メルセデス・ベンツ Sクラスに追加された「S450」は昨今の“電動化”を紐解く注目モデル
IGNITE / 2018年3月10日 8時0分
欧州勢のEVシフトが叫ばれて久しいが、全てのクルマをピュアEVにすることを目指しているわけではなく、内燃機関の効率化も進めながら“電気の力をこれまで以上に活用していく”という解釈がより正解に近いだろう。
そういった考えのもとに開発されたモデルがメルセデス・ベンツ Sクラスに追加され、3月1日から予約注文が始まった。
「S450」「S450エクスクルーシブ」「S450ロング」は、ISGや48V電気システム、新世代の直6ガソリンターボ、電動スーパーチャージャーといった最新テクノロジーを採用した注目のモデルだ。
ひとつずつ紹介していこう。まずISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)は最高出力16kW/最大トルク250Nmを発生する電気モーターで、エンジン始動や加速アシストに加え、減速時には走行エネルギーを回生できるマイルドハイブリッドとして機能する。
スターターが従来より高出力な電気モーターになるため、エンジン始動時やアイドリングストップからの再始動時の振動が抑えられ、より高級車に相応しい快適性も得られる。また、2秒以下のエンジン停止は燃費が逆に悪化することから、ドライバーの走行データやレーダーセンサーの情報をもとに、2秒以上停止しないと予測した場合にはエンジンをあえて停止しない機能も有しているという。
そして、一見すると地味ながらも非常に重要な役目を担っているのが48V(ボルト)電気システム。これはかねてよりドイツメーカーが進めていた車載電源規格で、従来の12Vよりも強力かつ効率のいい48Vによって、ISGや後述する電動スーパーチャージャーの性能を高めている。また、これによって従来はエンジン回転を動力源としていたエアコンやエンジンのウォーターポンプなども電動化された。
新世代の直6ガソリンターボ「M256」は、メルセデスとして約20年ぶりに復活させた直列6気筒エンジンであり、電動化を前提として設計されたエンジンでもある。古いファンにとっては待望の6気筒でもあるだろう。
小型の電動スーパーチャージャーは、排気で回転するターボチャージャーが苦手とする低回転域をカバーする。つまり、発進時にISGがエンジンをアシストし、続いて電動スーパーチャージャーが低回転域を補い、最後にターボチャージャーがブーストする3段構えとなり、あらゆる回転域でレスポンシブかつスムーズな加速を実現するというわけだ。この注目モデルは4月から順次デリバリーが始まる。
■グレードおよび価格
ISG搭載モデル
S450=1,147万円
S450エクスクルーシブ=1,363万円
S450ロング=1,473万円
(zlatan)
画像元:メルセデス・ベンツ日本
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