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山椒の実の使い方は?佃煮や山椒味噌のレシピも【専門家監修】

イエモネ / 2023年8月6日 7時30分

iemone.jp

山椒と聞くと「粉末をうなぎにかける」というイメージがある人も多いはず。しかし、山椒は春先に採れる「木の芽」と呼ばれる葉や、初夏に収穫される実も楽しむことができるんです。この記事では、山椒の葉や実の選び方、保存方法、食べ方などを紹介。味や香りのアクセントになるだけでなく、食欲増進や冷え性対策にも役立ちますよ。



【特徴】葉、実、果皮を春〜秋まで楽しめる



山椒はミカン科の落葉樹で、樹木全体に特有の香りを持っています。原産は日本や中国などの東アジアや北アメリカ。日本各地の山野に自生しており、古くから食用や薬用に使用されていました。

春先の3〜5月ごろに付ける若葉は「木の芽」と呼ばれます。主に料亭などで料理のあしらいに使われる高級食材です。

初夏の6〜7月ごろに成る未熟な緑色の実は「青山椒」「実山椒」と呼ばれ、葉も実も、佃煮などの加工品に利用されています。

粉山椒は、秋になって完熟した実の外皮を乾燥させてから粉末にしたもの。11月ごろが旬となります。

山椒の主な産地は和歌山県。葉も実も流通量は少ないですが、旬の時期はスーパーなどにも出回ります。旬は短いですが、常備食に加工したり、冷凍保存したりすることで長期にわたって楽しめますよ。



【選び方】木の芽は小ぶりで薄緑色のもの、実は小粒でハリのあるものを



木の芽はみずみずしくつやのあるもの、小ぶりで薄い緑色のものが良品。大きいものは生長が進んで固くなり、香りが弱くなっている可能性があります。

実は鮮やかな緑色で、小粒でふっくらとハリがあるものが良品。小枝が変色していないかも確認してください。



【保存】実は下茹でしてから冷凍するのがおすすめ





木の芽は湿らせたペーパータオルで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すれば4〜5日程度保存OK

もっと日持ちさせたい場合は冷凍保存もできます。木の芽を洗って水気を拭き取り、使いやすい量で小分けにしてラップをしてから冷凍用保存袋へ。約1カ月保存可能です。

使うときはそのままうなぎや吸い物などに添えたり、山椒味噌や佃煮を作ったりできます。

山椒の実は生のまま冷蔵しておくと風味がどんどん低下してしまうので、入手したらなるべく早く下茹でするのがおすすめ下茹ですれば冷蔵保存で1週間程度、冷凍保存で約6カ月保存可能です。

小枝を取り除き、塩を加えたたっぷりの湯で実を指で潰せるくらいのやわらかさになるまで茹でます。その後、冷水にさらして辛みを和らげ、ザルに上げてペーパータオルで水気を拭き取ります。冷蔵する場合は保存容器へ、冷凍する場合は冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍しましょう。

冷凍したものはそのまま佃煮や醤油漬けなどを作るときに使えます。



【食べ方】実は醤油漬け、佃煮、山椒味噌、ちりめん山椒に



山椒はピリリとしびれるような辛味に加え、さわやかな香りがあるのも魅力。粉末のものが最も入手しやすく、うなぎの蒲焼きや焼き鳥、麻婆豆腐などの風味付けに使うことが多いでしょう。

山椒の葉を入手したときには、うなぎ、炊き込みご飯、おでん、吸い物、寿司などに添えて、彩りと香りを加えて。使う前に手のひらに載せて軽く叩くと、香りが立ちやすくなりますよ

山椒の実を入手したときには、醤油漬け、佃煮、山椒味噌、ちりめん山椒などを作ってみて。いずれも保存がきき、ご飯のお供やおかずの風味付け、冷奴の薬味などに使えて便利です。

■醤油漬け
清潔な保存瓶に下茹でした山椒の実と醤油を加え、1週間程度漬け込む。1日1回瓶の上下を返すと、味がよくなじみます。1カ月〜半年を目安に食べ切るようにしましょう。

■佃煮
鍋に下茹でした山椒の実と醤油、砂糖、酒を入れ、煮汁がなくなるまで弱火で煮込む。清潔な保存容器で約2週間保存可能です。

■山椒味噌
鍋に味噌、砂糖を加えてよく混ぜ、ひと煮立ちさせる。下茹でした山椒の実(粗みじんやすりつぶしてもOK)を加えて中火にかけ、焦げないように混ぜながら2〜3分煮詰める。清潔な保存容器で約2週間保存可能です。

■ちりめん山椒
鍋に酒、みりん、醤油を入れてひと煮立ちさせ、ちりめんじゃこを加えて2分程度煮る。下茹でした山椒の実を加え、煮汁がなくなるまで煮る。清潔な保存容器で約2週間保存可能です。



【栄養・効果】食欲増進、冷え性対策、食中毒予防に



山椒(粉山椒)の可食部100gあたりのエネルギーは375kcal。余分なナトリウムを排出して高血圧予防に役立つカリウム、骨の形成に欠かせないカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類が多く含まれています。

山椒の辛味は、辛味成分「サンショオール」によるもの。サンショオールには胃腸の働きを活性化させる作用があるため、消化不良の改善や食欲増進が期待できます。また、代謝を上げて血流を良くする作用もあるため、冷え性対策にも役立ちます

さらに、殺菌、抗菌作用もあり、食中毒予防にも効果的。うなぎに山椒を合わせるのは、臭み消しだけでなく消化促進や食中毒予防にもなるので、理にかなっているといえますね。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



[All Photos by shutterstock.com]






https://iemone.jp/article/gourmet/hana_427382/

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