【インタビュー】麻生久美子さんが明かす日々の暮らしとおうち時間のこだわりとは?
イエモネ / 2023年8月6日 12時0分
誰もが過ごすおうち時間……今回は、女優の麻生久美子さんにインタビュー。映画『高野豆腐店の春』で、お豆腐屋さんの娘役を務めた麻生さん。毎日のルーティンから、おうちの中の好きな場所、おうち時間でいま一番やりたいことまで。
大豆と水とにがりだけでコツコツ作られるお豆腐のように、淡々とした日々の生活にこそ人々の幸せがある。そんな素敵なメッセージが込められた映画『高野豆腐店の春』(三原光尋監督)が、2023年8月18日(金)より劇場公開されます。
尾道の豆腐店を舞台に、職人気質の頑固な父・高野辰雄と、明るく気立てのいい娘・春の日々の暮らしを描いた物語。春を演じた麻生久美子さんにおうち時間について伺いました。
気立てのいい豆腐屋の看板娘・春の役作り
バツイチの出戻りで、老いた父と二人三脚で稼業の豆腐店を手伝う春は、ご近所さんたちからも愛されるキャラクター。藤竜也さん演じる父とは揺るぎない信頼関係がありますが、ちょっぴり頑固な部分も春はどこか似ているのだとか。麻生さんは「藤さんご自身から醸し出されるキュートな部分も受け継いでいたらいいな」と思いながら演じていたそうです。
――尾道でお豆腐屋さんを営む親子のお話ですが、どのように役作りされたのでしょう?
麻生:撮影前にお豆腐屋さんのお仕事を見学させていただいて。撮影では、実際にお豆腐を作る工程にも少しだけ関わらせていただいたんですが、大きな鍋を使って作る体力仕事で、想像以上に大変なんですよね。
なかでも私が一番驚いたのが、めちゃくちゃ冷たい水の中でお豆腐を切る作業。あまりの水の冷たさで、手がちぎれるかと思いました(笑)。
――麻生さんが春を演じる上でもっともこだわったポイントは?
麻生:藤さんとお芝居をするなかで生まれる空気感を大切にしながら、チャーミングでありつつもコミカルになりすぎないように気を付けました。酔っぱらってお父さんと商店街を歩く場面では、台本にはなかったのですが、私の方から勝手に腕を組ませていただきました。
藤さんは人間的にもすごく尊敬できる方で、どんなときでも自然体。あれほどベテランなのに、偉そうなところは微塵も出さないんです。私はお芝居していないときの藤さんの素のカッコよさにも惹かれたのですが、纏う空気をすぐさま変えられるので、撮影中もお芝居をしている感じがしないんです。
――役柄とご自身が重なる部分や共感する部分はありました?
麻生:私自身はお父さんと暮らしていなかったから、「もしお父さんと暮らせていたらこんな感じだったのかな」と、藤さんを見ながら想像したりもして。ちょっといい時間でした。
日々のルーティン・暮らしのなかで大切にしていること
――毎朝ひと仕事終わった後にお父さんと春が二人で豆乳を飲むシーンが印象深いですが、麻生さんにもルーティンはありますか?
麻生:私は毎朝、豆乳ではなく(笑)、お気に入りのアスティエのマグカップでカフェラテを飲みます。ちゃんとこだわりの豆を挽いてからの、好きな牛乳で作るラテ。あ、全部機械ですけどね(笑)。
あとは、ドライヤーで髪を乾かす時間も好きなんです。それが私の癒しの時間ですね。
――春は、毎朝出勤時に大きな声で「おはようございます!」とお父さんに挨拶したり、一緒にラジオ体操をしたりもしていますが、麻生さんが日々の暮らしのなかで大切にされていることはありますか?
麻生:いくつかあるんですけど、体調が悪いときとかは、すべて気圧のせいにするとか(笑)。
――気圧のせい(笑)。
麻生:ネガティブな状態に陥ったときにポジティブ思考に切り替えるための方法は、自分のなかにいくつかストックしていて。毎日健康で無事に過ごせるだけで、実はすごく幸せなんだなって。当たり前のことにフォーカスを当てると、結構すぐに切り替えられます。
――今あるものに意識を向ける、と。
麻生:そうです。もちろんときにはカーッとなることもありますけど(笑)、そう考えたら大抵のことには目をつぶれます。私、こう見えて結構、心配性なんですよ。「こうなったらどうしよう?」って不安になる分、そうじゃない現実に感謝するのが日常かもしれない。
――映画では、あたたかな人情も描かれますが、麻生さんの目にはどんな風に映りましたか?
