フランス流シンプルで豊かな暮らしのヒント【4】ゆっくり休んでしっかり充電、フランス人の「バカンス」
イエモネ / 2020年7月11日 7時30分
みなさんが思い描く、豊かな暮らしとは? フランスで暮らしていると、毎日を工夫しながら過ごすのも、人生を豊かにするひとつの方法だと気づきます。でもそれは、憧れのスローライフとは少し異なる、本当にちょっとした暮らしの知恵なのです。この連載では、毎日を快適に過ごすコツやアイデアなどを南フランスよりお届けします。
今回は、有給休暇を使った夏休み「Vacances d’été(バカンス・ド・エテ)」について。フランスのみなさんは、夏のバカンスをどのように過ごすのでしょう?
大人になっても、長~い夏休みが取れる幸せ
南仏は6月中旬から30℃を超す日も多くなり、バカンスシーズンがやってきました。当地には日本のお盆休みのように企業が定める夏休みはないものの、6~8月にかけて、2週間程度の有給休暇を取る人が多いです。
それにしても、ずいぶん長い夏休みだと思いませんか? 1年以上会社勤めをしている人であれば、5週間の年次有給休暇(※会社によってはそれ以上のところも)が取れるためです。フランスの有給休暇について詳しく知りたい方は、イエモネ姉妹サイトTABIZINEのこちらの記事をどうぞ!
フランス人は夏をどこで過ごす?
輝く太陽にどこまでも続く青い空、そして海 − フランス人が思い浮かべる夏のバカンスといえば、ビーチです!
自宅からそれほど遠くないビーチエリア、地中海を臨むコート・ダジュールを始めとする南仏地域、あるいはスペインやイタリアなど、近場のヨーロッパ圏でゆったりのんびり過ごす・・・というのが一般的です(※経済的に余裕があれば、家族揃って、海外でバカンスを楽しむ人たちももちろんいます)。
セーヌ川沿いの人工ビーチ「パリ・プラージュ」2012年度
Obs70 / Shutterstock.com
諸事情により長期旅行へ出かける予算がない人も、夏はやっぱりビーチに行きたい! そんなわけで、夏の閑散としたパリに大規模な人工ビーチ「パリ・プラージュ」が出現。誰でも気軽に、リゾート気分が味わえるというのがステキですよね。
筆者が暮らしているフランス南西部でも、人工ビーチ「トゥールズ・プラージュ」を始めとする、無料で楽しめる夏フェスやイベントが充実していますよ。
思い思いのバカンス、でも目的はひとつ?
まとまった休みが取れたら、「あれもしたいこれもしたい」と思う人が多いのではないでしょうか? せっかくの長期休暇なのに、何もしないのはもったいないですもんね。
ところが、です。バカンスをどこで過ごすにしても“まずは体を休めてゆっくりする”というのが、こちらの人たちの一般的な考え方です。「ジット(gîtes)」と呼ばれる家具やキッチン付きのコテージや、短期滞在型のアパートメントホテル、キャンプ場に別荘などで、日々の簡単な食事を作ったり掃除をしたりしつつ、のんびりと過ごすのです。
周囲のフランス人に聞いても「体の疲れが取れたら、観光などアクティビティを楽しみながら、残りの休みをゆっくり過ごす」という回答が多く、「もしも1週間しか休みが取れないのなら、旅行はせず家の周辺でゆっくりする」という人も結構多くてびっくり!
豪華なリゾートに滞在してマリンアクティビティや観光を楽しみ、グルメに買い物三昧の3泊4日・・・というような過ごし方は、ここフランスでは、ウケない模様です。
日常を豊かなものにしてくれるバカンス
旅行中に物事をあれこれ詰め込みすぎると、返って疲れてしまうことってありますよね。“休暇は体を休めるもの”というごく当たり前の発想だけれど、せかせかしがちな現代においては、フランス人のバカンスって、人間的で豊かだなぁと感じるのです(※もっともこれは、年次有給休暇が5週間ある上に、有給消化率100%という背景あってのことですが)。
好きな時間に起きて、昼下がりからワインを飲みつつ、気の向くままに過ごす・・・というのは、なんとも贅沢で豊かな過ごし方だと思いませんか?
体をしっかり休めて、心身ともにリフレッシュ。ゆったりのんびりのフランス的バカンスは、たとえ3日間しか休みが取れなかったとしても、マネしてみる価値ありです!
[service-public.fr]
[Photos by Shutterstock.com]
>>>連載「フランス流シンプルで豊かな暮らしのヒント」バックナンバーはこちら
>>>北欧フィンランドのライフスタイルがお手本。おうち時間を幸せに過ごすコツ
>>>【スローなニュース】コロナ禍時代を穏やかに過ごすために・・・心にそっと寄り添うムーミン谷の言葉
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