“映像の魔術師”ロイ・アンダーソンの制作風景を大公開 『ホモ・サピエンスの涙』メイキング映像

クランクイン! / 2020年11月8日 13時30分

映画『ホモ・サピエンスの涙』メイキングの様子

 第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したロイ・アンダーソン監督の映画『ホモ・サピエンスの涙』より、メイキング映像が解禁。実際の映像とセットのつなぎ目をなじなせる、アナログとハイテク技術を融合させた制作の裏側を捉えたものとなっている。

 映像の魔術師と称されるアンダーソン監督が構図・色彩・美術と細部まで徹底的にこだわり、全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影した本作。時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇を、実在の名画の数々からインスパイアされたという美術品のような映像美にのせて、万華鏡のように映し出す。

 メイキング映像は、店の前にある植木に霧吹きをかける理髪店の少女と、それを目で追う少年のシーンの制作現場を収めたもの。何気ない街角のワンシーンだが、これらはすべて、監督が所有する巨大な制作スタジオ<Studio24>で、一からセットを組み撮影された。

 理髪店から出てきた少女が佇むのは、店先と道路も途中までしか作られていないセット。しかし、カメラの位置を綿密に計算し、遠近法を駆使して手前に置いたミニチュアと併せて撮影すると、そこには奥行きのある「街」が出現。現実とセットのつなぎ目が完全になくなった映像を想像して、アンダーソン監督自身も「この段階で既にいいね!」とスタッフに太鼓判を押す。

 本作も過去の作品と同様に、ミニチュアの建物やマットペイント(背景画)を多用するなど、アナログにこだわった手法で作られているが、その制作技術は年々進化。これまではアンダーソン監督のスケッチや図面からイメージを創りあげてきたが、最近ではコンピューターを使ってシーンの3D画像を作成し、構図や模型の位置をミリ単位にいたるまで計算。今回のメイキング映像でも、そうした制作の舞台裏が映し出されている。何度も何度も撮影テストを行い、構図・色彩・美術の微調整をして、完成へとたどり着く様子は圧巻だ。アンダーソン監督がこだわり抜いた唯一無二の映像世界を、ぜひ大きなスクリーンで堪能したい。

 映画『ホモ・サピエンスの涙』は11月20日より全国順次公開。

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