懐かしい活版印刷で作られた美しいパリのガイドブック 『MA VIE A PARIS』
IGNITE / 2017年9月20日 23時0分
今、活版印刷が見直されていることをご存じだろうか。
活版印刷は、「活字」と呼ばれる鉛で出来た文字を一つずつ拾い組み合わせ、凸面にインキをのせて刷る印刷技術である。
近年はデジタル技術の進歩により、その印刷文字を見ることも減っていた。しかし、独特の書体や紙に印刷された風合いとデザイン性が今、クリエイターたちの注目を集めているのである。
© Sophie Delaporte
18 世紀パリの手工芸技術を継承して作られる白い陶器で有名なフランスのライフスタイルブランド「アスティエ・ド・ヴィラット」から、2016年1月に発売されたフランスのガイドブック『MA VIE A PARIS』は、まさに芸術作品とも言える装丁である。
デザイナーであるイヴァン・ペリコリとブノワ・アスティエ・ド・ヴィラットが、パリのテイストを具現化し、オブジェのような美しさがこの本の特徴と絶賛された。三方金の装丁、長編小説を思わせる判型。
そして、パリを自分の庭のごとく知り尽くした著者が書いたこの本には、便利な情報が満載されており、『MA VIE A PARIS』のタイトルにふさわしく、イヴァンとブノワが個人的に通う店や場所を惜しげもなく紹介されている。
その中には超有名店もあれば、未だかつて明かされたことのない秘密の隠れ家もあり、自分たちが本当に居心地良いと感じるパリならではの場所の雰囲気を魅力たっぷりに且つ詳しく解説する。世界で唯一、活版で印刷されたガイドブックである。
フランス語版の発刊の後、その後の9月には英語版が出版。日本語版での出版も期待されていた中、今年 140 周年を迎えたDNP(大日本印刷株式会社 ) とのタグにより、今回実現となった。
DNPが長い社歴の中で大切に継承し保存していた活版印刷の技術はまさに13年ぶりの提供で、日本の職人たちの手による『MA VIE A PARIS』の印刷作業が行われた。
フランス語のアルファベットが 26 文字であるのに対し、日本語で使用される文字の数は3,000を超えるなか、すべての行程は手作業。
原稿を目視しながら一人目の職人が、無数の細かい仕切りの入った木棚に並ぶ漢字と仮名の活字を一文字ずつ拾い、二人目が不足している活字を鋳造する。
そして三人目の植字工が数字とアルファベットを追加しながら、活字をページの形に組む。
見事な一連の作業が、熱い鉛とインキの匂いが満ちる中、驚異的な速さと正確な手さばきで行われ、完成したガイドブック『MA VIE A PARIS』。
是非、手に取って実物を見てほしい。
(Y.FUKADA)
この記事に関連するニュース
-
「長年の思いが叶った、アートな奇書!」奥泉 光×川名 潤『虚史のリズム』
集英社オンライン / 2024年9月15日 10時0分
-
写植機誕生物語 〈石井茂吉と森澤信夫〉 第49回 【茂吉】文字と文字盤(5) 茂吉と助手
マイナビニュース / 2024年9月10日 12時0分
-
2024パリ・メモリアル讃歌『Bonjour!PARIS〜パリの恋人』(フランス語・作者歌唱版)をYouTubeで配信開始!
@Press / 2024年9月6日 20時0分
-
TOPPANホールディングス 印刷博物館、企画展 「写真植字の百年」 開催
PR TIMES / 2024年9月4日 14時15分
-
写植機誕生物語 〈石井茂吉と森澤信夫〉 第48回 【茂吉】文字と文字盤(4) 「明朝体」の完成
マイナビニュース / 2024年8月27日 12時0分
ランキング
-
1どんな時にスマホを買い替える? 3位スペック不足を感じた時、2位故障した時…1位は?
まいどなニュース / 2024年9月23日 16時0分
-
2「高くても低くてもダメ」血糖値の正しい整え方 人格破綻まで招きかねない「低血糖」の恐怖
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 17時0分
-
3痛くて腕が上がらない…【医師監修】五十肩という思い込みには要注意!痛みの原因と病状セルフチェック
ハルメク365 / 2024年9月23日 11時50分
-
4226kmを走破「世界一超人の91歳」その驚く肉体 20年間食べ続けてきた「食事メニュー」を公開
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 10時0分
-
5コーヒーよりもはるかに効果的…88歳医師が「長生きしたいならこれを飲むべき」と強く勧める"飲み物"
プレジデントオンライン / 2024年9月23日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください