キウイフルーツの栄養や効果は? 長く楽しむ保存方法も【専門家監修】
イエモネ / 2023年6月2日 10時0分
キウイフルーツは酸味と甘味のバランスが絶妙。果物の中ではリーズナブルなうえに、栄養価もとても高く、ビタミンC、食物繊維、カリウムが特に豊富です。加えてたんぱく質分解酵素「アクチニジン」には消化を促進して胃もたれを予防する効果も。キウイフルーツは追熟するので、未熟なかたい状態のものを大量入手したときの保存&追熟テクニックも紹介します。
【特徴】原産は中国。11〜4月ごろには国産も出回る
キウイフルーツはマタタビ科の果物です。原産地は中国ですが、ニュージーランドに渡って品種改良が行われ、現在出回っている多くの品種が誕生。果皮の茶色や表面にある産毛、丸いフォルムが、ニュージーランドの国鳥「キウイ」と似ていることからその名が付けられたと言われています。
日本へはニュージーランドから1960年代に伝わり、栽培が始まりました。主に福岡県、愛媛県、和歌山県などで生産が盛んで、11〜4月ごろに国産が出回ります。4〜12月ごろには主にニュージーランドからの輸入ものが出回るため、1年通して入手することができます。
現在は果肉が緑色の「グリーンキウイ」と、黄色の「ゴールドキウイ」の2種類が主流。グリーンキウイは果肉がかたく、すっきりとした酸味が特徴。ゴールドキウイは果肉がやわらかく、強い甘みが特徴です。
【選び方】かすかに弾力を感じるくらいが食べ頃
形はふっくらと丸みがある、きれいな楕円形のものが良品。持ったときにずっしり重いものは果汁が豊富な証拠です。
グリーンキウイは表面の産毛が全体的にしっかりと付いているもの、ゴールドキウイは基本的に産毛がないので果皮のなめらかなものを選んで。果皮の色はどちらも濃いめよりも明るい薄茶色のほうが良いとされています。
また、キウイフルーツは追熟するので、すぐに食べるなら完熟しているもの、そうでないなら完熟前のものを選びましょう。
果肉を優しく触って、かすかに弾力を感じるくらいが食べ頃のサイン。かたさを感じるものは未熟なので、数日の追熟期間が必要です。全体的にやわらかさを感じるものは完熟を過ぎているので注意しましょう。
触るときに強く押すと傷みの原因になるので、くれぐれも優しく触ってください。
【保存】常温で追熟させて、食べ頃になったら冷蔵or冷凍を
未熟なかたいものを購入したときは、食べる前にポリ袋に入れた状態で涼しい場所に置いて追熟を。購入時の状態や保存場所の環境で差がありますが、2〜3日くらいで完熟になります。スピードアップさせたいときは、バナナかリンゴと一緒にポリ袋に入れて常温保存を。それらが発する「エチレン」の効果で追熟が早まります。
完熟したものをすぐに食べないときは、キウイフルーツをポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存を。1週間を目処に食べるようにしましょう。
完熟したものを長期保存したいときは冷凍保存も便利。丸ごと冷凍する方法とカットして冷凍する方法があり、どちらも約1カ月保存可能です。
丸ごと冷凍するときは、キウイフルーツを洗って水気をしっかり拭き、冷凍用保存袋に入れて空気を抜いて冷凍を。食べるときは表面を水で濡らすと手で皮がむけます。
カットして冷凍するときは、皮をむいて輪切りなどの使いやすい大きさにカットし、重ならないように冷凍用保存袋に入れて冷凍を。好みの型で型抜きをしてから冷凍するのもおすすめです。
どちらの方法でも好みのかたさまで解凍してから、そのまま食べたり、スムージーやジュースに入れたり、ヨーグルトやアイスに添えたりしていただきましょう。
【栄養・効果】ビタミンCが特に豊富。胃もたれの解消に
キウイフルーツの可食部100gあたりのエネルギーは、緑肉腫(グリーンキウイ)が51kcal、黄肉腫(ゴールドキウイ)が63 kcalです。
抗酸化作用や免疫力を高める働きのあるビタミンC、腸の働きを助けて便秘予防が期待できる食物繊維、ナトリウムを排出して高血圧予防に役立つカリウムが特に豊富。グリーンキウイとゴールドキウイの栄養素を比較すると、グリーンキウイは食物繊維、ゴールドキウイはビタミンCがより多く含まれています。
また、「アクチニジン」というたんぱく質分解酵素が含まれているのも特徴のひとつです。アクチニジンは消化を促す働きがあるので、胃もたれの解消や予防に効果的。食事を「ちょっと食べすぎたかな」というときのデザートにもおすすめです。
【食べ方】シリアル、サラダに加えて。肉をやわらかくする作用も
キウイフルーツのフレッシュな酸味や甘みを味わうなら、そのまま食べるのがベスト。半分に切ってスプーンですくうか、皮をむいて輪切りや半月切りにすると食べやすいでしょう。
他には、ヨーグルトやシリアルにトッピングする、スムージーやスイーツにする、サラダに加える、肉料理のソースに使う、などでもおいしくいただけます。
ゼリーやムースなどに使いたいときは要注意。たんぱく質分解酵素「アクチニジン」の働きでゼラチンがうまく固まらないので、キウイフルーツを加熱して、酵素の働きを抑えてから使いましょう。
また、アクチニジンには肉をやわらかくする作用もあります。肉の漬け込みの下味にキウイフルーツの果汁やすりおろしを加えると、しっとりやらわかい仕上がりになりますよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
[All Photos by shutterstock.com]
https://iemone.jp/article/gourmet/hana_420751/
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