ヤマイモの栄養や冷凍方法!ステーキや鉄板焼きのレシピも【専門家監修】
イエモネ / 2023年9月12日 7時30分
ヤマイモは、生ではシャキシャキ、すりおろすとネバネバ、加熱するとホクホクと、食感の違いがおもしろいいも類。とろろ、サラダ、和え物、煮物、揚げ物など、幅広い料理で楽しめるのも魅力です。この記事では、ヤマイモの栄養価や保存方法、おつまみにもぴったりなヤマイモのステーキや鉄板焼きのレシピなどを紹介。冷凍保存も活用して、無駄なく使い切りましょう。
【特徴】生食できる唯一のイモ。一般的な種類は「ナガイモ」
ヤマイモは「ヤマノイモ」とも呼ばれる、ヤマノイモ科のいも類です。消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼ)が含まれているため、他のいも類と違い生食できるのが特徴。すりおろしたものを「とろろ」と呼ぶので、「とろろいも」の別名もあります。
ヤマイモの主な種類
ヤマイモは「ナガイモ」「イチョウイモ」「ツクネイモ」「自然薯(じねんじょ)」の4つに分類されます。自然薯は日本原産、それ以外は中国原産とされています。
■ナガイモ
細長い円筒形で、日本で最も栽培されている品種です。北海道、青森県、岩手県などで主に栽培され、春と秋の年2回が収穫期。貯蔵性に優れているため、1年通して流通しています。
■イチョウイモ
イチョウの葉のような形をしたヤマイモ。関東地方で「大和芋(やまといも)」といえばイチョウイモを指します。主な産地は神奈川県や千葉県で、1年通して出回っています。
■ツクネイモ
にぎりこぶしのような球形のヤマイモ。関西地方で「大和芋」といえばツクネイモを指します。主に関西地方で栽培されており、和菓子の材料にも使われています。
■自然薯
ごぼうのような細長い形状で長さは1m程度。粘りが非常に強くうまみが濃いのが特徴です。天然物は希少で、栽培したものも流通量は多くなく価格も高めです。
【選び方】皮にハリがあり、太さは均一でずっしりと重いものを
皮にハリがあって傷がなく、太さが均一で持ったときにずっしりと重いものが良品。切り口が白いものは新鮮な証拠です。
カットしたものを購入するときは、切り口に変色がないかも確認しましょう。
【保存】室温25度以下なら常温保存でOK。冷凍保存もできる
ヤマイモはまるごと1本なら常温保存ができます。乾燥を防ぐために新聞紙で包み、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。保存環境にもよりますが、2週間〜1か月程度保存可能です。
室温が25度以上の時期は、冷蔵庫で保存したほうが安心。新聞紙で包んだものをポリ袋に入れ、野菜室で保存しましょう。2週間程度保存できます。
カット済みのものを購入した場合や使いかけのものは、切り口をラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存を。2〜3日中を目安に使い切るようにしましょう。
それ以上長く保存したいときは冷凍を。用途が決まっているときは面倒な皮むきを一気に済ませ、まとめて冷凍しておくのも便利です。
皮をむいたヤマイモを使いやすい形状(千切り、輪切り、乱切り、すりおろしなど)にし、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍を。約1か月保存可能です。
汁物や煮物、炒め物などの加熱調理に使うときは、凍ったまま鍋に入れてOK。とろろやサラダなど生のまま使うときは、自然解凍しましょう。
【栄養・効果】胃もたれや消化不良の予防には生食がおすすめ
ヤマイモ(ナガイモ)の可食部100gあたりのエネルギーは64kcal。体内の余分なナトリウムを排出して高血圧予防に役立つカリウム、お腹の調子を整え便秘予防に役立つ食物繊維などをバランスよく含み、古くから滋養強壮に利用されています。
また、でんぷん分解酵素である「アミラーゼ」を豊富に含有。アミラーゼには胃腸の働きを促進させ、消化不良や胃もたれの予防にも効果があります。アミラーゼは熱に弱いので、効果を十分に得たいときにはとろろやサラダなど生のままいただくのがおすすめです。
【食べ方】調理法によってさまざまな食感を楽しめる
ヤマイモは調理法によってさまざまな食感を楽しめるのが魅力。生のままだとシャキシャキ食感、加熱するとホクホク食感を味わえます。すりおろしたとろろは、生だと滑らかな舌触りにサラッとした喉ごし、加熱するとふんわりとした食感になります。
生のままなら千切りや拍子切りにして、サラダや酢の物、わさび醤油などで和えると、シャキシャキ食感をより楽しめます。
加熱調理するなら煮物や揚げ物に。おつまみにもピッタリなヤマイモのステーキや鉄板焼きもおすすめです。ステーキはホクホク食感、鉄板焼きはふわふわ食感を楽しめます。
ステーキは厚めの輪切りにしたヤマイモをフライパンに並べてバターで両面に焼き目をつけ、甘辛だれを絡めます。
鉄板焼きはすりおろしたヤマイモに卵としょうゆを加え、油を熱したフライパンに流し込んでふたをして焼きます。仕上げにわけぎ、のり、かつおぶし、マヨネーズ、ソースなどを好みでトッピングしましょう。
とろろは、そばやうどんのトッピングや、だしと混ぜたとろろ汁をご飯にかけてとろろご飯に。お好み焼きやホットケーキの生地に加えて加熱すると、ふんわりとした仕上がりになりますよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
[All Photos by shutterstock.com]
https://iemone.jp/article/gourmet/hana_440343/
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