あらゆる不安がのしかかる「がんショック」卵巣がんサバイバーが語る必要な支援とは
イエモネ / 2021年11月11日 7時30分
女性特有の病気、卵巣がんは、自覚症状に乏しく、気づかないまま進行してしまう恐ろしい病気です。専門医やがんサバイバーが登壇したオンラインイベント「『わかる卵巣がん』~卵巣がんとうまくつきあうには?~」から、卵巣がんの特徴や、患者になってしまったときの悩みや課題についてお伝えします。
卵巣がんってどんな病気?
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卵巣は子宮の両側に1つずつある臓器。卵巣がんはその卵巣にできるがんのことで、進行するとおなかの中にがんが広がり、やがて肝臓や肺など他の臓器にも転移してしまいます。
女性のがんで最も多いのは乳がんで患者数は約7万人。それに比べて卵巣がんは約9千人と少なくはありますが、卵巣がんは自覚症状がほとんどなく発症し、また、有効な検診方法がないのが問題です。検査による早期発見が難しいため、発見が遅れてしまうリスクが高いのです。
卵巣がん患者は、40歳で急激に上昇し、50歳代をピークに高止まりしています。
自覚症状に乏しい卵巣がんですが、腹部のはりやふくらみで異常に気付く人もいます。「太ったわけでもないのに、ウエストだけきつくなった」「おなかがふくらんできた」「頻尿・便秘になった」などの理由で異変を感じ、診察を受けて卵巣がんが発見された例もあります。もし体の異常を感じることがあったら放置せず、早めに医療機関で診察を受けるようにしましょう。
特徴は遺伝性患者の割合が多いこと
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卵巣がんになりやすいとされるリスク因子には、「不妊症の既往歴がある」「子宮内膜症の既往歴がある」「ホルモン補充療法を行ったことがある」「乳がんにかかったことがある」「乳がん、卵巣がんにかかった家族がいる」などがあげられます。
特に、「乳がん、卵巣がんにかかった家族がいる」という人は、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と呼ばれる生まれつき乳がん卵巣がんにかかりやすい遺伝子変異を持つ可能性があり、そのような人はそうでない人に比べて卵巣がんの発症リスクが高くなります。
こうした卵巣がんの特徴を知ることは、リスク回避にもつながります。
「自分が卵巣がんと診断されたら、家族と情報を共有して遺伝カウンセリングを受ける」「家族に乳がん、卵巣がんの既往歴があったら、遺伝子検査を受ける」など、一人ではなく家族みんなで闘う病気という意識を持ち、リスク対策に目を向けていきたいものです。
“がんサバイバー”が伝える闘病の課題
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がんサバイバーの吉田ゆりさんは、卵巣がんとの闘いを経て、現在、「がんと働く応援団」の代表理事をしています。
卵巣がんと診断された際、「がんショック」で茫然自失となったというゆりさん。治療のためにとにかく情報がほしいと、ネットで患者さんのブログや医療論文などを読み漁ったのだとか。しかし、中には不確かな情報もあり、何を信じてよいかもわからず、精神的にどんどん追い詰められてしまったと言います。
ただでさえ、がんの診断を受けたら、たくさんの不安を抱えることになります。「治療はできるのか」「完治するのか」「治療中は普通の生活が送れるのか」「仕事ができなくなったら解雇されるのでは」「治療費や生活費をまかなえるのか」「入院したとき子どもをどこに預ければいいのか」。病気のこと、生活のこと、家族のことなど、体の負担だけでなく、心にも大きな負担がかかる中での闘病生活は想像を絶するものがあります。
卵巣がんのプラットホーム、LINEアカウントが開設
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がん患者にとって、自分にとって必要な情報を得ることは、何より大きな支えになるでしょう。吉田ゆりさんは自身の経験を振り返りながら、「知識がなくても理解しやすい情報や、医師監修の信頼できる情報にアクセスできるように、ワンストップで情報提供するツールを整えることが必要」と言います。
医薬品会社アストラゼネカでは、こうした患者に向けての支援として、LINEアカウント「わかる卵巣がん」を開設。卵巣がんの治療にまつわる情報、患者の体験談の共有、患者からの質問に答えるチャット機能などを備え、治療や治療中の生活に役立つさまざまな情報を受け取ることができます。(お友だち登録はこちら)
卵巣がんへの意識を高め、情報に触れる機会を増やそう
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イベントでは、実際に卵巣がんを経験した人からこんなメッセージも寄せられました。
「何か異変があったら躊躇せず婦人科を受診することが大事」
「卵巣がんは検診での発見が難しい。なので、いつもと違う婦人科の症状があったらすぐに受診をして欲しい」
2人に1人ががんになると言われる時代。女性自身が女性特有の卵巣がんのリスクを正しく理解することの大切さを考えさせられます。これを機会に、家族や友人と一緒に、卵巣がんについて話す機会をつくってみるのも良いかもしれませんね。
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