食べる漢方【3】ツボを温め風邪を撃退!冬のおすすめ食材と季節の変わり目の体調管理
イエモネ / 2021年2月11日 7時30分
肌荒れ、冷え性、便秘ぎみ、疲れやすいなど、体の悩みは人それぞれ。自分の体の特徴を知って体質を改善していけたらいいですね。そこで今回は「漢方」に注目!薬剤師であり、「国際中医師」の資格を持つ漢方の専門家・藤村望さんにお話を伺いました。全4回にわたり、体質セルフ診断、体のバランスアップ食養生、風邪予防、簡単漢方レシピなどの情報をお届けします!
中医学漢方・中医美容・薬膳の専門家、藤村望さん。モットーは 「ずっと綺麗でいること」。漢方はどんなエステより、どんな高価な美容液より、最高のアンチエイジングになるのだとか。 漢方セルフ診断で分かった6つの体質別・食養生の方法に続き、今回は風邪予防と季節の変わり目の体調管理についてお聞きしました。
>>>食べる漢方【1】漢方セルフ診断!6つの体質別、あなたの体の弱点は?
風邪を封じる2つのツボ
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Q. 日によって気温が上がったり下がったりと、季節の変わり目で体調管理が大変です。風邪予防の方法を教えてください。
藤村さん:少しずつ春に近づき、暖かい日もちらほら出てきましたが、まだまだ油断はできません。雪が降る日もあり、そんな日は余計に寒さが身に沁みますね。寒暖差が大きいときは風邪もひきやすいです。
風邪は「風」に「邪」と書いて中医学では「風邪=ふうじゃ」と読みます。よくないものは風が引き連れて、体の中に入ってくるという意味です。風邪のひきはじめは、首筋や背中にゾクゾクと寒気を感じますよね。首には「風池」(ふうち)、背中には「風門」(ふうもん)というツボがあって、ここから「風邪」(ふうじゃ)が侵入してくると風邪の症状を引き起こすと言われています。
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もし、首や背中に寒気を感じたら、すぐに風池と風門を温めましょう。風池は首の後ろの髪の生え際あたりにある左右のくぼみ、風門は肩甲骨の間の上部です。家の中だったら、ドライヤーで温風を当てるのが効果的です。外出先でゾクゾクとしたら、マフラーを巻いて風を入れないようにする、もしくはコンビニや薬局でカイロを買って貼るのがおすすめです。カイロが手に入らなかったら、自動販売機で温かいドリンクを買って風池と風門に当ててください。それだけでもずいぶん違うはずですよ。
風邪予防に効果的な食材はアンチエイジングにも!
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Q. 風邪予防のために普段の食事はどんなことに気をつければいいでしょうか。
藤村さん:冬は臓器の中でも「腎」が弱くなりがちです。漢方でいう「腎」は腎臓のほか、泌尿器や生殖器などの機能も含みます。腎は耳、歯、腰、ひざ、骨、膀胱、生殖器ともつながっており、腎が弱くなると、耳が遠くなる、歯が抜けやすくなる、腰やひざが痛くなる、骨がもろくなる、トイレが近くなるなどの症状が出やすくなると言われています。
これら、腎が弱ると出やすい症状は、実は老化現象と同じなんです!逆にいうと、腎を強化することはアンチエイジングになるということです。
腎が弱くなりやすい冬は、腎を補強する食材をしっかり食べることが大事。腎を強化するのは、黒豆、黒米、黒ごま、ひじき、わかめ、レーズンなどの黒い食べ物です。くるみや松の実などの木の実類や、貝類、海藻類などの海の食べ物も腎によいですよ。
それから、基本のきとして、やはり睡眠をしっかりとることもすごく大事です。冬というのは、草木が枯れ、動物が冬眠するように、体を休ませる時期。活動を控えて体内でじっくりエネルギーを貯蔵する季節です。早く寝て、朝もゆっくり置き、できるだけ睡眠時間をたくさん確保するようにしましょう。
季節の変わり目の体調管理は
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Q. これから冬から春へと気候が大きく変化します。季節の替わり目は、体調を崩しやすくなったり、精神的にも不安定になりがちです。どんな対策がありますか。
藤村さん:春は特に進級や異動、新生活が重なる時期なので、心身に負担がかかりやすいタイミングです。中医学では春は「肝」と深く関わりがあります。「肝」は肝臓を指すのではなく、血や気のめぐりに関する機能のことです。血や気の流れを調節する働きを「疏泄」(そせつ)と呼び、肝は主に自律神経のコントロールをつかさどります。肝が弱ると自律神経の調子が狂い、イライラや不安、パニック、気分の落ち込みなど、心が乱れがちになってしまいます。
そんなときは、酢の物やピクルスなどの酸っぱい食べ物や、ハーブなどの香り食材を積極的に摂りましょう。散歩やジョギングなど軽めの運動や、おしゃべりでリフレッシュをするなどストレスをためないように心がけてください。また、肝で大事なのは「補血」(ほけつ)であり、血を増やす食事も大事です。レバー、牛肉、にんじん、卵などを食べ、肝を強化しましょう。
次回は冬と春の簡単薬膳レシピ2つをご紹介します。明日の第4回をお楽しみに!
藤村 望
薬剤師。東京での勤務を経て、同職の母の影響を受け漢方の専門家を目指す。国際中医師(漢方医)の資格を取得後、藤村薬局本店(長崎市)の漢方相談窓口を母から受け継ぎ、肌トラブル、不妊、不眠、神経症といったさまざまな悩みに、中医学漢方、中医美容、薬膳・食養生でケアを行っている。SNSやセミナーで忙しい毎日を送る大人女子のために“漢方できれい”を提案。生活養生の知恵を発信中。
HP: http://www.fujimura-kanpou.jp/smarts/index/0/
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