【東京のおいしいパン屋ルポ】パンのペリカン人気パンランキング|浅草・田原町
イエモネ / 2020年7月14日 10時0分
新型コロナウイルスの影響で、まだまだいつも通りの暮らしができない今日この頃。こんな今だからこそ、おいしさだけでなく、癒しをも私たちにもたらしてくれる“パン”にイエモネは注目しました。 このシリーズでは、ほっこり幸せな気持ちになれるパン屋や人気パンランキングをご紹介。今回は、たった2種類のみのパンを販売する、浅草の老舗「パンのペリカン」の実食ルポをお届けしましょう!
創業78年!浅草が誇る老舗パン屋
田原町駅のほど近く、赤い看板が目印の「パンのペリカン」。創業は昭和17年。78年の長きにわたって営業を続ける老舗パン店です。
朝8時のオープン時にはすでに数名の行列が。地元の方のみならず、全国からパンを買い求めるお客さんが日々訪れているのだそう。
食パンとロールパンの2種類のみ
ペリカンで販売するのは「食パン」と「ロールパン」のたった2つのみ。形や大きさの違いをつけても10種類だけです。日本にパン屋は星の数ほどあれど、これほど潔いスタイルは類稀なる存在ではないでしょうか。
開店直後からひっきりなしに訪れるお客さん。注文の電話も途切れることはありません。
壁一面の棚にはパンがずらり。実はこれらのほとんどは予約済みのもの。当日飛び込みでも購入可能ですが、お昼前に売り切れてしまうこともあるのだとか。確実に入手したい場合は予約が断然おすすめです。
それにしてもこの人気ぶり・・・、恐るべし!
棚にお行儀よく鎮座する食パンたち。整然と並ぶ様は圧巻です。1日に作られる食パンは400〜500本、ロールパンは4000個にも及ぶのだそう。
「初代だったひいおじいちゃんは戦前に喫茶店も経営していて、生のコーヒー豆を焙煎したりとすごくハイカラな人と聞いています。当時の浅草は今の渋谷のような流行の発信地だったこともあり、パンという新しい食べ物で勝負していこうと店を始めたらしいです」
そう語ってくれたのは渡辺陸さん。2014年に4代目を継いだ若き店主です。
「当初は菓子パンも作っていましたが、2代目のおじいちゃんに代が変わった頃に同じようなパン屋が近所に増えちゃったみたいで。競争や喧嘩をしたくないから、“卸”に切り替えて食パンとロールパンに絞ったようです。現在でもレストランや喫茶店などへの卸が全体の3割ほどあります」(渡辺さん)
2代目から「食パン」と「ロールパン」に限定し、深掘りするという戦略にシフトチェンジしたペリカン。他店との差別化を図るためとはいえども、相当な覚悟と決断であったと察します。
新進気鋭のパン屋が続々と登場し、多種多様なパンがそろう今の時代、ペリカンで売るのは2種類のみ。にもかかわらず開店前から行列ができ、まさに飛ぶようにパンが売れる。
なぜそこまで人々を惹きつけるのでしょうか。おいしさの秘密について渡辺さんに聞いてみました。
「パンの製法は初代の頃とほとんど変わっていないんです。小麦粉が特殊ということもなく、ちょっといいものを使っているぐらい。強いて言えば“丁寧に真面目に作っている”ところでしょうか。でもパン屋だったらどこだって丁寧に真面目に作っているし、特別なことではないですよね(笑)」
あくまでも自分たちは“普通”であると話す渡辺さん。
とはいえ、シンプルで当たり前のことを極めるというのはそう簡単ではないもの。“普通”を究極まで極めたスタイルこそが多くのお客さんに愛され続ける理由なのではないかと思えます。
そこではペリカンの人気TOP3を発表!
人気パンランキング
3位 中ロール(520円)
3位は中ロール。5個入りで520円。毎日11時過ぎに焼き上げられます。
ぷっくりとしたフォルムに愛おしさをも覚えるロールパン。生地の密度がぎゅっと高く、ふんわり感ともっちり感が見事に調和。艶出しの玉子が塗られていないので小麦とバターの風味が口の中でダイレクトに伝わってきます。まずは何もつけずにそのままの味を体感したいところ。
2位 食パン1.5斤(650円)
2位は食パンの1.5斤。材料は小麦粉と水、イースト、砂糖、塩などと至ってシンプル。創業当時とほとんど同じ方法で作られています。
キメが細かくみっちり濃密な生地。まるで絹のような滑らかさ。
トーストするとふんわり感が一層アップ。驚くべきはもっちりした弾力と力強いコシ!香ばしさ、さっくり感も相まって「究極のトーストってこういうことだよね」と独り言ちてしまいました。素朴に見えながら最高の感動がぎっしり。
ちなみに渡辺さん曰く、焼いた当日よりも1日置いてからの方が耳まで水分が行き渡って、全体がしっとり馴染むとのこと。トーストするなら翌日がおすすめなのだそうです。
1位 食パン1斤(430円)
1位は食パンの1斤。1.5斤よりも小ぶりで約10cm角のサイズです。
香りや食感、旨味が際立ちパンそのものに存在感がしっかり主張。それでいてバターやジャムと合わせてももちろんおいしい。ふんわり感を堪能するならぜひ厚切りに!
“変わらない”を守り続けるために、さまざまな思いやこだわりが詰まったペリカンのパン。シンプルを極めた、78年間変わらぬ老舗の味わいを体感してみてはいかがでしょうか。
パンのペリカン
住所:東京都台東区寿4丁目7−4
電話番号:03-3841-4686
営業時間:月~土 8:00~17:00(店頭品切れの場合、閉店時間が早まることがあります。)
定休日:日曜日・祝日・特別休業日(夏・年末・年始)
HP: https://www.bakerpelican.com/index.html
※価格はすべて税込みです。
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。※店舗営業については最新情報をご確認ください。
[All Photos by Nao]
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