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サツマイモの人気の種類は? 保存は常温or冷蔵or冷凍?【専門家監修】

イエモネ / 2023年9月11日 7時30分

iemone.jp

ホクホクとした食感や甘みが魅力のサツマイモは、秋の味覚の代表格。おかずやおやつに幅広く活用できて、老若男女に人気ですよね。常温保存できるイメージがありますが、「気づいたら芽が出ていた」という経験のある人もいるのでは? この記事では、サツマイモが長持ちする保存方法、栄養価、近年人気の品種などについて紹介します。



【特徴】食感で「ホクホク系」と「ねっとり系」に大別



サツマイモはヒルガオ科のいも類。原産は中央アメリカで、紀元前から栽培されていたそうです。大航海時代にコロンブスによってヨーロッパに伝播。日本へは17世紀に中国から琉球(沖縄県)を経て薩摩藩(鹿児島県)に伝わりました。やせた土地でも育つため、蘭学者の青木昆陽が飢饉や凶作に備える作物として全国に普及させました。

サツマイモの名称は、栽培が盛んな「薩摩(鹿児島県)」に由来しています。現在でも鹿児島県、千葉県、茨城県、宮崎県などを中心に栽培旬は9〜11月ごろです。

サツマイモは世界で4000品種ほどあり、日本で栽培されているのは約60品種。スーパーなどに出回る青果用のほか、干しいもや菓子などの加工食品用、焼酎などのアルコール用、でん粉原料用など、用途別にさまざまな品種が栽培されています。

青果用は食感によって「ホクホク系」と「ねっとり系」に大別できます。主流は「ベニアズマ」や「高系(こうけい)14号」に代表されるホクホク系ですが、近年は「安納芋(あんのういも)」のようなねっとりとした食感のものも人気です。



サツマイモの主な品種

■ベニアズマ
関東地方を中心とした東日本の代表品種です。皮は濃い赤紫色、中身は鮮やかな黄色、果肉は粉質でホクホクとした食感。焼きいもや天ぷら、きんとんなどに向いています。

■高系14号
中部地方よりも西の地域で主に栽培されるホクホク系の品種です。皮は赤褐色、中身は淡黄色、果肉はやや粉質でねっとり感もあり、甘みも強め。徳島県産の「なると金時」や石川県産の「五郎島金時」もこの系統です。冷めてもおいしいので、焼きいもやお菓子の材料に。

■安納芋
鹿児島県の種子島特産で、「安納紅(あんのうべに)」と「安納こがね」の2品種があります。皮は安納紅が赤褐色、安納こがねが淡黄色。中身はどちらもオレンジ色で、βカロテンが含まれています。サイズが小さめで、強い甘みとねっとりとした食感が特徴。焼きいもで人気の品種です。

■べにはるか
2010年に品種登録された比較的新しい品種で、「食味や形状が既存の品種よりもはるかに優れている」ことが名前の由来です。皮は赤紫色、中身は黄白色、果肉は粘質でねっとりとしていて、強い甘みが特徴。焼きいもはもちろん、干しいもやスイートポテトにするのもおすすめです。

■パープルスイートロード
紫芋の一種で、従来の紫芋よりも甘くおいしく品種改良されたもの。皮は赤紫色、中身は紫色、果肉はやや粉質で甘く、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。焼きいもやふかしいものほか、スイートポテトやアイスなどお菓子の色付けにも使われます。



【選び方】色は鮮やかでムラがなく、中央がふっくらしているもの



皮の色は鮮やかでムラがなく、ハリとツヤがあり、形は中央がふっくらとしているものが良品。また、重量感のあるものや切り口に蜜がしみ出てきているものは、糖度が高いと考えられます。

表面に黒い斑点や傷があるもの、でこぼこしているもの、ひげ根のあるものは繊維が多い可能性があるので避けましょう。



【保存】適温は10〜15度。長期保存したいときは冷凍を



サツマイモは寒いと低温障害を起こし、暑いと発芽してしまいます。

もしも10〜15度程度で風通しの良い場所があれば、そこで保存するのがベスト乾燥を防ぐために新聞紙などで1本ずつ包んで常温保存しましょう。保存環境にもよりますが、3週間程度保存可能です。

そうした保管場所がなければ、冷蔵庫の野菜室へ。ただし野菜室は3〜8度と低温なので、そのまま入れると傷みやすくなります。新聞紙などで1本ずつ包んでから入れ、1週間を目安に使い切りましょう

長期保存したいときは冷凍が便利です。よく洗って水気を拭き取ったサツマイモを使いやすい形状(輪切り、拍子切り、いちょう切りなど)に切り、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍を。約1カ月保存できます。

使うときは凍ったまま鍋に入れ、煮物、スープ、炒め物、揚げ物、炊き込みご飯などにしましょう。

また、使いかけのものは切り口をラップで包み、冷蔵庫の野菜室へ。切り口から変色してしまうので、1〜2日中に使うようにしてください。



【栄養・効果】食物繊維やビタミンCが豊富。便秘予防に



生のサツマイモ(皮付き)の可食部100gあたりのエネルギーは127kcal。主な成分はエネルギー源となるでん粉で、他にも食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます

食物繊維には整腸作用があり、便秘予防に効果的。加えて、切り口からしみ出る乳白色の液体「ヤラピン」にも整腸作用があるとされています。食物繊維は皮付近に多く含まれているので、皮ごといただくのがおすすめです。

また、サツマイモのビタミンCは加熱しても損失が少ないのが特徴です。ただし水には溶けやすいため、アク抜きで水にさらすときは短時間で。煮汁ごと使うスープや煮物、炊き込みご飯は栄養素を効率的に摂取できます。

他にも、果肉が紫色の品種はアントシアニン、オレンジ色の品種はβカロテンを含有。どちらも抗酸化作用があり、アンチエイジングや生活習慣病予防に役立ちます。



【食べ方】焼きいもが定番。おかずだけでなくおやつにも



サツマイモ料理の代表格は「焼きいも」。オーブン、トースター、電子レンジ、フライパン、魚焼きグリルなど、さまざまな調理器具で作れます。

どの調理器具を使う場合でも、低温で時間をかけてじっくり加熱することがポイント。サツマイモのでん粉は、加熱することで一部が糖質に変わって甘みが増します。

焼きいも以外には、ふかしいも、煮物、揚げ物、スープや味噌汁、天ぷら、炊き込みご飯など。主食、主菜、副菜、汁物に加え、スイートポテトや干しいも、ケーキなどのおやつにもできるので、旬の時期にはいろいろなメニューで楽しみたいですね。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



[All Photos by shutterstock.com]




https://iemone.jp/article/gourmet/hana_440326/

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