パイナップルの簡単な切り方は?栄養や保存法も【専門家監修】
イエモネ / 2023年4月2日 12時34分
甘酸っぱくてジューシーなパイナップル。カット済みなら手軽に食べられますが、丸ごと1個買うには選び方も切り方もよくわからないし、皮はかたそうだし、ハードルが高いですよね。この記事では、そんなパイナップル初心者が知っておくと役立つ基礎知識をまるっと紹介。食べ頃パイナップルの選び方、切り方、冷蔵&冷凍方法、栄養などを知れば、パイナップルが身近な果物になりますよ。
【特徴】大半がフィリピンからの輸入品。沖縄産は5〜8月に出回る
パイナップルはパイナップル科の果物。原産はブラジルを中心とした南アメリカで、大航海時代にコロンブスによってヨーロッパ方面に伝播。日本には江戸時代末期にオランダ船によって持ち込まれたそうで、1930年頃から本格的に栽培されるようになりました。
パイナップル(pineapple)という名前は、果実の形が松かさ(パイン/pine)に似ていて、りんご(アップル/apple)のような甘みがあることからついたそうです。
パイナップルは温暖な気候でないと育たないため、日本では沖縄県などの一部の地域で作られるのみ。国産品は5〜8月頃にわずかに出回ります。
現在流通しているパイナップルの大部分は輸入品。フィリピン産が8割以上で、1年通して安定して流通しています。
また、2021年には中国が台湾産パイナップルを輸入禁止にしたため、日本への流通量が急増しました。台湾産はフィリピン産より少し高価ですが、芯まで甘いので人気です。
【選び方】下半分がふっくらしたものが良品。香りや重さも確認を
パイナップルは追熟するイメージがあるかもしれませんが、時間を置いても追熟しません。それは、時間が経つと甘みに変化するデンプンの含有量が少ないから。購入の時点で、できるだけ完熟している甘そうなものを選ぶことがポイントです。
形は全体的に丸みがあり、上半分よりも下半分がふっくらとした形のものが良品です。同じ大きさなら、重いほうが果汁は多め。全体が緑色のものよりも、少しでも黄色みがかかっているほうが甘い確率が高いでしょう。表皮から甘い香りがして、お尻の部分にやわらかさを感じれば完熟のサインです。
葉は濃い緑色で、葉も表皮もツヤがあるものを選んで。葉が枯れていたり、表皮が乾燥したりしているものは避けましょう。
【保存】追熟しないので早めに食べて。冷凍保存もおすすめ
購入後は早めに食べましょう。乾燥を防ぐために全体を新聞紙で包んで冷蔵庫の野菜室へ。3〜4日以内に食べ切るようにしましょう。葉が長くて野菜室に入らない場合は、葉を1cm程度残してカットしても大丈夫です。
皮付きのまま半分や1/4にカットされているものは、2〜3日以内に食べ切りたいところ。皮はむかずにカット面が乾燥しないようにピッタリとラップをし、ポリ袋に入れて野菜室で保存してください。
それ以上保存したい場合は冷凍保存がおすすめ。一口サイズにカットし、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍してください。約1カ月保存可能です。
食べるときは凍ったままアイスのように食べてもよし、半解凍してシャーベットのような食感を楽しんでもよし。そのまま食べても、ヨーグルトやアイスに添えてもおいしくいただけます。
【食べ方】よく冷えたものをカットして食べるのが一番!
パイナップルの甘くてジューシーな味を楽しむなら、よく冷えたものをカットしてそのまま食べるのが一番。葉に近い上部は甘みが弱く、下に行くほど甘みが強くなっていきます。
■パイナップルの切り方
1.パイナップルを寝かせ、葉の付け根とお尻の部分を2cm程度切り落とす。
2.断面が上下になるように置き、縦8等分に切る。
3.中央にある白い芯の部分を切り落とす。
4.皮に沿って包丁を入れ、皮と果肉を切り離す。
5.食べやすい大きさに切り分ける。
そのまま食べる以外には、凍らせてシャーベットにしたり、スムージーにしたり。酢豚やチャーハンなどに加えてもいいですね。
肉の下味にすりおろしたパイナップルを使うのもおすすめ。「ブロメライン」というタンパク質分解酵素の働きで肉がやわらかくなりますし、パイナップルの酸味と甘味が隠し味にもなりますよ。
ちなみに、ブロメラインはゼラチンの働きを阻害するので、生のパイナップルでゼリーやムースを作ろうとするとうまく固まりません。生のパイナップルでゼラチンを使ったスイーツを作りたいときは、熱を加えて酵素の働きを抑えることが必要です。
【栄養・効果】骨の増強、疲労回復、消化を促進する効果が
パイナップルの可食部100gあたりのエネルギーは54kcal。骨や関節を強くして血液の生成にも役立つマンガン、疲労回復効果が期待できるビタミンB1などが豊富です。
また、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素「ブロメライン」には、胃液分泌を活性化させ、消化を促進させる働きがあります。ブロメラインは熱に弱いので、効果を十分に得たい場合は生でいただくか、加熱は短時間にしましょう。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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