。『あいのり』(フジテレビ系)の「金ちゃん」としても知られる、元お笑い芸人で、現在も福岡県で活動を続ける脚本家だ。監督も務めた映画『サバカン SABAKAN』や日曜劇場『半沢直樹』、Netflixドラマシリーズ『サンクチュアリ -聖域-』などで才能を発揮し、今クールも本作と並行して放送中のNHKドラマ『東京サラダボウル』も好評価を得るなど、ノッている。本作でも端々にキャラクターたちの軽妙な会話のやりとりを感じさせ、先に挙げたコーヒーのエピソードを差し込んでいくなど、ドラマらしい作りのうまさに期待大。

 意外にも本格ミステリー初挑戦だという広瀬の、クジャクの瞳とオーバーラップする美しい瞳を通じて、ともに真相を見据えたい。(文:望月ふみ)

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