麻生:私、ご近所付き合いがすごく好きなんです。家の両隣の方たちと交流があって、一緒にキャンプに行ったり、子どもが「鍵を忘れておうちに入れない!」というときは、お互いに預かったりもします。お庭で採れたカボスを分けてくださったり、いただき物の物々交換なんかもよくしますね(笑)。やっぱり、ご近所付き合いがある方が安心しますよね。
麻生:これからどんどん年を重ねて、自分も春のお父さんと同世代になったときに、支えてくれる人、支えたい人が、私の周りにいてくれるといいなと思いながら、完成した映画を観ていたんです。これは別に恋愛に限ったことだけでなく、「共に支え合って生きていきたい」と思える人が近くにいた方が、「人生楽しく生きられるんだろうな」と思ったりもしましたね。
――ちなみに、本作への出演をきっかけに、お豆腐の選び方が変わったりも……?
麻生:私のなかでのおいしいお豆腐のイメージは、「いいところのっぽい」感じのパッケージに入った絹ごしのお豆腐だったんですが、実はにがりだけで作った木綿のお豆腐の方が、豆の味が濃くておいしいことに気が付きました。
衣裳合わせの際に三原監督がお手製のお豆腐を食べさせてくださったんですが、「今まで私が食べていたお豆腐はなんだったの?」って、お豆腐の概念が覆るくらいの衝撃のおいしさで(笑)。あの日を境に、私のお豆腐観が180度変わりました(笑)。それ以来、多少高かったとしても、原材料をちゃんと見た上で、にがりだけで作った木綿豆腐を買うようになりました。
【一問一答】麻生さんのおうち時間を深掘り!
――では、ここからは麻生さんのおうち時間について、一問一答で深堀りしていければと。おうちの中でお気に入りの場所は?
麻生:私、家の角(かど)っこが好きなので、意外と廊下とかの方が好きかもしれないです(笑)。絨毯敷なので、寝っ転がると気持ちがいいんですよ。いま私の家にソファがないので、寝っ転がれるように2人掛けか、3人掛けの大きなふわふわしたソファが欲しいです。
――どんな家具やインテリアが好きですか?
麻生:デザイン性が高いものよりも、どちらかといえばシンプルで、質のいいものを選ぶようにしています。安さを理由に買ってしまうと結局長持ちしなくてもったいないですし、好きなものをできるだけ長く使いたい。
――おうちでリラックスするときに欠かせないアイテムは?
麻生:家にいるときは、必ずお気に入りのアスティエのお香を焚きます。香りはすごく大事ですね。好きなアロマオイルも常に持ち歩いています。リラックスしたいときはApple Musicで「ホテルのジャズ」と検索して音楽をかけたりしますけど、本当に疲れ果てているときは、「自律神経」とかのワードで検索して、お風呂の中でも音楽を流しています。いたって普通です(笑)。
――「自律神経」で検索とは、最高です(笑)。お風呂のなかでのルーティンもあったりします?
麻生:私、コピーした台本をお風呂のなかに持ち込んで、湯船に浸かりながらセリフを覚えるんです。壁に水滴がついているから、紙がピタッとくっつくじゃないですか。しかも、意外と再生するんですよ。乾かせば3日、4日は全然大丈夫(笑)。破れる頃には覚えています。
――今ハマっている健康法は?
麻生:昔から「冷え取り」は続けているんですが、「子どもが大きくなるまではまだまだ死ねないな」と思って、健康にも気を付けるようになりました。身体を作っているのは食べ物なので、やっぱり食には一番気を遣うかな。
とはいえ、どんなものが入っているか分からないこともあるし、多少添加物が入っていたとしても、それが食べたければ私は食べるんですよ。「身体に悪そうだから食べない」とかは、あまりないです。食べる量に気をつけるとか食べる時間に気をつけるとか。そういうことはします。
――調整しながらプラマイゼロにする?
麻生:定期的にファスティングでデトックスして、身体の中から毒素を排出する感じですね。あとは、最近はファスティングの準備食でお豆腐料理もよく作っています。玉ねぎと生姜をニンニクとごま油で炒めて、冷たいお豆腐の上にバサっとかけて。さらにごま油をタラ~っとかけて、塩をパラパラっとすれば完成です。適当に作った割にはめちゃくちゃおいしかったです(笑)。
――では最後の質問です。もし自由に使えるおうち時間があったら、何をしたいですか?
麻生:それこそ、クーラーの効いた部屋で、誰にも邪魔されずにずーっと漫画を読んでいられたら最高です(笑)。いまの私には贅沢すぎて、そんなことは絶対にできないんですが……いま私が一番したいのは、それ! 数時間なら叶うかもしれないですが、時間を置くと前回のストーリーをすぐ忘れちゃうので、まとまった時間があるときに一気に読みたいんです。
――素敵なお話をありがとうございました! とっても親近感が湧きました(笑)。
『高野豆腐店の春』
©︎2023「高野豆腐店の春」製作委員会
配給:東京テアトル
写真/安岡花野子
取材・文/渡邊玲子
ヘアメイク/ナライユミ
スタイリスト/井阪恵(dynamic)
https://iemone.jp/article/lifestyle/sweetsholic_56599/
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