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6月の手紙やメールで使いたい「季節の美しい日本語」

イエモネ / 2022年6月1日 7時0分

iemone.jp

梅雨を迎える6月は、梅雨に関する話題が増えます。日本には、その季節に合った美しいことばがたくさんあるので、手紙やメールに季節を感じることばを使うと、心が和みやさしい気持ちになれるでしょう。そこで、各月に使いたいことばを3つずつ、和文化研究家の三浦康子がご紹介します。6月は「五月雨」「梅雨寒」「短夜」です。



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6月の美しい日本語~五月雨(さみだれ)

「五月雨」は梅雨の異称です。梅雨は何かと大変なので、梅雨といえば憂鬱、うっとうしい、じめじめといったネガティブなことばが続きがちですが、「五月雨」といえば、ことばの響きも手伝い美しい情景に映るでしょう。ことばひとつで雨を見つめる眼差しも変わってくるから不思議ですね。



「五月雨」を「さみだれ」と読むのは、旧暦の五月・皐月の「さ」、水垂れの「みだれ」に由来し、旧暦の五月の頃に降る長雨、つまり梅雨のことをさしています。「さつきあめ」という読み方もありますが、意図的にそう読ませる場合が多いので、ふりがながついていない場合には、一般的に「さみだれ」と読みます。



また、梅雨の雨が降ったり止んだりする様子になぞらえ、五月雨は物事が一度で終わらず断続的に続くことのたとえにもなっています。とくによく使われるのは「式」をつけた「五月雨式」という表現です。例えば、一度で終わらず何度も追加するかたちで連絡していることを詫びる意味で「五月雨式ですみません」、一度に全てを行うのではなく準備ができた部分から進めるときに「五月雨式で進めていきましょう」などといいます。いずれも、柔らかなことばの響きが、ともすると不愉快になりがちな相手の気持ちを和らげてくれるでしょう。




<例文>

五月雨の午後、濡れる紫陽花の葉にかたつむりを見つけました。五月雨式で申し訳ございませんが、先ほどの資料をお送りいたします。五月雨式で結構ですので、メールでご報告願います。


6月の美しい日本語~梅雨寒(つゆざむ)



「梅雨寒」とは梅雨時に訪れる季節はずれの寒さのことで、「梅雨冷え」ともいいます。一時的に冷え込むとこともあれば、長く続くこともあります。



6月は衣がえをして夏服に切り替わる時期ですが、梅雨寒のため慌てて上着を出すことも少なくありません。梅雨の蒸し暑さから一転するので、天気の話題や相手の健康を気遣うときによく使われることばです。




<例文>

この梅雨寒で、しまったばかりの上着をひっぱり出しました。梅雨寒で体調を崩さないよう気をつけてください。梅雨寒の折、御身おいといくださいませ。


6月の美しい日本語~短夜(みじかよ)



夜の長さは、季節のめぐりとともに変化します。昼と夜の長さがほぼ同じになる春分(3月21日頃)から昼の時間が長くなり、夏至(6月21日頃)にいたると最も夜が短くなります。「短夜」は夏の短い夜をさし、その短さやはかなさを惜しむ気持ちが込められています。夏の短夜の反対が秋の「夜長」です。



平安時代、貴族たちは短夜をいつくしみ、蛍狩りを愉しんだそう。清少納言も、「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」と『枕草子』の冒頭で綴っています。



なお、短夜は夏の季語ですが、時候の挨拶として使う場合には、夏至のころの6月下旬が適切です。




<例文>

短夜の候、いかがお過ごしでしょうか。夏至を過ぎ、キャンドルを灯して短夜を愉しむようになりました。早起きの私は、夜明けの早さに短夜を実感しています。


日頃からお天気を話題にする国だからこそ、季節を表す美しい日本語を役立ててみてください。



[All Photos by shutterstock.com]



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