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コンニャクにアク抜きは必要?保存方法や栄養も【専門家監修】

イエモネ / 2023年12月23日 7時30分

iemone.jp

コンニャクは煮物、鍋物、汁物、炒め物、和え物など、幅広い料理に使える食材。低エネルギーで食物繊維も豊富なので積極的に摂取したいところですが、「アク抜きしたほうがいいのかわからない」「1袋買っても全部使い切れなくて困る」などで敬遠していませんか。この記事では、コンニャクのアク抜きの必要性や手順、余ったときの保存方法、敢えて冷凍して食感を変える食べ方などを紹介します。



【特徴】コンニャクイモの加工食品。種類もいろいろ



コンニャクとは、サトイモ科の「コンニャクイモ」の球根を原料とする加工食品。コンニャクイモの原産はインドシナ半島といわれ、東南アジアにはコンニャクイモの仲間が数多く自生しています。



日本へは縄文時代に中国から伝わったとされ、平安時代には食用に。江戸時代には「お腹の砂おろし」と呼ばれ、冬至や大掃除の後に体を清める目的で食べられるようになりました



コンニャクイモはジャガイモなどと同じくタネイモから増やすのですが、コンニャク作りに適した大きさに生長するまで3〜5年かかります。また、低温に弱く腐りやすいので、秋に収穫したものを翌春に植えるまでの保管も難しく、とても手間のかかる作物です。



コンニャクの全国生産量の約9割は群馬県。他には栃木県、茨城県、福島県などでも生産されています。



コンニャクイモからコンニャクを作るには、まずコンニャクイモを薄くスライスして乾燥させ、粉末状の精粉(せいこ)にします。そして精粉に湯を加えて混ぜ、石灰水や水酸化カリウムを加えてこねて型に流し込むと、よく目にする四角い「板コンニャク」になります。



・コンニャクの主な種類

■板コンニャク



最もポピュラーな四角い板状のコンニャク。本来は白いのですが、海藻粉末を混ぜて黒っぽくしたものも。料理の用途に合わせて切り方を変えることができ、おでんや煮物などに適しています。



■糸コンニャク(しらたき)



ひも状に凝固させたコンニャク。短時間で味が馴染むため、すき焼きなどの鍋物、肉じゃが、和え物に向いています。パスタの代用にも使われます。



■玉コンニャク



四角く成型せず、丸めて玉状にしたコンニャク。白のほか、海苔や黒唐辛子を混ぜたカラフルなものもあります。煮物やおでんなどの鍋物に向いています。



■刺し身コンニャク



板状で水分が多く、熱を加えずにそのまま食べられるコンニャク。わさびじょうゆや酢みそをつけて食べるほか、サラダや和え物にも向いています。



■生イモコンニャク



精粉からではなく、生のコンニャクイモから作ったコンニャク。コンニャクイモの収穫期である10〜1月の期間に出回ります。コンニャクイモの皮が入っているため色が黒く、独特の食感が特徴。用途は板こんにゃくと同じです。



一般的にコンニャクというと「板コンニャク」を指します



【選び方】使い切れる賞味期限内のものを、用途に合わせて種類を選んで



スーパーなどでは袋に密閉された状態で品質管理されているので、賞味期限を確認すればOK。賞味期限は製造日によって1〜3か月ほど開きがあることもあるので、使い切る予定の期限内のものを選びましょう



アク抜き(後述)の手間をかけたくないときは、「アク抜き不要」と明記されているものを選ぶと安心です。



【栄養・効果】便秘解消、大腸がんや生活習慣病の予防に



コンニャク100gあたりのエネルギーは5kcal、糸コンニャクは7kcal。成分の約97%は水分で、残りのほとんどは「グルコマンナン」と呼ばれる食物繊維の一種です。



コンニャクが「お腹の砂おろし」「胃のほうき」と呼ばれるのは、グルコマンナンに腸内で膨張して有害物質を排出する作用があるから。便秘解消や大腸がん予防に加え、腸内環境を整えて血糖値やコレステロール値を抑える働きもあり、生活習慣病予防にも役立ちます



他には、骨の形成を助けて骨粗しょう症予防に役立つカルシウム、体内の余分なナトリウムを排出して高血圧を予防するカリウム、美肌効果のあるセラミドなども少量ながら含まれています。



【食べ方】煮物、鍋物、炒め物に。アク抜きで味染みも良くなる



コンニャクは筑前煮などの煮物、おでんなどの鍋物、豚汁などの汁物、炒め物、和え物、炊き込みご飯、田楽など、幅広い料理に使える食材です。



パッケージに「アク抜き不要」と記載されている場合は水洗いだけで利用できますが、そうした記載がない場合や、えぐみやにおいが気になるときは、調理前にアク抜きをしましょう。



アク抜きすると、えぐみやにおいが取れるだけでなく、味も染み込みやすくなります。アク抜きの方法は、作る料理によって選んでください。



・アク抜きの方法

■茹でる



熱湯でさっと茹で、ザルに上げて水気を切ります。どの料理にも向いています。



■叩く



水気を拭き取ったコンニャクを乾いたまな板に置き、塩を全体に振ってめん棒で叩きます。水気が出てきたら洗い流しましょう。煮物や汁物など、味を染み込ませたい料理に向いています。



■煎る



使う大きさに切ったコンニャクを鍋に入れ、中火でかき混ぜながら乾煎りします。水分と一緒にアクが出て、身が締まります。歯ごたえが良くなるので、食感を活かしたい煮物、和え物、炒め物に。



【保存】開封後は袋の水と一緒に冷蔵保存。冷凍すると新食感に



未開封なら記載の賞味期限まで保存できます。パッケージの記載に従って保存しましょう。



開封後に使い切れなかった分は、袋に入っていた水と一緒に保存容器に入れて冷蔵保存を。この水には殺菌作用があるため、3週間程度保存できます。



水を捨ててしまった場合は水道水でもOK。この場合は2〜3日ごとに水道水を替え、1週間を目安に使い切るようにしましょう。



どちらの方法も、水が濁ったり異臭がしたりしたら傷んでいる可能性があるので食べないでください。



コンニャクは冷凍すると水分が抜けて空気の穴がたくさんでき、かたいスポンジのような食感に変わってしまうので、冷凍は不向きと言われています。



ですが、敢えてその食感を活かして、煮物にしたり、肉の代用にしたりするのもおもしろいですよ。 



コンニャクの水気を切り(くさみが気になればアク抜きも)、用途に合わせた形状で冷凍します。唐揚げにするときは一口大にちぎり、煮物やショウガ焼きなどに使うときは薄切りにして、冷凍用保存袋へ。約1か月保存可能です。



使うときは、自然解凍または水かお湯に浸けて解凍を。しっかりと水気を絞ってから加熱調理しましょう。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



[All Photos by shutterstock.com]




https://iemone.jp/article/gourmet/hideaki_nakayama_376482/

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