ごぼうの冷凍保存法は?アク抜きは必要?【専門家監修】
イエモネ / 2023年4月7日 8時0分
食物繊維が豊富なごぼうは、腸内環境の改善やアンチエイジング効果などが期待できるので、積極的に取り入れたい食材です。とはいえ、2〜3本入りで購入したものの使い切れず、野菜室でしなしなになっていた……なんて人も多いのではないでしょうか。じつは、ごぼうは冷凍しても食感がほぼ変わらないので、冷凍保存がおすすめ。冷凍保存の方法、栄養、アク抜きの必要性や方法などについて紹介します。
【特徴】食用にしている国はわずか。春〜初夏に採れるのは「新ごぼう」
ごぼうはキク科ゴボウ属の野菜。原産はユーラシア大陸北部で、ヨーロッパからアジアにかけて広く分布していたとされています。
日本へは平安時代に中国から薬草として伝来したとされていますが、縄文時代の遺跡からごぼうの種が発見されるなど、もっと古くから栽培されていたようです。しかし、世界を見渡してもごぼうを食用にしている国は日本を含めてごくわずか。近年では健康ブームの高まりで、中国や台湾、韓国などでも食べられるようになったようです。
主な産地は青森県、茨城県、北海道、宮崎県など。秋〜冬に収穫して貯蔵されたものが1年中出回っています。
一方、冬の間はトンネルなどで霜を避けて栽培し、3〜6月に収穫するのが「新ごぼう」。秋冬に収穫したものより香りがよく、やわらかくてアクが少ないのが特徴です。
【選び方】太さが均一で、先端が緩やかに細くなっているもの
直径1.5〜2cm程度で太さがほぼ均一でまっすぐ伸び、先端にいくにつれて緩やかに細くなっているものが良品。加えて、適度に弾力があるもの、ひげ根の少ないものを選んでください。
持ったときに軽いと感じるもの、切り口が黒ずんでいるもの、表面にヒビやシワがあるものは古い可能性大。また、太すぎるものはス(空洞)が入っていることがあるので避けましょう。
泥付きのものと洗われてあるものがありますが、泥付きのほうが風味がよく、日持ちもします。香りを重視したいときや、すぐに使わないときは泥付きを選ぶとよいでしょう。
【保存】洗ったものは2〜3日、泥付きは1〜2週間保存可能。冷凍が便利
洗ってあるものは乾燥を防ぐためにピッタリとラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存を。2〜3日を目安に使い切ってください。
泥付きのものは、新聞紙で包んで冷暗所に立てて保存を。傷がなければ1〜2週間程度保存可能です。ただし暑い時期は傷みやすいので、泥を落として適当な長さに切り、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存した方が無難。この場合も2〜3日を目安に使い切りましょう。
それ以上保存したいときは冷凍保存がおすすめ。冷凍すると独特の香りはやや減少しますが、シャキシャキとした食感は残ります。
冷凍するときは、ささがき、乱切り、千切り、輪切りなど使いやすい形状に切り、水にさっとさらします。水気をしっかり拭き取り、使いやすい分量で小分けにしてラップで包んだら、冷凍用保存袋へ。約1カ月保存可能です。
使うときは、凍ったまま鍋などに入れて加熱を。炒め物、煮物、汁物などに使いましょう。
【栄養・効果】食物繊維が特に豊富。腸内環境改善に効果
ごぼうの可食部100gあたりのエネルギーは58kcal。野菜の中でも食物繊維が特に豊富で、水溶性と不溶性のどちらも含んでいます。
水溶性食物繊維のイヌリンは糖の吸収を抑制し血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病予防に効果的。不溶性食物繊維のリグニンは腸の動きを助け、便秘解消に役立ちます。腸内環境を改善したい方はぜひ食事に取り入れたいですね。
ごぼうの独特の香りや味わいはポリフェノールによるもの。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、生活習慣病やがんの予防、アンチエイジング効果が期待されます。アク抜きで水にさらしすぎるとポリフェノールも流れ出てしまうので、えぐみが気にならなければアク抜きは不要。気になる場合も2〜3分程度にしましょう。
【食べ方】皮はこそげ落とす程度で。アク抜きはしなくてもOK
ごぼうはきんぴらなどの炒め物、筑前煮などの煮物、豚汁や鍋物の具材、サラダ、チップスなど、さまざまな加熱調理に向いています。
ごぼうの魅力である香りや風味は、皮付近に豊富に含まれています。調理するときは泥や汚れをたわしなどで洗い、包丁の背で皮の表面をこそげ落とす程度にするのがおすすめです。
ごぼうの繊維は縦に入っているので、シャキシャキの食感を楽しみたいときは千切りに、やわらかい方が良ければささがきや斜め切りにするなど、料理によって切り方を変えましょう。
「ごぼうはアク抜きが必須」というイメージがあるかもしれませんが、ポリフェノールなどの成分や、独特のうまみをしっかり享受したいなら、アク抜きせずにそのまま調理してOK。ただし、切ってから時間が経つと変色してしまうので、すぐに加熱調理してください。
アク抜きする場合は、料理に合わせてカットしてから、えぐみが気になるなら水に、白い色を保ちたいなら酢水にさらして。いずれの場合も、長時間さらすと栄養素やうまみが逃げてしまうので、2〜3分にとどめましょう。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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