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栗の簡単な皮のむき方は? 茹で方や保存方法も【専門家監修】

イエモネ / 2023年10月17日 7時30分

iemone.jp

栗は秋を代表する味覚。栗の料理も、栗ご飯、甘露煮、モンブラン、マロングラッセなど、シーズン中に1度は食べたいものばかりですが、いざ自分で一から作るとなると「皮がむきにくい」「むき方がわからない」などハードルが高いですよね。この記事では、栗の選び方、皮のむき方、保存方法などを紹介。お手軽な「茹で栗」のレシピも紹介します。



【特徴】食べる部分は「種」。甘さ控えめな「日本栗」が主流



栗はブナ科クリ属の木の実の一種です。



私たちが食べている黄色い部分は、果肉ではなく「種」。渋皮(しぶかわ)と呼ばれる薄皮も「種」の一部で、その外側にある鬼皮(おにかわ)と呼ばれる茶色いかたい皮が「果肉」。鬼皮を覆うとげとげのイガが「皮」なのです。



栗は中国、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地に自生し、古くから食用とされていました。日本でも縄文時代から栽培が行われていたと考えられています。



栗は「日本栗」「中国栗」「ヨーロッパ栗」「アメリカ栗」の4つに大別されます。日本で主に販売されているのは「日本栗」。他の3つは病気や害虫の被害を受けやすいため、国内ではほとんど栽培されていません。



・栗の主な種類

■日本栗



日本で一般的に販売されている栗。実が大きく風味は良いのですが、甘みは控えめで渋皮がむきにくいのが難点。近年では実が大きく渋皮もむきやすい「ぽろたん」という品種も誕生しています。



■中国栗



「甘栗」と呼ばれる小さめの栗。甘く渋皮がむきやすいので焼き栗に向いていて、「天津甘栗」として販売。日本ではほとんど栽培されていません。



■ヨーロッパ栗



実が小さく渋皮がむきやすいのが特徴。日本ではほとんど栽培されておらず、マロングラッセなどお菓子の材料として輸入されています。



■アメリカ栗



小粒で品質の良い栗でしたが、1900年頃に発生したクリ胴枯(どうがれ)病で壊滅状態に。現在では一部地域で栽培されていますが、日本ではほとんど栽培されていません。





日本栗の主な産地は茨城県や熊本県。旬は9〜10月頃で、低温貯蔵された栗が12月頃まで出回ることもあります。



【選び方】光沢があってふっくらと丸く、粒が大きく重いものを



鬼皮はツヤとハリ、光沢があるものを。形はふっくらとして丸みがあり、粒が大きく、持ったときにずっしりと重いものが良品です。



鬼皮に小さな穴や傷があるもの、黒ずんでいるものは、虫に食われている可能性が高いので避けましょう。



【食べ方】栗ご飯、甘露煮など。水に浸けるとむきやすくなる



栗を使った料理には、栗ご飯、渋皮煮、甘露煮、栗きんとんなどがありますが、「皮がむきにくい」「むき方がわからない」などの理由で一から作ったことがない人も多いのでは。



皮は生のままだとむきにくいですが、水に1時間〜一晩浸けることで皮がやわらかくなってむきやすくなります時間がないときは熱湯に5〜10分程度浸けるのでもOK。もしも虫がいれば水に浸けると出てくるので、虫の除去もできます。





■簡単な栗のむき方

1.栗を熱湯に5〜10分浸ける。



2.栗のおしり(ゴツゴツしたかたい部分)を切り落とす。



3.切り落とした部分から栗の先端(尖った部分)に向かって、手か包丁で鬼皮をむく。



4.包丁で渋皮をむく。





「2で栗のおしりを切り落とすのはもったいない」という人は、栗のおしりに包丁のあご(柄に一番近い刃の直角の部分)で切り込みを入れ、切り込みから先端に向かって包丁でむいてください。



【茹で方】鬼皮ごと茹でてOK。食べるときも皮むき不要でお手軽



栗を使ったレシピはさまざまありますが、「茹で栗」もおすすめ。鬼皮付きで茹で、食べるときは鬼皮ごと縦半分に切ってスプーンですくって食べられるので、皮をむく手間がかからずお手軽ですよ



■栗の茹で方



1.鍋に栗(鬼皮付き)、栗がかぶるくらいの水を入れ、中火で火にかける。



2.沸騰したら弱火にし、50〜60分茹でる。



3.ザルに上げて粗熱を取る。





栗を茹でるだけなので、栗本来の味を存分に楽しめますね。水に対して1%程度の塩を加えて茹でると、甘みをより引き立たせることもできますよ。



【保存】常温保存はNG。皮付きで生のまま冷蔵or冷凍が便利



栗はかたい鬼皮で包まれているので常温保存できそうですが、水分が蒸発して風味が落ちてしまうのでNG。すぐに食べない場合は冷蔵or冷凍保存しましょう



1週間以内に食べるなら、冷蔵保存がおすすめ。栗は低温で3〜4日寝かせると糖度が増します。栗を水洗いして水気をしっかり拭き取り、新聞紙やペーパータオルで包んでポリ袋へ。野菜室より低温のチルド室で保存しましょう。また、保存中に新聞紙が湿っていたら交換してください。



それ以上持たせたい場合は冷凍しましょう。皮付きor皮なし、生のままor茹でてからなど冷凍方法はいろいろありますが、「皮付きで生のまま冷凍」がお手軽。2カ月程度保存可能です。



栗を水洗いして水気をしっかり拭き取り、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍を。茹で栗にするときは、凍ったまま熱湯で茹でてください。栗ご飯や甘露煮にするときは、熱湯に5〜10分程度浸けて解凍してから使いましょう。



【栄養・効果】栗のビタミンCは加熱しても壊れにくい



栗(日本栗/ゆで)の可食部100gあたりのエネルギーは152kcal。主成分はでんぷんで、エネルギー源として活用できます。



他には肌や粘膜を健康に保つ働きのあるビタミンC、便秘を解消し腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれ、体内の余分なナトリウムを排出しむくみや高血圧の予防に役立つカリウム、造血作用で貧血予防に役立つ葉酸なども含んでいます。



ビタミンCは一般的には熱に弱いとされていますが、栗のビタミンCはでんぷんに包まれているため加熱しても壊れにくいのが特長です。



また、渋皮に含まれる渋み味成分「タンニン」には抗酸化作用があり、老化やがんの予防が期待されています。効果を十分に得たいときは、渋皮煮など渋皮付きでいただくのがおすすめです。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



[All Photos by shutterstock.com]


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