石原さとみ、華やかさ封印!『アンサング・シンデレラ』で新たな魅力発揮

クランクイン! / 2020年7月30日 6時0分

『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』で主演を務める石原さとみ

 石原さとみがドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系/毎週木曜22時)でキャリア8年目の薬剤師に扮し、ネット上では「こういう石原さとみが見たかった」「演技がナチュラルでいい」と反響を呼んでいる。石原といえば、その美貌と華やかなオーラを生かした作品が印象的だが、本作で演じているのは、落ち着いたトーンと静かな佇まいの中に「患者を救いたい」と情熱や正義感をみなぎらせるキャラクター。病院の“縁の下の力持ち”といった役どころで母性までを感じさせるなど、新たな魅力を発揮している。

■凛としたまなざし、ピンと伸びた背筋で正義感を体現

 原作は、「月刊コミックゼノン」で連載中の荒井ママレによる『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』。病院内の薬剤部で主に患者の薬の調剤・製剤を行う“病院薬剤師”たちの知られざる舞台裏を描く。病院薬剤師を主人公にしたドラマは日本の連ドラ史上初となり、これまで脚光を浴びてこなかった存在にスポットを当てた、新たな医療ドラマだ。

 石原が演じるのは、清潔感あふれるお団子ヘアで、病院内を走り回る薬剤師の葵みどり。1話では、患者が日常的に服用している薬に気づいたみどりが、心肺停止に陥った患者を救った。しかし、患者の家族たちには医者の姿しか目に見えておらず、薬剤師は感謝の言葉もかけてもらえない。薬剤師は、裏方に徹する存在であることが描かれた。

 そんな中でもみどりは、「患者さんを救いたい」「正しい薬を渡したい」というブレない信念を持ち、仕事に従事する。石原の凛としたまなざしやピンと伸びた背筋も、みどりの正義感を表現しているし、落ち着いたトーンで患者に薬の大切さを説明する場面でも、命と向き合う仕事への覚悟が伝わる。

 SNS上では「みどりがかっこいい」との声も多く見受けられた。ドラマの公式サイトでは「薬剤師というお仕事をもっと多くの人に知っていただきたい」と語っていた石原だが、もちろんドラマだけにフィクションとしての展開はあれど、薬剤師が素晴らしい仕事であることがしっかりと視聴者に届き始めている。

■“見守る力”と“母性”のオーラを放つ、石原さとみの新境地
 
 これまでも、数多くのお仕事ドラマに出演してきた石原。石原の華やかなオーラを存分に生かしたドラマで印象強いのが、2016年放送『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)。おしゃれが大好きでド派手ファッションを戦闘服に突き進む、スーパーポジティブな悦子を生き生きと演じた。地味と思われる仕事に焦点を当てるという意味では、『アンサング・シンデレラ』と『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』も同じなのだが、ヒロインの表情、まとう空気がまったく違うのも面白い。

 そして法医解剖医の三澄ミコトに扮した『アンナチュラル』(TBS系)は、30代に突入した石原の代表作ともいうべき1作。石原はサバサバとしつつも、悲しみを背負った主人公を演じきり、あらゆるドラマ賞の主演女優賞を受賞。生と死を通して社会問題を描く内容も支持を得て、続編を希望する声が上がるほどの人気ドラマとなった。

 『アンサング・シンデレラ』のみどりは、それらの印象的なヒロインの中でも最も、石原持ち前の華やかさを封印し、誰かを“支える”、そして“見守る”ことに徹している役柄のように感じる。常に患者のことを一番に考え、未来へと命をつないでいく手助けをするのが、みどりだ。

 またキャリアとスキルを身に付けた女性として、西野七瀬が演じる新人薬剤師・くるみの成長を見守る役どころでもある。相手に寄り添い、包み込もうとするみどりからは、母性のような温かさがにじみ出てくる。現在33歳になった石原だからこそ、説得力を持って演じられた役柄と言えよう。ちなみに、患者の“その後”が映し出されるエンディングも感動的で、みどりだけでなく、本作自体が“見守ること”を大切にしていることが分かる。

■インタビューで明かした、「励ましたい」という思い
 
 本作でインタビューした際、石原は「誰かを励ますことのできる人になりたい」と女優業に抱く希望を明かしていた。20代で経験したさまざまな出会いから、その意志が芽生えたそうで「私が何かをすることで、誰かを喜ばせることができるかもしれない。作品選びにしても、自分が選ばせていただける立場だったとしたら、“励まし”というテーマはブレずに持っていたい」と力強く語っていたのが、深く印象に残っている。

 さらに「実際に薬剤師として働く方にとって、“明日もがんばろう”という活力になれたらうれしい」と願いを込めていた石原。本作はまさに、彼女が大切にしている“励まし”が詰まったドラマとなり、そういった意味でも、石原さとみの新たな代表作の一つとなる予感に満ちている。(文:成田おり枝)

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